ぎふ弦楽器貸与プロジェクト《STROAN》 「STROANコンサート2021 by ONLINE」を開催
岐阜県(岐阜市薮田南4丁目4番13号)では、「ぎふ弦楽器貸与プロジェクト《STROAN》(ストローン)」として、「清流コレクション」と名付けられた総数40挺の素晴らしい弦楽器を次世代の音楽家に貸出し、音楽文化の担い手育成を推進しています。また貸出だけに留まらず、最高品質の音響を持つ岐阜県内のサラマンカホールにおいて、貸出しを受けたSTROANメンバー(全35名 令和4年1月現在)によるコンサートやワークショップなどを企画し、メンバーのサポートを行っています。この度、STROANメンバーがアンサンブルやソロ演奏を披露する「STROANコンサート2021 by ONLINE」を開催し、WEBで公開しています。また、美濃和紙や陶磁器、木工等多くの伝統工芸品の産地である岐阜県は楽器製作も盛んです。世界の音楽文化を支える岐阜県内の著名な楽器製作会社や楽器製作に携わる職人をご紹介します。
◆ぎふ弦楽器貸与プロジェクト《STROAN》とは
「ぎふ弦楽器貸与プロジェクト《STROAN》(ストローン)」とは、岐阜県が40挺の弦楽器を無償で貸与するプロジェクトです。
2019年にサラマンカホールは、愛知県にお住まいの音楽愛好家より、日本、イタリア、ポルトガル、フランスの現代の名工たちによって製作されたヴァイオリン22挺、ヴィオラ10挺、チェロ8挺の寄贈を受けました。寄贈者からの「次世代の音楽家の育成に役立てたい」という思いを継承し、「清流コレクション」と名付けられたこれらの弦楽器を無償で若手音楽家に原則2年間貸し出し、ワークショップやマスタークラス(レッスン)、サラマンカホールでのコンサートを開催しています。
◆「STROANコンサート2021 by ONLINE」を開催!
年に一度、STROANメンバー全員がサラマンカホールに集合してアンサンブルやソロ演奏を披露する「STROANコンサート」。ホールでの開催は、新型コロナウイルスの流行に伴い、中止としましたが、それに代わって、全国各地に在住しているSTROANメンバー30人がそれぞれの場所で、それぞれ自由に曲を奏でた演奏動画を収録し、WEB上で“オンラインコンサート”として12月8日より、順次公開しておりますので、是非ご鑑賞ください。
「STROANコンサート2021 by ONLINE」参加メンバー(一部)
●STROAN公式WEBサイトを紹介
ぎふ弦楽器貸与プロジェクト《STROAN》の公式HPは以下です。
https://salamanca-stroan.gifu-fureai.jp/
●STROANコンサート2021 by ONLINE 視聴URL
STROANコンサート2021 by ONLINEは以下からご視聴いただけます。
https://salamanca-stroan.gifu-fureai.jp/news/p998/
◆世界のアーティストから賞賛される「サラマンカホール」
「サラマンカホール」は岐阜県が1994年に開場したコンサートホールです。
708席というクラシック音楽を楽しむには絶好の大きさと残響2.1秒(空席時)という響きがサラマンカホールの特徴です。ピアニッシモの音が力を失わず客席の隅々に伝わり、オーケストラのフォルティッシモも柔らかさを失わない響きで観客を包みます。後方の席でも、音響的にも視覚的にも遠さも感じさせないホールです。
全国でも屈指の音楽堂といえます。
◆“サラマンカ”ホール 名前の由来
その名は、スペインのサラマンカ(Salamanca)市に由来しています。サラマンカ市は、ポルトガルとの国境に近くにあるカスティーリャ・イ・レオン州サラマンカ県の県都で、現存するスペイン最古の大学ともいわれるサラマンカ大学のある街であり、旧市街全体が世界遺産に登録されている歴史的な都市です。市中心部にあるサラマンカ大聖堂には、「鳴らずのオルガン」と呼ばれていたルネサンス期の古いパイプオルガンがありました。
そのオルガンの修復を岐阜県白川町の辻 宏氏が申し出て、その事業に岐阜県も協力をしました。オルガンは8ヶ月かかってよみがえり、サラマンカ市民に感動を与えました。
この6年後、辻氏がホールのためにサラマンカ大聖堂のオルガンの特徴をとり入れたパイプオルガンを建造したことから、「サラマンカホール」と名付けられました。
「サラマンカホール」は、スペインと日本の友好の証でもあるのです。
著名な楽器製作所が軒を連ねる岐阜県
伝統工芸品の産地である岐阜県は、古くから職人の集まる土地です。
今回は、県内の著名な楽器製作会社や楽器製作に携わる職人をご紹介いたします。
◆株式会社高峰楽器製作所(中津川市)
1962年に中津川で創業され、同地の高峰山の名を冠するタカミネ・ギター。
1970年代後半に大音量下のライブステージでの使用を可能にした独自のエレクトリック・アコースティック・ギターをいち早く開発し、アメリカの著名ミュージシャンの間で瞬く間に浸透すると、逆輸入の形で日本でも知名度を得て、現在では世界的ブランドとして国内外の有名アーティストに愛用されています。高峰楽器製作所では、音を伝える楽器製造を生業とする事から、地域に音楽という形で貢献するため「ふれあいコンサート」を年間4回開催し、コンサートでの募金は中津川市に寄付し、岐阜県の音楽文化活性化に大きく貢献されています。
高峰楽器製作所のイチオシPICK‐UP
◆ヤイリギター(可児市)
創業1935年の老舗ギターメーカー。
2代目の矢入 一男(やいり かずお)氏が「ヤイリギター」を設立、以降“世代を超えてずっと愛され続けるギター”づくりをモットーに、材料である天然木の品質にこだわり、30人ほどのクラフトマンによる多種少量の手工生産というスタイルを守っています。
「small beautiful」をポリシーに掲げ、その志と職人技から生み出されるギターは、ポール・マッカートニーをはじめとした国内外のプロに使用されるだけでなく、アマチュアにも広く愛され、ポピュラー音楽を支え続けています。
ヤイリギターのイチオシPICK‐UP
◆高山オルガン製作所 田尻 隆二氏(「現代の名工」厚生労働大臣表彰)(高山市)
「楽器の王様」と呼ばれるパイプオルガンを40年以上作り続けてきたオルガンビルダーの田尻 隆二氏。今年度、日本で初めてオルガンビルダーとして「現代の名工」を受賞しました。岐阜を代表する楽器製作の第一人者です。
“良い音” を作り出すうえで要となる笛などの部品も自身で一から手掛け、田尻氏が目指す「バッハなどの音楽家たちが求める音」を探求し続け、現在もパイプオルガンの製作活動に尽力されています。また、岐阜県の学校の音楽教諭を対象にした講演会を通じ、音楽の深みや広がりを普及する活動を行うなど、岐阜の音楽文化の活性化に貢献されています。
「現代の名工」を受賞されてのご感想
「私としては、自分の仕事を長年に亘って続けてきただけのことです。思いがけなく表彰を受けることになり驚いていますが、仕事を認めていただけたことには感謝と喜びを覚えます。今後も、それが許される限り、変わることなく仕事を続けていきたいと思います。」