「ローズマリーエキスのアンチポリューション効果」に関する共同研究成果について発表
日本薬学会第145年会にて
株式会社ナガセビューティケァ(本社 東京都中央区、代表取締役社長 鳥江孝治)は、武庫川女子大学薬学部 仁木准教授らのグループと2023年4月より共同研究を開始し、その成果としてローズマリーエキスについてアンチポリューション効果を確認しました。
この研究成果を、日本薬学会第145年会(福岡 2025年3月26日- 29日)にて発表しました。

研究背景
ローズマリー(Savlia rosmarinus)は古くから私たちの生活に利用されてきたハーブの1種であり、化粧用から食品まで幅広い用途で利用されています。
近年、大気汚染は健康に悪影響を与える環境リスクとして知られていますが、最近の研究によって皮膚にも悪影響を及ぼすことが明らかとされ、大気汚染物質は皮膚の老化促進因子の一つであると考えられています。そのため、大気汚染物質による皮膚老化への予防を目的としたアンチポリューションの必要性が着目されています。
本研究では、大気汚染物質からの皮膚への影響を軽減することを目的とし、ローズマリーの表皮への有用性を評価しました。
学会発表内容
ローズマリーの葉からエタノールを用いてエキスを抽出し、ローズマリーエキスを調製しました。ヒト正常皮膚角化細胞(NHEK)を用いて、ローズマリーエキスを含有する培地で約24時間培養した後、大気汚染物質であるディーゼル排気粒子抽出物に暴露しました。ディーゼル排気粒子抽出物の作用により、NHEKの細胞内で酸化ストレスを引き起こす活性酸素種(ROS)濃度の上昇が確認され、ディーゼル排気粒子抽出物によって酸化ストレスが引き起こされることが確認されました。
一方で、NHEKに予めローズマリーエキスを作用させることにより、細胞内ROSの抑制が確認されました(図1)。本結果から、ローズマリーエキスはディーゼル排気粒子抽出物によって引き起こされる表皮における酸化ストレスを抑制することが示唆されました。

続いて、ローズマリーエキスがもたらす表皮細胞内への影響を確認するため、先ほどと同様の処理をしたNHEKについて、薬物代謝酵素及び炎症関連遺伝子の発現変化を評価しました。
その結果、薬物代謝酵素であるCYP1A1や、炎症に関連するIL-8、IL-1及びCOX2などの遺伝子発現が、ディーゼル排気粒子抽出物の作用によって上昇することが確認されました。一方で、ローズマリーエキスを予め作用させておくことにより、各遺伝子発現の上昇が抑制されることが確認されました(図2)。

まとめ
本研究において、大気汚染物質によって引き起こされる表皮細胞の酸化ストレスをローズマリーエキスが軽減する効果が確認されました。
また、ローズマリーエキスには大気汚染物質によって誘導される薬物代謝酵素や炎症を抑制することが示唆されました。スキンケア化粧品にローズマリーエキスを配合することにより、日常のスキンケアにおいて大気汚染の影響を軽減するアンチポリューション効果が期待されます。
今後も、ローズマリーの皮膚への有効性や化粧品への応用に関して研究を進めていきます。