世界に挑むアーティスト発掘の歩み伝える記念誌発刊 『国際瀧冨士美術賞40年』 歴代受賞者インタビューや座談会など多彩
公益財団法人 日本交通文化協会(東京都千代田区、理事長:滝 久雄)は、パブリックアートを担う若手芸術家の育成のために創設した「国際瀧冨士美術賞」が40年を迎えたことを記念し、『国際瀧冨士美術賞40年 世界に挑むアーティスト発掘の歩み』をこのほど発刊しました。「アート その面白さと夢」と題した若手受賞者座談会や、日本と世界で活躍されている歴代受賞者16人のインタビュー、各国の指導教員座談会、歴代グランプリ作品の紹介など多彩な内容を盛り込み、パブリックアートの振興・普及を進めてきた日本交通文化協会の取り組みや世界に挑む芸術家の発掘に関する足跡が伝わる貴重な一冊となっています。
日本交通文化協会は1980年、パブリックアートを担う若手芸術家の登竜門として「瀧冨士美術賞」を創設。91年には対象を国外の美術大学にも広げ、「国際瀧冨士美術賞」と改称しました。
美術大学の4年生を対象にした賞で、これだけ長い歴史をもったものは珍しく、現在の参加校は国内13校、海外は7カ国13校です。2019年までの40年間に計780人の学生が総額2億円以上の賞(奨学金)を受けています。
過去の受賞者では、芸術家や指導者として活躍されている方が多く、彫刻家の青木野枝(第1期)、画家の奈良美智(第5期)、工芸の原智(第6期)、彫刻やインスタレーションのヤノベケンジ(第9期)、彫刻や映像・インスタレーションの小谷元彦(15期)の各氏がおられます。
記念誌では、一線で活躍する16人の受賞者OB・OGインタビューで青木野枝氏、奈良美智氏、原智氏らがアーティストになるまでの歩みと取り組み、迷いと覚醒などについて率直に語っています。美術賞に応募された若いときの作品の写真も載せており、後世に伝えるべき記録となっています。
また、審査員を務めている青木野枝(彫刻)、日比野克彦(絵画・インスタレーション)、大成浩(彫刻)、大津英敏(絵画)、宮田亮平(鍛金)の5氏が、美術界で国際瀧冨士美術賞が果たしてきた役割についてさまざまな側面から興味深いコメントを寄せています。
国際瀧冨士美術賞の特徴は「才能ある美大生の発掘・育成」で、特定の人だけに光を当てるのではなく、幅広く受賞者を選び、賞金(奨学金)を付与していることです。もう一つの特徴は、「交流」と「コミュニティー」の重視です。授賞式と懇親会には内外の受賞者のほか、指導教員や大学の教員・関係者を東京の会場に招きます。受賞者、教員、大学関係者が一堂に会して交流する機会を設け、受賞者には幅広く人脈を作ってもらい、将来に役立ってほしいと願っています。
国内の参加校は東京藝大、多摩美大、女子美大、武蔵野美大、金沢美術工芸大、東北芸工大、京都芸術大、沖縄県立芸大など13美大です。海外は韓国、中国、シンガポール、ドイツ、フランス、英国、米国の7カ国で、清華大学(中国)、ラサール大学(シンガポール)、パリ国立高等美術学校(フランス)、ベルリン芸術大学(ドイツ)、ロンドン芸術大学(英国)など13美大が対象校になっています。
記念誌はA5判、266ページ。一般の書店には置いておりませんが、ご興味のある方は当協会にご相談ください。
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公益財団法人 日本交通文化協会
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