あっという間に読み終わる 「幸せな実家じまい」のお話【前編】|property technologies

株式会社property technologies
2025-06-17 04:00

何年も前から問題視されてきた「2025年問題」―――― 1947〜49年の第1次ベビーブームに生まれ、高度経済成長期を支えた「団塊の世代」が後期高齢者(75歳以上)となり、「超」高齢化社会を迎えます。そして、国民のおよそ2割が後期高齢者となり、同時に多くの相続が発生すると予想されます。

このような状況の中、両親が健康なうちに「実家じまい」を検討することが、今後ますます重要になってくることは、下記記事「知っておきたい 「実家じまい(マンションじまい)」のリアルな数字」で取り上げていますので、併せてご覧ください。

https://newscast.jp/news/4237926

高齢の親が大きな家に一人で暮らしていると、

 ◣階段の上り下りや防犯面で危険
 ◣買い物や病院が遠く不便
 ◣修繕やリフォーム代金など管理費用がかさむ

といった健康面や金銭面に対する不安がつきものです。

本記事では、実家の売却(実家じまい)を行い生活の質を劇的に向上させた「実家じまい事例」を紹介します。
実家じまい事情は「動機によって」「ライフスタイルによって」「地縁によって」人それぞれではありますが、実家じまいの明るい実話をみていきましょう。

実家の売却(実家じまい)と住み替えを考える3つのタイミング

実家を手放すかどうかは、住み慣れた環境を変えるといった点で感情面のハードルが極めて高いものです。しかしながら判断が遅れれば遅れるほど「健康」「経済」「相続」のリスクが膨らみます。
特に木造の旧耐震住宅や郊外の不便な立地は、転倒事故や通院負担の温床になりがちです。
高齢期を安心して過ごすためには「まだ元気なうち」に準備を始めることが肝要です。

教えて。 実家じまい(売却~住み替え)後の明るい生活

① 実家を売却し長男家族と同居するマンションに住み替え|安全と安心を確保

【背景:一人暮らしの不安から家族との新しい生活へ】

父を亡くし、長年住み慣れた実家で一人暮らしを続けていた母(しのぶ)(仮名・80代)。広い一戸建ては夫婦二人で暮らしていた頃には丁度良い広さでしたが、一人になってからは管理が大変になっていました。特に足腰に不安を抱える母(しのぶ)にとって、階段の上り下りや庭の手入れは次第に負担となっていたのです。夜間の防犯面での不安、急な体調不良時の対応、日常の買い物や通院の負担など、一人暮らしを続けることへの懸念は日に日に大きくなっていました。

【実行したこと:家族会議から生まれた新しい選択】

兄弟間で何度も話し合いを重ねた結果、実家を売却し、長男と同居できるマンションへの住み替えを決断しました。単に同居するだけでなく、母(しのぶ)にとって快適で安全な住環境を整えることを最優先としました。
選んだマンションは、最寄り駅から近く、スーパーマーケットや総合病院が徒歩圏内にある立地。バリアフリー設計で、エレベーター完備、室内にも段差がほとんどない構造です。「母の生活動線を考えて、できるだけ移動が楽になる間取りを選びました」

【予想を上回る生活の変化】

住み替えから半年が経過した現在、母(しのぶ)の生活は劇的に変化しました。毎朝の散歩が日課となり、近所の公園で知り合った友人たちとラジオ体操するなど交流も生まれています。孫と接する機会が増えたことで母の笑顔が増えました。
この住み替えで得られたのは、単なる住環境の改善だけではありませんでした。家族との絆の深まり、地域コミュニティとの新たなつながり、そして何より母(しのぶ)自身の心身の健康向上という、かけがえのない価値を手に入れることができました。

② 実家を売却し有料老人ホームに住み替え|夫の介護負担軽減で夫婦仲も良好

【背景:介護の重圧に押し潰されそうになった日々】

長年住み慣れたマンションで、夫婦二人静かに暮らしていた田中さん夫妻(仮名)。しかし、夫の要介護度が上がるにつれ、妻の介護負担は日増しに重くなっていきました。
「朝起きてから夜寝るまで、気の休まる時間がありませんでした」と振り返る妻(かなえ)(仮名・70代)。入浴介助、食事の準備、服薬管理、そして夜間の見守りまで、一日中介護に追われる生活が続きました。
夫婦に子供はおらず、頼れる身内もいない。地域の介護サービスは利用していたものの、限られた時間のサポートでは根本的な解決には至らなかった。「このままでは私も倒れてしまう」そんな不安が日々募っていきました。

