john masters organics×PANECO®| 化粧品業界で初めて制服・ユニフォームのアップサイクルを実現

john masters organics を展開する株式会社ジョンマスターオーガニックグループは、PANECO®を展開する株式会社ワークスタジオと協業で、化粧品業界で初めて制服・ユニフォームのアップサイクルを実現しました。

【今回の取り組みのポイント】
企業が、自社の廃棄物を再資源化し、自社の廃棄物に新しい役割を与え、自社の費用で社会に還す。
リサイクル企業への一方的な廃棄物の提供のみでサスティナブルな取り組みをしているとアナウンスするのではなく、企業として社会的責任を果たすための拡大生産者責任の誠実な実行。
今、求められているのは、表面的なサスティナブルな取り組みではなく、本質的なサスティナブルな取り組みです。それには、トップの決意、揺るぎない企業の姿勢、迅速で誠実な行動、全面的な費用負担、そしてそれらの継続が必要なのです。

john masters organics×PANECO®

オーガニックライフスタイルブランドのjohn masters organicsは、廃棄衣料品を原料とするリサイクルボード「PANECO®」とのコラボレーションにより、古くなった従業員の制服・ユニフォームのアップサイクルを実施。スタイリッシュで手ざわり感が心地よいコースターに生まれ変わり、店頭でノベルティとして進呈する(7/8〜)。ともにサスティナブルな製品づくりを通して環境負荷を削減し、持続可能な未来への貢献をめざす両ブランドが、今回の制服ユニフォームアップサイクルプロジェクトへの想いについて語り合う。

PANECO® (パネコ)

環境に配慮した店舗の什器などのデザイン・製作を手掛けるWORK STUDIO(ワークスタジオ)が、2021年に発売。日本国内で年間約120万トンが廃棄されている衣類に着目し、ファッションロスの削減と循環型社会をめざして開発された環境配慮型の繊維リサイクルボード。アパレルメーカー約100社から余剰在庫や製造過程で生じる繊維くずなどを調達してアップサイクルしており、原料の実に90%が衣料品。ボタンやファスナーなどを取り除いたあと粉砕し、接着剤で混ぜ合わせて熱でプレス加工して板状に成型する。そのため洋服の色や生地の表情がそのまま表れ、意匠的にもユニークなボードとなっている。1枚のPANECO®は洋服10~20着で完成。木材に匹敵する硬度があり、加工しやすいためさまざまな目的に使用することができるうえに、使い終わった後は回収し、再びボードとしてリサイクルできるのも魅力。

INTERVIEW PANECO® 01

笑顔と涙を共にした制服・ユニフォームが アップサイクルすることで生まれる 付加価値を大切に

廃棄されるはずの衣類を原料とするサスティナブルリサイクルボード「PANECO®」とjohn masters organicsとのコラボレーションは、昨年、表参道にオープンした青山店の内装の一部にPANECO®を使用したことに始まる。
店舗にもサスティナブルな素材を使用したいと考えていたところ、PANECO®と出会った。デザインもコンセプトもブランドにマッチしていたため、エントランスのディスプレイカウンターにPANECO®を使用。その後、他店舗のリニューアルの際にも採用している。
そして今回、店舗スタッフが着用した700着の制服・ユニフォームをPANECO®の技術によって約8000~9000個のコースターにアップサイクルするプロジェクトが実現した。

「PANECO®を知って興味をもってくれるブランドは多いですが、実際にはコストもかかりますから、なかなか採用に至らないのが実情です。そんな状況の中で、店舗に続いて今度は自分たちの制服をアップサイクルしたいと言ってくださった。新しい制服をカッコよくつくることにコストをかけたいから使用後の制服・ユニフォームは手っ取り早く燃やして安く廃棄したい、と考えるブランドがほとんどです。あえて予算を確保してまでPANECO®にアップサイクルすることで得られる価値を理解し共感してくれたことが、素直にうれしかった。上辺だけでなく、本気で環境問題に取り組んでいるという強い想いを感じました」と、PANECO®を開発したワークスタジオCSO(最高サスティナビリティ責任者)の草木佳大。

「制服・ユニフォームには日々お客さまと真剣に対峙しているスタッフの血と汗と涙がしみ込んでいます。それを2シーズンに1回廃棄しなくてはならないことに、ずっと違和感があったんです。スタッフの日々の努力まで無駄にしているような気がして大きなストレス。制服・ユニフォームにはもともとこだわりがあり、これから活躍が期待される若手デザイナーに依頼して、機能性を重視しつつ、スタッフが納得して着られるものをチーム一丸となってつくってきました。だから、アップサイクルも同じくらいの熱量で取り組みたい。そんな私たちの想いがこもったコースターをお客さまに手渡せるのは、幸せなことだと感じています」(john masters organics代表取締役CEO/CBO野田義宗)

