【MOVIE】最後に明かされるポン・ジュノの企てとは 「パラサイト 半地下の家族」

Written by : 相田冬二
ナ・ホンジンの「哭声/コクソン」。イ・チャンドンの「バーニング 劇場版」。そしてポン・ジュノの「パラサイト 半地下の家族」。ここ数年で韓国映画は世界映画の水準を信じがたいほどのレベルにまで引き上げた。「パラサイト」がカンヌ・パルム・ドールに輝いたのはその象徴的なトピックにすぎない。それよりも映画史に名を残すであろうこの3作がすべて同じ撮影監督によるものであることは記憶しておいたほうがいい。神はカメラに宿る。ホン・ギョンピョ。クリストファー・ドイルの許で修行を積んだこの男は日本の撮り手にたとえるなら芦澤明子の揺るぎなさと近藤龍人の柔軟性を併せ持つ。つまりカメラマンとしては無敵である。

 ホン・ギョンピョのグラフィカルでありながら多方向に解放されている「パラサイト」のカメラワークがわたしたちを連れていくのは痛快無比な世界だ。映画はいくら面白くても一向に構わない。否。映画における面白さは無限だ。無邪気にそう断言してしまいたくなるほど本作の面白さは屹立している。好奇心を刺激するという柔なレベルではなく純粋に視覚として快楽が保証されており際限のない怒濤の連打は欲する暇さえ与えず眼差しをめくるめく渦の中に放り込む。

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