「ビル再生100の物語」実家の再生
ビル再生100の物語 第41話
テナワンでは、これまで多くのビルの空室対策や賃貸運営を行ってきました。
それぞれの問題を解決してきたビル再生の事例を「100の物語」としてこれから公開していきます。
誰でもある実家の悩み。貸すか、壊すか、売るか、悩むところ。
文京区にあるオーナー住居兼オフィスビル。1〜3階がオフィス、4階がオーナー住居[実家]ですが、2階が長期間空室となり、当社へ空室対策の依頼が来た物件です。
再開発か再生か
先代が建てたビルで、現オーナーはこのビルの4階で育ちましたが、結婚後は実家を出ることになり、しばらく離れていましたが、数年前先代が亡くなった後、ビル賃貸業を引き継ぎました。
JR主要駅や地下鉄駅から数分と、立地が良く、道路付けも良いことから、デベロッパーから隣地と合わせて再開発の提案があり、検討したものの、先代が残してくれたビルを手放すことはできず、2階をなんとか賃貸し、再生することにしました。
ただ、築40年を超え、エレベーターもないことから通常の賃貸募集では、なかなか貸すことが出来ませんでした。
古ビル→ビンテージビルへリノベーション
当社で、建物の歴史を生かしたリノベーションを施し、再生することに。
もともと予定していた外壁塗装では表情をつけた塗り分けによって特徴ある外観とし、エントランスも明るくなるように塗り替えました。
2階も床材や照明を増設するなど、リノベーションした結果、3件の申込みが入る人気物件に変貌しました。
貸せないと思っていたオーナールームが貸せた!
実家であるオーナールームは、先代が亡くなった後は、たまに掃除をするなどして管理していましたが、とくに使い道はなく、空室となっていました。家具や荷物がそのまま残り、貸せる状態ではないと考えていました。
将来本格的な改修工事をして賃貸することも検討しましたが、現時点では改修工事に大金をかける余裕もなく、現実的ではないと考えていました。
しかし、たまたま2階を内見に来た動物保護の団体が家庭的な雰囲気のオーナールームを気に入り、家具付きで借りたいと申込みを入れたのです。
オーナーとしても現況で借りてくれるこの申込みは渡りに舟。現況使用ということで現実的な賃料設定になったものの、貸せずに収入のなかった4階が貸すことができ、図らずも満室となったのです。