ブラジルの経済成長により血管アクセスデバイス市場も今後成長する見通し

株式会社グローバル インフォメーションは、米国の市場調査会社iData Research Inc.が発行した報告書「Brazilian Vascular Access Devices Market (ブラジルの血管アクセスデバイス市場)」の販売を開始しました。

当レポート発行元のiData Researchはブラジルの血管アクセスデバイス市場は5,900万米ドル規模と推定しています。輸入品が高価格である事と、公的市場・民間市場が分断されている事が市場の成長を制限する可能性があるとしています。

近年のブラジル市場の成長の背景にはブラジルの人口及び年齢構成の影響と、経済発展により医療の体制が整備され、医療を受けられる人が増加している事が挙げられます。血管アクセスデバイスにより患者の静脈を介した様々な医療行為、例えば薬液の注入、血液の回収、栄養剤の注入、抗生物質の注入、透析などが行えるようになります。

当レポートにおける血管アクセスデバイスには末梢挿入中心静脈カテーテル(PICC)、中心静脈カテーテル(CVCs), 埋め込み式ポート, フーバー針, 透析カテーテルそして注射器及び針が含まれます。

ブラジルでは低・中所得者も医療の恩恵を受けられるようになりつつあり、血管アクセスデバイス市場は2019年には1億米ドルを突破すると見られています。ブラジルでは血管アクセスを必要とする患者の患者は年々増加すると見込まれています。ブラジル全体の人口の伸びは2011年時点で年率0.9%であり、また死亡率の低下と若者の出生率の低下が高齢化に繋がり、人口の凡そ6.7%が65歳以上となっています。それに加え、肥満率も増加しており人口全体の半分近くが過体重と推定されています。これが医療市場全体を押し上げ、血管アクセスデバイスの需要を後押しします。

また世界中で成長しているメディカルツーリズムも重要な因子です。ブラジルは癌、心疾患、整形外科、泌尿器科においてメディカルツーリズムが強く、この為、病院の近代化と道路・ホテル・空港を含むインフラの整備も進んでいます。2015年にはブラジルのメディカルツーリズムの経済効果は20億米ドルに達すると見られています。

血管アクセスデバイスの中で最も急速に成長しているのはPICCです。当市場はブラジルでは未だに未成熟である為、今後も出荷量の面で2ケタ成長を続け、従来のCVCやPIVC市場を侵食するでしょう。しかしながら平均販売価格は低下する見込みで、これにより売上高の伸びは制限されるでしょう。また今後は次第に出荷量の伸びも安定に向かうと見られます。PICCの中でも抗菌、耐圧の製品がより普及するでしょう。これらの製品は現時点では米国・欧州では一般的になっていますが、ブラジルではまだ普及率が低いのです。こういった製品は価格帯が高い為、平均販売価格の下落を食い止める役割を果たします。

従来型の癌用の埋込みポートも力強く成長しています。2012年には癌患者の約半数は公的なシステムを利用して治療を受けたと見られますが残りの半数は民間の保険を通じて治療を受けています。このようにブラジル市場は公的・民間市場に分断されていますが、公的保険制度であるSUSは癌治療に非常に強く、埋込みポートが広範に使用されています。

他にもメーカーに取って問題なのは輸入関税でしょう。ブラジル国内に医療機器が輸入・販売されるにはブラジル当局ANVISAに製品を登録する必要があります。このプロセスには時間が掛る事が知られており、2012年には承認までに3カ月から2年間程度の時間が掛っています。しかし南米諸国の関税同盟であるMERCOSULからの輸入品はより迅速に処理されます。またANVISAから承認が得られても、高い輸入税が課せられ、現地生産された製品に比べて販売価格が高額にならざるを得ない状況となっています。

当レポートでは、ブラジルの血管アクセスデバイス市場について調査分析を行い、埋め込み式ポート、ポート用(ヒューバー)針、透析カテーテル、末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)などの各器具について考察するとともに、競合企業分析、市場概要、市場動向、市場促進因子と抑制因子、M&Aなどについてまとめ、概略下記の構成で取り上げております。

発行元のiData Research社は医療機器を専門としたカナダの市場調査会社です。

市場調査レポート: ブラジルの血管アクセスデバイス市場
Brazilian Vascular Access Devices Market
http://www.gii.co.jp/report/ida274586-brazilian-vascular-access-devices-market.html
出版日: 2013年06月26日
発行: iData Research Inc.

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