【岡山理科大学】宇宙マグロの寿司が食べたい!Space Travelium TeNQで5月24日(土)~9月7日(日)まで宇宙養殖水槽展示します。 

2025-05-22 11:30

 東京ドームシティ(東京都文京区)にある宇宙体感施設「Space Travelium TeNQ(スペース トラベリウム テンキュー)」に、岡山理科大学が好適環境水を使用して3カ月間、ヨシエビを飼育した宇宙養殖水槽が5月24日(土)から9月7日(日)まで展示されます。月面など地球外での生活の食糧確保を想定した養殖実験で、夏休みの子どもたちには宇宙への夢を育む格好の展示になりそうです。

会場に水槽を設置してTeNQのスタッフと打ち合わせる津村誠一・生物生産教育研究センター招聘教授(右)=5月20日

■水槽の特徴

 水槽は、岡山理科大学の生物生産教育研究センターと工作センターが手作りしました。サイズは横60㌢、奥行き35㌢、高さ30㌢、水量55㍑。バクテリアを利用した生物濾過装置を備え、アンモニアを硝化・脱窒する仕組みです。酸素供給と二酸化炭素排出は人工肺で行います。この水槽で甲殻類用の好適環境水を使いヨシエビの3カ月間無換水飼育を達成しました。次はバナメイエビで挑戦しています。

■好適環境水とは

 好適環境水は、海水の中から海の魚に必要な成分を、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどに絞り込み、海水魚も淡水魚も同じ水槽で飼育できるようにした人工飼育水。岡山理科大学生命科学部生物科学科の山本俊政准教授が中心となって、2006年に開発。現在、魚類用や甲殻類用として国内特許8件、国際特許6件を取得しています。
 これまで養殖に成功した魚種はトラフグ、ヒラメ、マツカワ、クエ、ハイブリッドハタ(タイガーGG)、クロマグロ、シマアジ、ニホンウナギ、ニューギニアウナギ、タマカイ、ベニザケ、オニテナガエビ、バナメイエビ、ブラックタイガーなどで、一部はビジネス化が進んでいます。

 長期間、無換水が可能なうえ「水と電気さえあればどこでも養殖可能」という好適環境水の特長を生かし、2022年に宇宙養殖プロジェクトをスタートさせ、過重力・微小重力環境での魚卵孵化、摂餌実験などに取り組んでいます。「宇宙マグロの寿司を食べる」のが山本准教授の夢。「2030年には国際宇宙ステーション(ISS)で飼育実験をめざす」と意欲を燃やしています。

新原准教授が展示協力した月と火星の隕石があるコーナー

展示場所の詳細

 Space Travelium TeNQ(スペース トラベリウム テンキュー)は東京ドームシティの黄色いビル6階にあり、この水槽は「LOUNGE Q」に好適環境水の説明パネルとともに展示。近くの「Space Terminal」には、岡山理科大学基礎理学科の新原隆史准教授が展示協力し、月や火星からの隕石に触れたり、VRで月の岩石の分析体験ができたりするコーナーもあります。
 平日  11時00分~21時00分
 土日祝 10時00分~21時00分


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