神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300
強羅環翠楼は旧三菱財閥岩崎家の別荘を譲り受け、1949(昭和24)年に開業。元は、三菱会社初代社長岩崎弥太郎氏の三男、岩崎康弥氏が1915(大正4)年から強羅分譲地を購入し、まもなく木造2階建ての日本家屋を別荘として建築したのが始まりです。康弥氏が好んだ一昭亭の「松の間」や「晴旭(せいきょく)の間」は当時の姿のまま残されており、窓際の欄干と大きな板ガラスから差し込む光に、良き時代の面影が今も漂います。1955(昭和30)年には昭和天皇皇后両陛下が、当時新築した離れの「錦華亭」にご宿泊されました。また、第1回芥川賞を受賞した作家、石川達三氏が尾崎一雄氏と訪れ、館内にある温泉風呂をそれぞれ、「巽の湯」「木がくれの湯」と命名するなど、多くの文豪も足を運ばれました。自家源泉掛け流しの温泉や伝統を受け継ぐ会席料理、四季折々の表情を見せる日本庭園など、移り行く箱根強羅の季節とともにのんびりとお愉しみいただけます。