【名城大学】柔道五輪金メダリストの谷本歩実・薬学部特任教授が今年度初めての講義
「スポーツの価値~アンチ・ドーピング~」と題してドーピングの事例などを解説
アテネ五輪と北京五輪の女子柔道金メダリストで本学薬学部の谷本歩実特任教授が5月24日、八事キャンパスで今年度初めての講義に臨みました。梅田孝教授が担当する1年次開講科目「健康・スポーツ科学理論」で、2コマ合わせて約280人に「スポーツの価値~アンチ・ドーピング~」と題して「アスリートとドーピング」について解説しました。
「スポーツファーマシスト」としての心構えなども伝授
谷本特任教授は梅田教授が弘前大学大学院医学研究科社会医学講座在職時代に学位(医学博士)指導した教え子です。薬の正しい使い方などドーピングの専門知識を持つ薬剤師の資格「スポーツファーマシスト」を目指す学生も多く、梅田教授が初めに「アスリート側の立ち位置でドーピングやアンチ・ドーピングをとらえてほしい」と強調しました。
谷本特任教授はまず、オリンピックに臨むアスリートの覚悟や心理状態などを自らの経験を交えて紹介。スポーツ心理学でけがをした選手は第三者の支えがあることで回復が早まるとされることを紹介し、「スポーツファーマシストとして支える側に回る皆さんは、けがをした選手や負けた選手の味方になってほしい」と力を込めました。
続いて、ドーピングとアンチ・ドーピングの歴史、現在のアスリートには五輪などの出場条件として競技の実績に加え「クリーン」であることの証明が必要なことなどを解説。さらに、実際の違反事例として、医師が処方した胃腸薬に禁止薬物が混入していた例や代表入りを争うライバルに筋肉増強剤を混入した例などを紹介しました。
「たくさん学んでそれを伝え、アスリートたちを守ってください」と谷本特任教授
講義の間、教室内を回って「スポーツファーマシストだったらどうとらえ、どう支えますか?」などと学生たちに何度も質問したり、マイクを向けて積極的に意見を聞いたりした谷本特任教授。最後に「たくさんのことを学んでそれを伝えることで、アスリートたちをぜひ守ってください」と呼び掛けました。