<自転車の安全利用促進委員会レポート> 小・中・高校生の自転車事故を防ぐ指導のポイントを学ぶ  教員向け『自転車通学指導セミナー』を 鳥取県で開催しました

自転車のルール・マナー等の正しい利用方法や安全安心な自転車の選び方、メンテナンスの重要性を啓発する自転車の安全利用促進委員会と一般社団法人自転車協会は、2020年12月3日(木)に、『第2回鳥取県学校安全研修会』にて、鳥取県内の小・中学校および高等学校等の教職員約130名に対して、自転車通学指導セミナーを実施いたしましたので、ご報告いたします。

講演では自転車の安全利用促進委員会メンバーの遠藤まさ子氏が、鳥取県の自転車事故の特徴や事故データに触れながら、自転車通学指導の重要性を解説しました。また、小学校から高校生のそれぞれの学年に応じた特徴と指導ポイントを全国の事例を交えて紹介。さらに生徒が加害者になってしまった事例や自転車製品の安全性(BAAマークについて)等について講演しました。

鳥取県警の統計によると、過去10年の自転車事故による死傷者数のうち、中学・高校生が全死傷者の26%を占めています。特に高校生が293人と最も多いにも関わらず、自転車事故で死傷した高校生のヘルメットの着用率は、3%と低い傾向にあります。講演の中で遠藤まさ子氏からは、「万が一事故が起きた際には、ヘルメットの着用が重大な被害をもたらすかの分かれ目になることも多いです。自転車が命に直結している“乗り物”だということを生徒の皆様へ伝えていただきながら、ヘルメット着用を促していただきたい。」と強調しました。

他にも講演の中で、「生徒の学年ごとの特徴や理解力に合わせて指導方法も変えていく必要があります。責任感や交通ルールを理解できる中高生であっても、自転車事故の加害者になってしまうことが多いので、法令違反のない正しいルール・マナーを伝えていく必要があります。また、通学自転車は毎日乗るものなので、BAAマークなどの安全マークが付いた自転車を選び、定期的にメンテナンスをすることが重要です。」と話しました。これからは日も短く夜道の下校となるため、重大な事故が起きやすい状況となります。こうした季節を前に、最適な指導について改めて考える機会となりました。

参加した教職員の感想

・「交差点での出会い頭の事故が多いと説明があったが、実際に当校の生徒も出会い頭の事故に遭ってしまっている。
より一層注意喚起をしていく必要があると思った。(高校教員)」
・「講演を通じて改めて自転車指導のポイントを整理することができた。自転車保険加入の重要性など、これまで実践
してきた指導を継続していき、少しでも自転車事故を無くしていきたい。(高校教員)」

講演の様子1
講演の様子2

参考資料

自転車の安全利用促進委員会とは

自転車の安全利用促進委員会とは、一般社団法人自転車協会の協力を受け、安全安心な自転車利用のための啓発活動を行う団体です。自転車の利用者の方々に快適な自転車生活を送って頂くため、購入時に知っておくべき自転車の選び方から購入後のメンテナンス、正しいルール・マナーなどの情報発信を行っています。また、活動の一環として教職員や学生を対象とした、自転車通学指導セミナーも全国で開催しております。

BAAマークとは

BAAマークは、一般社団法人自転車協会が制定し、同協会が定める自転車安全基準に適合した製品に貼られています。BAAマークの自転車安全基準は全部で約90項目もあり、安全・安心な自転車の目印として認知されています。

BAAマーク

登壇者

講演 遠藤 まさ子(えんどう・まさこ)
自転車の安全利用促進委員会メンバー、自転車ジャーナリスト。自転車業界新聞の記者や自転車専門誌の編集などを経てフリーランスへ転向。自転車・育児用品を中心に取材を行い、各誌に寄稿している。テレビ・新聞・雑誌などの各種メディアでコメンテーターとして登場する機会も多い。

遠藤まさ子氏
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