INTERVIEW PANECO® 02

アップサイクルはスタイリッシュであるべき。 スタッフが想いを共有することも大切

今回のjohn masters organics × PANECO®の取り組みにおいて両ブランドが特にこだわったのは、単に制服・ユニフォームをアップサイクルするのではなく、見た目も触り心地もスタイリッシュでなくてはならないということだ。

「私たちはオーガニックの製品を扱っていますので、量産品ではあっても手触り感を重視しています。当初は制服・ユニフォームだけでアップサイクルする予定でしたが、紺色一色になってしまうのでもう少しデザイン性を持たせたいと思い、急遽スタッフから古着を集めて、それも混ぜてもらうことにしました。本社のスタッフにも声を掛けて、着なくなった衣類を持ち寄ってもらった。そうすれば社員が『自分が着たものが使われている』と感じ、アップサイクルへの想いもさらに共有できると思ったのです。チーム全体が想いを共有することで、よりよいプロダクトにつながると確信しています」(john masters organics)

「PANECO®は、サスティナブルなことに加えて品質のよさもぜひ感じていただきたいのですが、さらにすごいのは実に多くの人の協力によってつくられていて、製造工程にストーリーがあるということなんです。ユニフォームのボタンをひとつひとつ手作業ではずして、今回のように紺色と他の色の配合を考えながら混ぜていく。1枚1枚に想いがこもっているので、ファンになってくれる人は深く共感してくれる。それがPANECO®の魅力だと思っています。さらに、PANECO®はファッションロスから生まれているので、おしゃれじゃないとダメなんです。そうでないと、john masters organicsのようなブランドに選んでもらえない。『おしゃれで素敵な素材だな』と思ったら、実は廃棄物からできていた、知らないうちに楽しくアップサイクルに取り組んでいた、という流れがベストだと思っています。今回、john masters organicsさんがすごいなと思ったのは、試作の段階で『制服・ユニフォームの紺色だけでなく別の色も混ぜよう』という案が出たとき、普通なら『そちらで混ぜておいて』となるのに、なんと社員のみなさんが協力して自分の古着を持ち寄ってくれた。これは驚きだったし、作り手側としてはすごくうれしかったです。コストと時間を考えたら普通はそんなことしないのに、そうすることの価値をチーム全体が分かっている証拠ですよね」(草木)

INTERVIEW PANECO® 03

制服・ユニフォームのアップサイクルの動画を通して green beauty actionの輪を広げていく

john masters organics × PANECO®は、今回の制服・ユニフォームのアップサイクルのプロセスをWebサイトで公開。動画でもコラボレーションしている。

「PANECO®とのコラボレーションによるアップサイクルは今回だけでなく、今後も継続していきたいと思っています。次はお客様にも古着を持って来てもらい、アップサイクルに参加していただくのもいいですね。化粧品を販売して幸せをお届けするだけではなく、“green beauty=オーガニックコスメを通じて人と未来に貢献すること”という価値感をみなさんに体験してもらうために私たちは存在していると思っていますし、それを広めていくのが当社のミッションなのです。今回のプロジェクトについても、そのストーリーをみなさんに知ってほしいと思い、動画をつくりました。化粧品ブランドでは制服・ユニフォームのアップサイクルは当社が初めてだそうですが、他のブランドにもぜひ取り組んでほしい。このようなポジティブな活動がつながっていくことで私たちが掲げているgreen beautyの輪が広がり、周囲に幸福感が広がっていくようなサイクルをつくっていけると思っています」(john masters organics)

「私たちもサスティナビリティに取り組むブランドとして、製品についてきちんと説明する必要を感じていたところ、動画をつくろうという提案をしてもらったので、いい機会だと思いました。そして、その動画を今年のミラノサローネの展示会場内で使用することにしたのです。john masters organicsは世界的なブランドですし、PANECO®の魅力を世界に発信するうえで、制服・ユニフォームのアップサイクルをコンテンツの素材として撮影できるのは、とてもありがたかったです」(草木)

「日本の会社がこのような形で積極的にアップサイクルに取り組んでいて、海外に出ていこうとしているわけですから、その後押しができればjohn masters organicsとしても誇らしいですよね。このプロジェクトによって、循環型社会をめざす私たちのモットーのひとつ『NO BEAUTY WASTE』が動き出す。社員は自動的に取り組みに参加することで、お客様に発信していける。自分が世の中の役に立っていることを再認識しつつ、それが自然にできるブランドでありたいと願っています」(john masters organics)

※ john masters organics のWebサイトよりインタビュー記事を引用しました。

これまでの john masters organics×PANECO®の取り組み

john masters organics と PANECO®はこれまでも数々の取り組みを実現してきました。

john masters organics×PANECO® インタビュー記事

john masters organics

ユニフォームリサイクルプロジェクト

役目を終えた ユニフォーム 制服 を美しくリサイクルし再資源化。
役目を終えた ユニフォーム 制服 をボードに美しくアップサイクル。

PANECO®


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