【実行したこと:実家を売却し、売却資金を元手に夫婦で老人ホームへ入居】

そんな中、妻(かなえ)の決断は実家の売却でした。「住み慣れた場所を離れるのは寂しかったですが、夫のため、そして私たち夫婦の将来のためでした」。
売却で得た資金を元手に、夫婦で入居できる有料老人ホームを探し始めました。「最初は不安でしたが、見学の際にスタッフの方々の温かい対応を見て、ここなら安心して任せられると感じました」と当時を振り返ります。

【予想を上回る生活の変化】

老人ホームへの入居後、夫婦の生活は劇的に変化しました。24時間体制で配置された専門スタッフが、夫の介護を適切にサポート。これまで妻(かなえ)一人で背負っていた介護の重圧が一気に軽減されました。安心して一人で外出できるようになり、近所の商店街での買い物や、昔からの友人との食事も楽しめるようになりました。施設内でも同じような境遇の方々と友人関係を築き、日々の会話が生活に彩りを添えています。
介護の負担から解放されたことで、心と時間に余裕ができ、「夫と過ごす時間を純粋に楽しめるようになりました」と妻(かなえ)は微笑みます。

よくある質問(FAQ)

Q1: 実家の売却と新しい住まいどちらを先に探せばいいの?

A1: まずは実家の価格を知ることからスタートすることをお勧めします。価格を知ることで予算感が把握でき、新しい住まい探しがスムーズになります。不動産価格は年々変化するため、定期的に確認することをお勧めします。

Q2: 売却益にかかる税金は?

A2: 売却益は譲渡所得となり所得税が発生します。しかしながら居住用財産の3,000万円特別控除や長期譲渡の軽減税率を活用すれば、税金を大幅に抑えられるため、売却時は税理士に相談することをおすすめします。

Q3: 遠方の家族と話し合いが進まない場合は?

A3: オンライン家族会議に第三者(FP・司法書士)を同席させると、感情的対立を最小化できます。


後編では、引き続き、実家じまい(売却~住み替え)後の明るい生活の「駅チカマンションに住み替え」事例や「憧れの田舎暮らし」事例、そして「実家じまいの流れ」、体験者に学ぶ「やっておいてよかったこと」等に迫ります。

(編集・執筆/property technologies 永江 直人)

適用に際しての具体的な注意点
・上記は令和6年10月末時点の適用法令・通達等に基づき記載しております。
・上記事例等は一例であり実際に適用する場合にはご自身が適用要件を満たしているか専門家等にご確認の上適切にご対応頂きますようお願い致します。
・本記事の記載内容にあてはめて適用することを保証するものではありませんのでご留意願います。

監修/大谷 修太(おおたに しゅうた)

齋藤久誠公認会計士・税理士事務所

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
宅地建物取引士

2012年にみずほ銀行へ入社後、2014年みずほ信託銀行へ出向。
2024年まで相続・事業承継・不動産を専門とするコンサルタントとして毎年100家族以上のご相談に対応。現在は独立し「相続や事業承継で経済的に不幸になるご家族を一人でも減らしたい」という理念のもと、幅広い層の皆さまに最適なソリューションを提供。

株式会社property technologies(プロパティ・テクノロジーズ)について

https://pptc.co.jp/

「UNLOCK YOUR POSSIBILITIES. ~テクノロジーで人生の可能性を解き放つ~」というミッションを掲げています。年間36,000件超の不動産価格査定実績やグループ累計約13,500戸の不動産販売で培ったリアルな取引データ・ノウハウを背景に、「リアル(住まい)×テクノロジー」で実現する「誰もが」「いつでも」「何度でも」「気軽に」住み替えることができる未来に向け、手軽でお客様にとって利便性の高い不動産取引を提供しています。

<会社概要>
会社名:株式会社property technologies
代表者:代表取締役社長 濱中 雄大
URL:https://pptc.co.jp/
本社:東京都渋谷区本町3-12-1 住友不動産西新宿ビル6号館12階
設立:2020年11月16日
上場:東京証券取引所グロース市場(5527)

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