日本最大のアーチ橋「広島空港大橋」において ドローン撮影画像の診断による点検方法の検証を実施
~支柱の変状を検知し、省力化と高所作業リスクの低減に貢献~
総合人材サービス・パーソルグループのパーソルプロセス&テクノロジー株式会社(東京都江東区、代表取締役社長:市村 和幸、以下「パーソルP&T」)は、人・夢・技術グループの株式会社長大(東京都中央区、代表取締役社長:野本 昌弘、以下「長大」)と共同で、日本最大のアーチ橋である広島空港大橋において、ドローンに搭載されたカメラで撮影した画像から支柱内外の変状箇所を検知する点検方法の検証業務※1を実施しました。
※1 長大が広島県から受託した「広島空港大橋定期点検」内で「鋼材を対象にドローンを利用した画像診断による点検方法の検証」として実施。
共同実証の分担は、長大が実験計画、点検結果判定、パーソルP&Tがドローン点検計画、ドローンオペレーションにて行いました。
高度成長期に整備された道路橋やトンネルなど社会資本の老朽化問題への対策が急務となるなか、インフラの点検・メンテナンス分野においては、新たな技術の導入による省力化と作業の安全性や品質の向上が求められています。パーソルP&Tでは各産業に特化したドローンソリューションを提供しており、同分野においては、「道路付属物点検」や「太陽光パネル点検」など多数の実績を有しています。
対象橋梁となる広島空港大橋はアーチ間380m・橋長800mにも及ぶ日本最大のアーチ橋で、従来の定期点検においては、ロープアクセスや梯子の昇降により支柱を直接目視して変状箇所を発見していましたが、高所・狭所・暗所などで危険を伴う作業であることからリスクの低減に向けて新たな点検方法を模索していました。
今回は、ドローン(2種類)を活用して橋梁の支柱内外における「腐食(錆)」「防食機能の劣化」「漏水・滞水」など変状箇所の検知に取り組み、従来の直接目視と同等の品質で健全性の診断を行うことができるか、また、省力化や高所作業のリスク低減についても今後の実用化を見据えて検証・評価しました。
支柱の外側は、自律飛行ドローンを活用し、搭載されたカメラで取得した映像から自己位置推定と環境地図作成を同時に行う技術である「Visual SLAM」を用いてAIによる自立飛行で点検を行い、鋼材表面の変状箇所(腐食や防食機能の劣化)の確認、また、画像処理による腐食範囲の検知が可能であることが実証されました。
一方、支柱の内側は、「狭所」「暗所」「支柱の傾き」「突起物による障害」「非GPS環境」「電波障害」といったドローン飛行上の懸念事項が多数ありましたが、狭小空間専用ドローンを活用することで死角のない撮影に成功しました。照度不足により腐食等の損傷の判別が困難であるなどの課題も挙がりましたが、一定の成果を得ることができました。
今後は、撮影データから構築する3Dモデルの活用によって更なる効率化にも取り組む予定です。また、定期点検だけでなく現地踏査や発災後の緊急点検時にも、短時間で状況を確認する際にドローンを用いた様々な活用方法について検証を進めることで、インフラの点検・メンテナンスの安全性向上および省力化に貢献していきます。
■パーソルP&Tドローンソリューションサービスについて< https://www.persol-pt.co.jp/drone/ >
産業課題を解決するために、ドローンサービス事業社およびユーザー企業に対して、より安全に、そして安定した運用プロセスの設計、構築、運用を支援します。ドローンメーカーや通信キャリア、関連団体など関係各所との連携を迅速に強化しながら、高精度なドローンビジネスの実用化を目指しつつ、あらゆるビジネスフェーズと課題に合わせたサービスのご提供、平時と有事の1機でダブルユース活用の実証から実用化までのご支援をしています。
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