【名城大学】プロ野球界が熱視線を送る岩井投手、松本投手。２人の剛腕ピッチャー！
良きライバルとの出会いが成長の原動力に
名城大学硬式野球部を率いる岩井俊介（いわいしゅんすけ）投手、松本凌人（まつもとりょうと）投手の２人の投手が、いまプロ野球界のスカウトたちをザワつかせています。
得意球も持ち味も異なる２人ですが、どのような心境で2023年プロ野球ドラフト会議を待っているのでしょうか。
苦楽をともにしているチームメイトであり、良きライバルでもある両投手が胸に秘める野球愛とは？ 本学野球部の魅力とともに語っていただきます。
Q野球との出会いを教えてください。
松本：兄が野球をやっていて、その背中を追いかけるような感じで小学生のころから始めました。同世代の友だちの間では、圧倒的にサッカーのほうが人気でしたが、僕は野球ひと筋。地元のクラブチームに所属していました。
岩井：僕の場合は、通っていた小学校のごく普通の部活から野球をはじめました。父が野球ファンだったんです。中学校の部活では硬式野球になり、地元のクラブチームにも参加するようになりました。
Qこれまでに野球をやめたいと思ったことはありますか？
松本：高校でレギュラーからはずれたり、リーグ戦で負けたり、挫折は何度も経験しましたが、やめたいと思ったことは１度もありません。子どものころから、夢に向かっている途中なのだから涙を流すのは当たり前だ…そんな覚悟が自然にできていたように思います。自分で掲げた夢を簡単に変えてはいけないという思いも持ち続けています。
岩井：僕は、１度だけやめたいと思ったことがあります。高校生の時です。１年生ではレギュラーだったのですが、ある時から全然ストライクが入らなくなってしまい、気づいたら２番手、３番手のピッチャーになっていた。それが高校での引退まで続いてしまったんです。
Q挫折から立ち直る秘訣とは？
岩井：高校の野球部を引退してノンプレッシャーになったら、ストライクがガンガン決まるようになりました（笑）。だから、秘訣とはいえませんが、自分のメンタルと向き合うことは大事だと思います。
松本：確かに、メンタルの影響は大きいですよね。とは言え、結果を残せなかった試合の後は、考え込んでしまうより、練習を怠らずにやるのが一番かな？僕の場合、へこんでいてもそれで立ち直れます。
Q得意とする球種はなんですか？
松本：サイドスローから投げ込むストレートが自分にとっては一番の得意球です。元々はオーバースローでしたが、高校時代のスランプの時に監督からアドバイスを受けて、サイドスローに変えました。すると、コントロールが良くなり、球速も上がり、いまでは１５０km以上の球を投げられるようになりました。
岩井：自分の得意球は“全部”です（笑）。ストレートもフォークもスライダーも、すべての球種を磨き続けています。でも、ボールが続いて追い込まれた時にはインコースの真っ直ぐで勝負することが多いかな？
松本：岩井君の直球の回転数は、2700回以上もあるんです。プロ顔負けの回転数！僕もコントロールの精度を上げて、プロの世界で通用する得意球を育てていきたいと思っています。
Q名城大学野球部の魅力とは？
岩井：学年など関係なく、みんな仲がいいところ。
松本：同感です。本当にいい仲間が揃っています。それに、練習場の外野には人工芝が張られていて、環境も抜群です。
岩井：それに僕たちピッチャーにとっては、元プロ野球選手の山内コーチのサポートが心強いです。１年生のリーグ戦ではじめて投げた時、山内コーチから「フォアボールを出してもいいから思い切り腕を振っていけ」とアドバイスされ、気持ちが一気にラクになっていい球を投げることができました。フォアボールを恐れて縮こまっていた自分に気づかせてくれました。
松本：僕はこの野球部で人間性の面で成長できたと思います。試合中に点を取られると、つい感情的になってしまうところがあったのですが、いまでは信じられる仲間がいて、信頼関係の中で落ち着いて投げられるようになりました。
Q好きな言葉を教えてください。
岩井：「感謝」です。高校時代に京都で寮生活をして、家族への感謝を感じましたし、今も多くの人たちが支えてくださっていることを日々感じています。
松本：「弱気は最大の敵」。この言葉をグローブの中に刺繍で書き込んでいます。それと、山内コーチから聞いた「失敗の数と質の違いが、プロとアマチュアの違い」という言葉が心に残っています。ミスしても次の修正能力、継続力がプロとアマは違うのだ、と。この言葉を聞いてから意識が変わり、ブルペンでの１球、悪い投球の後の１球を大切にするようになりました。
Qところで、お互いのことはどう思っている？
松本：岩井君は本当にいいピッチャーだと思います。同じ夢をめざして走り続けてきたので、プロという夢を一緒に勝ち取りたいですね。
岩井：同じチームに松本君という良きライバルがいたから自分も成長できたのだと思います。投球ホームも性格もまったく違いますが、なくてはならない大切な仲間です。
Qプロの世界ではどんな選手をめざしますか？
松本：リーグ戦などでは試合の後半を任されることが多いのですが、将来は、先発であろうと、中継ぎであろうと、ここぞという場面で自分の強い性格を活かしていきたいと思っています。
岩井：僕もどんな場面でも対応できる投手をめざしていますが、やはり、先発完投できる投手には憧れますね。
松本・岩井：自分が成長し、活躍のステージが上がるに連れて、試練も大きくなっていく。その覚悟を教えてくれたのが名城大学野球部です。そのチャレンジスピリットを継承し、これからも互いに切磋琢磨していきたいと思っています。
岩井俊介（いわいしゅんすけ）投手 プロフィール
愛知県高浜市出身。京都翔英高等学校出身。身長182cm体重90kg 背番号18
右投げ右打ちだが、本来は左ききで、箸もペンも左手で持つ。直球の回転数が2700回を超え、メディアを驚かせた。憧れの選手は、ニューヨークメッツで活躍し、“おばけフォーク”で名を馳せた千賀滉大投手。休日でも「野球から離れるのが怖いから」と、筋トレやランニングをしてしまうという。好対照をなす松本選手とともに名城大野球部を牽引し、いくつもの勝利に導いた。
松本凌人（まつもとりょうと）投手 プロフィール
大阪府四條畷市出身。神戸国際大学附属高等学校出身。身長183cm体重89kg 背番号11
右投げ右打ち。サイドスローから繰り出す153kmの直球をはじめ、カットボール、スプリットなどが注目を集めている。憧れの選手は、かつてヤクルトスワローズで活躍した林昌勇（イム・チャンヨン）選手。自身と同じサイドスローの速球派として成功した投手で、ビデオなどを見て研究中。休日は野球のことを忘れて仲間とサウナで心身ともにリセットしている。
