家族としてどう向き合うべきか
認知症・メンタル不調の"正しい関わり方"

「最近、親の様子がおかしい気がする」
「パートナーが落ち込んでいるけれど、どう声をかければいいか分からない」
家族の心身の変化に気づいたとき、
どう関わればいいのか迷われる方も多いのではないでしょうか?
心配するあまり踏み込みすぎてしまったり、
逆に「様子を見よう」と距離を置いてしまったり。
その狭間で、家族自身が疲弊してしまうケースも珍しくないとされています。
今回は、認知症やメンタル不調を抱える方の家族が感じやすい悩みと、
専門家の視点から考える"正しい関わり方"について整理します。
■ 家族が抱えやすい悩みと負担
本人を支える立場になった家族は、
様々な感情や困難を抱えることがあります。
例えば、次のような状況です。
・「どこまで手を出せばよいか分からない」という迷い
・同じ話を繰り返されることへの疲弊感
・「なぜこんなことも分からないのか」という苛立ちと、そう感じてしまう自分への罪悪感
・誰にも相談できず、一人で抱え込んでしまう孤立感
・先の見えない介護や支援に対する不安
こうした感情は、家族として当然生じるものです。
「こんなことを感じてはいけない」と自分を責める必要はありません。
まず、家族自身がこうした感情を持つことを認めることが、
適切な関わりを続けるための第一歩とされています。
■ やりがちなNG対応
善意から行動しているにもかかわらず、
結果として本人を追い詰めてしまうケースがあります。
代表的なものとして、次のような対応が挙げられます。
【記憶や行動の誤りを正そうとする】
「さっきも言ったでしょう」「なんで忘れるの?」といった言葉は、
本人にとって強いストレスになることがあります。
認知症の場合、記憶の障害は意志の問題ではありません。
指摘や訂正よりも、その場の感情や状況に寄り添う対応が有効とされています。
【受診を強制・急かす】
「病院に行きなさい」と頭ごなしに促すことで、本人が受診への抵抗感を強めてしまうケースもあります。
特に認知症の初期段階では、自分の変化を認識しにくいこともあり、
強制的なアプローチは逆効果になる可能性があると考えられています。
【すべてを代わりにやってあげる】
心配するあまり、日常の全てを家族が引き受けようとすることがあります。
しかし、本人が「できること」を奪ってしまうと、
自立心や意欲の低下につながる可能性もあるとされています。
サポートの範囲を見極めることが大切です。
■ 家族だけで抱えないための考え方 支える側にも、限界があります。

「家族だから自分が何とかしなければ」という気持ちは理解できますが、
その責任感が家族自身の心身を追い詰めてしまうケースも少なくありません。
重要なのは、「一人で抱えないこと」です。
例えば、以下のような選択肢があります。
・同じ立場の家族が集まる「家族会」への参加
・地域の相談窓口(地域包括支援センターなど)への問い合わせ
・かかりつけ医や専門医への相談(本人だけでなく、家族だけでの相談も可能な場合があります)
・介護サービスやデイケアの利用検討
こうした外部のサポートを活用することは、
家族として「逃げること」ではなく、「長く支え続けるための選択」と考えることができます。
■医療機関プロフィール

医療法人大壮会 久喜すずのき病院
埼玉県久喜市にある精神科・心療内科の専門医療機関。
うつ病や不安障害、認知症など幅広い心の不調に対応し、
患者一人ひとりに寄り添った医療を提供しています。
外来診療に加え、デイケアやリハビリテーションなど継続的な支援体制も整え、
地域に根ざした医療に取り組んでいます。
▶ 公式サイト:https://suzunoki.net/
▶電話番号:0480-23-654




