犬の糞尿被害は警察に通報できる?相談先の使い分けと証拠の集め方を弁護士が解説

「家の前に、毎日のように犬のフンが放置されている」
「駐車場の車に犬の尿をかけられて、においが取れない」
「注意したいけれど、近所の人だから角が立ちそうで言えない」
このように、犬の糞尿被害に悩まされている方は少なくありません。
自分で掃除を続けるうちに「自分が神経質なだけなのだろうか」と考えて我慢してしまい、警察や役所に相談していいものか判断がつかないという方も多くいらっしゃいます。
結論から言うと、犬の糞尿の放置は単なるマナー違反ではありません。
多くの自治体では条例で禁止されており、違反行為にあたる場合があります。
ただし、いきなり警察に相談してもすぐに対応してもらえないケースもあります。
本記事では、犬の糞尿被害への対処法について、適用される法律と罰則、相談先の使い分け、証拠の集め方、飼い主に費用を請求できるケース、そして絶対にやってはいけない対処法まで、弁護士監修のもと、解説していきます。

犬の糞尿被害は「マナー」ではなく法律で対処できる問題
結論から言うと、犬の糞尿を繰り返し放置される被害は「我慢するしかない問題」ではありません。
たとえば千葉県の一宮町は、飼い犬のふんの処理が県の条例で飼い主の責務とされていること、状況によっては軽犯罪法や廃棄物処理法による処罰の対象になりうることを住民向けに明示しています。
ただし、被害に気づいた直後に警察へ駆け込んでも「当事者間で話し合ってください」と言われて終わるケースが少なくありません。
適切に対応してもらうには、順を追って対応する必要があります。
犬の糞尿被害を止める手順は、以下のとおりです。
1. 記録する(日時・場所・状態を残し、写真に撮る)
2. 自治体に相談する(環境課や生活衛生課が窓口)
3. 警察に相談する(常習性と証拠がそろった段階で)
4. 民事で請求する(金銭で説明できる損害がある場合)
犬の糞尿被害はどこに通報すればいいのか
通報先は、飼い主が特定できているかどうか、被害場所が公道か私有地か、集合住宅かどうかで窓口が異なります。
犬の糞尿被害で最初に相談すべき窓口は、市区町村の環境課や生活衛生課となります。
各窓口の役割は次のとおりです。
・市区町村(環境課・生活衛生課など):
啓発看板の配布、パトロールの実施、条例にもとづく指導。飼い主が特定できている場合は直接指導してもらえることがある
・保健所・動物愛護センター:
飼育状況に問題がある場合の指導、飼い主向けのしつけ方教室の案内
・管理会社・管理組合:
マンションやアパートの共用部での被害。管理規約にもとづく注意喚起や掲示が可能
・警察:
常習性が明らかで、証拠がそろっている段階
神奈川県茅ヶ崎市のように、被害に困っている住民へ黄色いチョークを窓口で配布したり、自治会と協力してマナー啓発パトロールを実施したりしている自治体もあります。

