「ビル再生100の物語」ビル名を変えて、新しいビルの物語をスタートさせた例
ビル再生100の物語 第1話
テナワンでは、これまで多くのビルの空室対策や賃貸運営を行ってきました。
それぞれのビルたちが様々な問題を抱えていました。
古いまま貸そうとしてうまくいってなかったり、
昔からの付合いの仲介会社だけにテナント募集をお願いしていてあまり知られてなかったり、
せっかくいい「ウリ」のポイントがあるのにうまく伝わってなかったり、
入居者の滞納が長引いてトラブルになっていたり、
突然空調機が壊れてどうしていいか困っていたり。
それぞれの問題を解決してきたビル再生の事例を「100の物語」としてこれから公開していきます。
第一弾は、「ビル名を変えて、新しいビルの物語をスタートさせた例」です。
建物再生やテナント募集の話は別途するとして、
今回は、ビル再生にあたって、まずビル名を変えて
新しいビルのストーリーを作り始めることも効果的だったというお話です。
ビル名を変えて、新しいビルの物語をスタートさせた例
築50年超、空室だらけの物件
築50年経過して、ビルのほとんどが活用されずに空室のままの物件でした。
それを、どうにか賃貸させることはできないか?と相談された物件です。
当時は何年もそのままになっていたので部屋の中もこんな感じでした。
このビル、もとのビル名はとっても和風な名前でした。
これはこれでステキな名前なので、最初はそのままのビル名で行くことも考えました。
ただ、そこそこ大がかりなリノベーションを計画してたことと、リノベーション後は新しい物件として初めてテナント募集をすることになります。
小型で築古なビルを、いくらリノベーションしたからといって、お客さんや仲介会社に認知してもらうのは並大抵ではありません。
マーケティング戦略上も、「おっ」と思わせるネーミングにしたいという意図がありました。
「おっ」と思わせるビル名とは?
日本橋SOHOとか、NIHONBASHI〇〇(ここにカタカナ名が入る)とか、いろいろなビル名の案を出して議論したのですが、どれもひまひとつインパクトに欠けます。
世の中カタカナや横文字の建物名が多いですが、どれもオシャレすぎて目立ちません(笑
「だったら元の名前のほうがむしろインパクトがあるから変える必要ないよね」
という意見まで出るくらい。
なので、カタカタはあえ避けて、他にはないテイストとして
中国語名
にすることにしました。
一方で、テナント募集上はわかりやすい地名もつけたかったので、「日本橋小楼」を採用。
「生まれ変わった感」の演出のため、ビルのサインもデザインすることにしました。
ビル名がきっかけで……
こんな背景で「日本橋小楼」が誕生することとなったのですが、実は後日談があります。
運営を開始して2年目ぐらいの時に入居してくれた、中国でビジネス展開するテナントさんがいるのですが、
「実は、ビル名に惹かれたんですよ。自分で小楼って言うあたりがイサギいいよねって」
と言ってくれました。
狙い通り(?)の結果に、とてもうれしかったことを覚えています。