災害時における市民の生活用水確保に地下水を活用八千代市の町工場が災害時協力井戸で地域貢献

2021-03-15 14:00

各種機械設計製作及び金型、治具、ゲージ、精密機械の加工を行う有限会社及川製作所（代表：及川昭彦、本社：千葉県八千代市）は、東日本大震災から１０年目の今年3月１０日、八千代市の災害時協力井戸の指定決定を受け、災害時における地域への飲料水の提供を開始しました。

【近年における大規模災害と断水の多発】

地震や台風における断水は、市民の生活に大きな影響を与えます。
厚生労働省の発表では、東日本大震災による全国の総断水戸数は、１９都道県、２６４事業体で約２５７万戸でした。（※１）
　また、同省ホームページに掲載されている、平成２８年以降に発生した大規模な地震や台風、大雨による１４件の被害のうち１４件ともに断水が発生しており、市民の生活用水確保は重要な課題となっています。
※１：厚生労働省『総断水戸数断水状況資料』
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/houkoku/suidou/dl/121214_033.pdp
※２：厚生労働省ホームページ：災害
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055967.html

【全国に広がる災害時における地下水の活用と協力井戸】

生活用水確保の一つとして、地下水の利用が全国広がっています。災害時に供給が困難となる恐れのある生活用水の水源確保を図るため、災害時に井戸水を提供いただけるよう、個人や事業所が所有している井戸を事前に登録する「災害時協力井戸」として登録する精度があります。
現在、全国３２都道府県１６０以上の自治体が、災害時協力井戸の協力を募り、また、自治体ホーページにて登録井戸のリストや場所の公開を行っております。千葉県内では、１１の自治体が協力井戸の登録を募集しており、当社が所在する八千代市もその１つです。

【八千代市の災害時協力井戸】

八千代市は、平成７年に発生した阪神・淡路大震災では、被災地の生活用水として一般家庭の井戸水が大きな役割を果たした教訓を踏まえて、平成１１年より、地震の発生で水道施設が被災し、生活に必要な水が得られない場合に備え、市内で井戸を所有している人を対象に、災害時協力井戸を登録しています。
登録方法は、八千代市に協力井戸登録申請後、市の水質調査を経て、飲料水としての安全性が確認された井戸が対象となります。登録した井戸には黄色の表示板を交付されます。協力井戸登録数は、令和３年３月時点で９５ヶ所です。

【精密加工で培った精神で地域貢献を開始】

社長の及川昭彦は、社風にある探究と追求の精神から、本業もさることながら、当社を支えてくれている地域に貢献できることはないかと考えていた際、東日本大震災１０年目の今年こそ、弊社でも何か実施をと探し、自社の井戸と八千代市の取り組みが合致することが判明、申請しました。結果、この度、八千代市の水質検査に合格し、災害時協力井戸として登録が決定いたしました。
当社は、一般機械部品からマシニングセンター・ＮＣ旋盤を使った精密機械加工部品等、全般にわたり加工・組み立てを行っております。精緻な部品を作る加工過程において大量の水が必要となるため、その供給に敷地内に井戸を保有し、工場内での作業、及び、生活用水として活用しています。創業以来、０．００１mm単位の精度を求め、あらゆる細部まで正確な構造を追い求め、日々新しい技術に取り組み続けており、係る業態は建築、製紙など製造業全般から、天体観測機器などといった広範囲に及んでおります。

【今後の取り組み】

地域の皆様の備えとして、今後、災害時備蓄として食品や毛布などの備品を確保や、工場内や敷地内にて一時避難ができる場の整備を検討しています。
また、この活動を一社のみならず、同業や関連会社へ呼びかけて賛同を募り、広げていく方針です。

本件に関するより詳しい内容をご希望でしたら、当社ではマスコミの方の取材お申し込みを随時受け付けておりますので、是非お問い合わせください。