新型コロナウイルス感染症治療薬の海外展開に向けて インド大手製薬企業および世界的な医療物資・医薬品提供会社と提携
抗インフルエンザウイルス薬「アビガン®錠」の開発・製造・販売に関するライセンス契約を締結
富士フイルム株式会社(社長:助野 健児)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬の海外展開に向けて、インド大手製薬企業Dr. Reddy’s Laboratories Ltd.(ドクター・レディーズ・ラボラトリーズ、以下 ドクター・レディーズ社)および世界的な医療物資・医薬品提供会社Global Response Aid(グローバル・レスポンス・エイド、以下 GRA社) と提携します。6月30日、富士フイルムの子会社である富士フイルム富山化学株式会社、ドクター・レディーズ社、GRA社の3社間で、COVID-19治療薬として期待されている抗インフルエンザウイルス薬「アビガン®錠」(一般名:ファビピラビル)(以下、「アビガン」)の開発・製造・販売に関するライセンス契約を締結しました。本契約の締結により、富士フイルム富山化学は、ドクター・レディーズ社およびGRA社に対して海外1での「アビガン」の開発権・製造権2・販売権などを独占的に付与するとともに、2社より契約一時金や販売ロイヤリティを受領します。
◆詳細はWebページをご覧ください。
⇒ https://www.fujifilm.com/jp/ja/news/list/5109?link=atp
「アビガン」は、すでに日本では抗インフルエンザウイルス薬として製造販売承認を取得している薬剤で、ウイルスのRNAポリメラーゼを選択的に阻害することでウイルスの増殖を防ぐというメカニズムを有していることから、インフルエンザウイルスと同種のRNAウイルスである新型コロナウイルスに対しても効果が期待されています。現在、富士フイルムグループは、日本・米国でCOVID-19患者を対象とした「アビガン」の臨床試験を実施するとともに、国内外の企業と連携して「アビガン」の増産を進めています。
今回提携するドクター・レディーズ社は、世界的なジェネリック医薬品の開発・製造・販売会社で、インドのみならず欧米などでも事業を拡大しグローバル展開を加速させています。またGRA社は、ドバイに拠点を置き、医療メーカーとの協力体制の下、医療物資・医薬品や医療サービスなどをワールドワイドに提供する会社です。
富士フイルム富山化学は、締結したライセンス契約に基づき、これまで蓄積してきた、「アビガン」の非臨床試験や臨床試験などのデータをドクター・レディーズ社およびGRA社に提供します。ドクター・レディーズ社およびGRA社は、本データを活用し、感染が拡大しているインドや中東などでCOVID-19患者を対象とした臨床試験を速やかに実施します。
また富士フイルム富山化学は、保有する「アビガン」の製剤・製法特許をドクター・レディーズ社に供与します。これにより、ドクター・レディーズ社は「アビガン」と同一品質の薬剤の製造体制を確立。製造した薬剤を、自社のみならずGRA社のグローバルな販売網を活用して、迅速かつ安定した薬剤供給を行っていきます。
富士フイルムグループは、COVID-19の世界的な感染拡大が継続し治療薬が求められている緊急性を鑑みて、ドクター・レディーズ社およびGRA社と提携し「アビガン」の迅速な開発・供給体制をグローバルに構築します。そして、一日も早く世界のCOVID-19患者に治療薬をお届けし、COVID-19の感染拡大の抑止や流行の終息に貢献していきます。
*1 中国・ロシアを除く。
*2 製造権を付与しているのは、ドクター・レディーズ社のみ。
【「アビガン®錠」について】
富士フイルム富山化学が開発し、日本において、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効または効果不十分な新型または再興型インフルエンザウイルス感染症が発生し、本剤を当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合に、患者への投与が検討される医薬品として、2014年3月に承認を取得しています。現在、富士フイルムグループは、日本・米国でCOVID-19患者を対象とした「アビガン」の臨床試験を実施するとともに、国内外の企業と連携して「アビガン」の増産を進めています。
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