国立大学法人 宮崎大学での研究で、 低濃度の弱酸性次亜塩素酸水でも 新型コロナウイルスに対して有効であることを確認

一般社団法人 次亜塩素酸化学工業会は、当工業会会員が製造する弱酸性域の次亜塩素酸水を用いた、国立大学法人 宮崎大学 獣医学科による研究で、50mg/L(ppm)以上の有効塩素濃度の弱酸性次亜塩素酸水が、新型コロナウイルスを99.9%以上、感染力価を抑制することが確認されましたので、同科の山口 良二教授による報告「新型コロナウイルスに対するイオン交換法生成による次亜塩素酸水の効果」と、実験内容の解説「新型コロナウイルスに対する緩衝法生成による次亜塩素酸水の効果」を公表させていただきます。

報告の概要

100mg/L(ppm)以上の有効塩素濃度で、100%の感染力価をゼロに
50mg/L(ppm)以上の有効塩素濃度で、感染力価を99.9%抑制
25mg/L(ppm)以上の有効塩素濃度で、感染力価を97.2%抑制

※試験品 次亜塩素酸水:提供 パークス株式会社/
     商品名 エヴァウォーター/製造方法 イオン交換方式/
     pH 5.85/濃度 236mg/L(ppm)から、25,50,100,200 mg/Lに調整
試験結果の要約は、上述のとおりであり、次頁以降に記載の行政の正式発表内容とも、整合性の取れた、信頼しうる試験結果となっております。

加えて、当工業会では、次亜塩素酸水の空間噴霧の安全性検証を、噴霧による安全性検証に強い、政府系の研究機関に依頼する準備に入っております。今後、次亜塩素酸水の空間噴霧の安全性に関しても、行政に正しくご判断いただけるように、有用な情報を提供し、行政と連携しながら、次亜塩素酸水の正しい普及に努めて参ります。この新たな試みに関しましても、詳細が決定次第、リリース配信させていただきます。
今後、一般社団法人次亜塩素酸化学工業会公式ホームページ https://www.hcia.or.jp/ に、次亜塩素酸水に関わる安全性情報、効果情報等を順次追加掲載して参ります。
次亜塩素酸水をご利用の皆様には、安心してご使用を継続いただきますよう、ご案内申し上げます。

行政府(厚生労働省、経済産業省、消費者庁)の正式見解

「次亜塩素酸水は、pH6.5以下、有効塩素濃度(ACC)35mg/L(ppm)以上を有効と判断する」
今春から、経済産業省の委託を受け、NITE独立行政法人 製品評価技術基盤機構が検証を実施し、本年6月26日に、NITE、経済産業省を事務局とする「新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価に関する検討委員会」から、「新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価(最終報告)」というかたちで、上記発表がありました。これは、厚生労働省、経済産業省、消費者庁の3省庁合同の正式見解です。
以下に、最終報告の一部を引用させていただきます。

(引用文)「新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価(最終報告)」

▼最終報告28ページ
○ 次亜塩素酸水の新型コロナウイルスに対する除去効果について、各機関(国立感染症研究所、帯広畜産大学、鳥取大学、QTEC)において99.99%以上の感染価減少率を示したサンプル及び北里大学において不活化効果ありとされたサンプルを有効と判断する。また、いずれかの機関において上記の基準を満たす物資についても有効性の判断を行うべき物資と考えられるため、個々の検証結果を精査した上で判断する。なお、次亜塩素酸水においては有効塩素濃度と溶液のpHが同等であれば消毒効果は同等と考えられ、特定の製法で生成された次亜塩素酸水の検証結果に基づいて、他の製法で生成されたものの効果も同等とみなせることから、本委員会では次亜塩素酸水(電解型)と次亜塩素酸水(非電解型)を同一の判断基準で扱うこととする。一方、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(本委員会では次亜塩素酸水(非電解型)として区分)については、水溶液中で解離平衡反応によって生じる遊離塩素が有効性に関与する持続型の次亜塩素酸水と考えられ、他の遊離型の次亜塩素酸水と性質がやや異なることから、有効性についてその他の次亜塩素酸水とは分けて判断することとする。
○ 帯広畜産大学の検証試験においては32ppm以上で99.99%以上の感染価減少率を示しているとともに、QTECの検証においても51ppm以上で99.99%以上の感染価減少を示している。
○ 国立感染症研究所の検証試験では35ppm以上の次亜塩素酸水の感染価減少率は99.9%以上であり、帯広畜産大やQTECでの効果と比較すると差異が認められる。この差異の原因を明確に特定することは困難であるが、ウイルス液の組成の違いや反応液中の有機物等が結果に影響した可能性がある。

▼最終報告29ページ
○ 北里大学の検証試験では50ppmの次亜塩素酸水は不活化効果なしと判定された。本試験では1:9の反応液比率を用いており、細胞変性効果及びqRT-PCR法での検出により約10,000個のウイルスをほぼゼロにするレベルの効果がなければ不活化効果が見られないことから、供試したサンプルでは不活化効果が確認されなかったと推察する。
○ 帯広畜産大の52ppmの検証試験において、反応液比率を1:19から1:9に変更することで、約1/10の活性の減弱が認められ、QTECの51ppmの検証試験における同様の変更では1/1,000の活性の減弱が認められた。このように、反応液中のウイルス液と次亜塩素酸水の比率によって抗ウイルス効果に大きな影響を与えることが推察される。この結果は、一定の条件下、特に、有効塩素濃度が低い場合において、ウイルス除去を行うに当たっての使用法に大きな示唆を与えるものである。
○ 鳥取大学における試験条件(ウイルス液中のFBS濃度 5%)において、200ppmの次亜塩素酸水では1:9の反応液比率でも活性が維持されていた。また、QTECにおける試験条件(ウイルス液中のFBS濃度1%)においても、84ppmの次亜塩素酸水では1:9の反応液比率でも活性が維持されていた。より厳しい試験条件においては有効塩素濃度が高いサンプルの方がウイルス不活化効果が高い可能性が示唆される。

▼最終報告30ページ
○ 次亜塩素酸水の有効成分である次亜塩素酸は蛋白質などの有機物と結合し、効果が減弱することが報告されている(別添5:参考文献17~21) 。今回の検証結果においても、そうした効果が一定程度認められる。この結果も、次亜塩素酸水でウイルス除去を行うに当たっての使用法に大きな示唆を与えるものである。
○ 今回、有効性の判断を99.99%とおいているが、一般的に目的や用途別に抗ウイルス効果に関しては99.9%や99.99%と様々な基準設定が現行でもされており、こうしたことも踏まえれば国立感染症研究所の検証による99.9%の感染価減少も有効性判断において十分に考慮に入れる余地があると考えられる。
○ 以上から、帯広畜産大学及びQTECの検証試験で99.99%以上の抗ウイルス効果を確認している32ppm以上のうち、国立感染症研究所の検証試験で99.9%以上の効果を確認している「35ppm以上」を有効と判断する。

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