CHANELとi-Dが新進気鋭の女性アーティスト 5名をフィーチャーした デジタル・エキシビションを公開
Vice Media Japan株式会社(所在地:東京都渋谷区、社長:佐藤 慎吾)が運営する、ファッションカルチャー誌「i-D magazine」の日本版である「i-D Japan」は、CHANELと共に『Just a Second』を2017年7月18日に公開しました。この映像は、“香り”のさまざまに変わる表情がテーマのデジタルアート作品を集めた「映像の展覧会」。オンライン上で視聴可能です。
レベッカ・ラマルシュ=ヴァデルがキュレートした『The Fifth Sense』の最新プロジェクトでは、5人の女性アーティストが“香り”をテーマとし、表現手段を問わずに制作した作品群を1本の映像として発表します。
パリのパレ・ド・トーキョーのキュレーター、レベッカ・ラマルシュ=ヴァデルが見つめるのは、「時を超えかたちを変える、生まれ変わる」という命題に対してアートがどのように対峙してきたかということ。CHANELが初めて世に送り出した香水〈N°5〉から、新しい香り〈N°5 L'EAU〉への進化にインスパイアされた『Just a Second』は、“香り”、そして女性のクリエイティビティにフォーカスを当てたデジタル・プラットフォーム『The Fifth Sense』内のプロジェクトとして制作されました。
『Just a Second』は5人の女性アーティストをフィーチャーしており、各作品の思想やかたちはまったく異なりますが、それぞれの章をひとりの女性の声でつないでいます。それは“香り”が語る声でもあり、さまざまな感情や疑問、変化が生み出す物語を紡いでいます。
参加アーティスト・作品(登場順)
ブリジット・ポーク『Promises of the ephemeral』
― 観る者の心をとらえて離さない絶妙なバランスで立つ岩の立体作品で有名なアメリカ人アーティスト。目に見えないもののちからと、壊れやすさ、そして時間という概念を見つめる。
エリザベス・ジャガー『Saddle, Towel, Wrapper, Throw, Sheath, Cloak, Sleeve, Blanket, Carapace, Hull, Pommel, Shell』
― 彼女の作品は家庭内に普通にある物品と、それらが暗に示す人の存在というものに対する興味関心から着想を得ている。この作品においてジャガーは内部の変化と変質を表現。すなわち、私というものは、1枚の皮、ひとつの身体のなかに収められた数々の自己で、そのすべてが私という存在であり、異なる自己が表出するときにカタルシスを感じる、ということを表している。
ザラ・シューンフェルト『All You Can Feel (Hormone planets)』
― 人間の身体を媒体として、感覚的な体験や知識を詰め込む容器として、つまり、ひとつの“道具”として見つめるドイツ人アーティスト。本作品はいまだに謎が多い感情や気持ちを司るさまざまなホルモンを写したシリーズである。
マルグリット・ユモー『What Happened?』
― ロンドン在住のフランス人アーティスト。私たちが有する人間性の起源に迫るべく、先史学や生物学、神話についての広大な研究を行なっている。この作品ではさまざまな対話を通して、私たちがたどり着けない人間の大きな謎への理解を深めさせてくれる。
ラッサンドラ・ニンジャ『The Scent of Cleopatra』
― ガイアナ共和国にルーツをもち、パリを拠点に活動するフランス人ヴォーギングダンサー。ダンス集団ハウス・オブ・ニンジャの母的存在で、ヨーロッパにおけるヴォーギング・シーンを牽引しながら、新世代のヴォーギングダンサーたちに刺激を与え続けている。
『Just a Second』の監督はパリを拠点とするクリエイティブチーム〈CONVOY〉。『The Fifth Sense』には各アーティストを特集した関連ページもあります。
『The Fifth Sense』では『Just a Second』と合わせて、『Makers』シリーズの一環として短編ドキュメンタリー作品『Making Exhibitions』も公開されます。各作品の制作過程やラマルシュ=ヴァデルのヴィジョンの発展を記録した映像です。監督はエミー賞にノミネートされた映像作家クリスティーン・ユアンが務めました。
『The Fifth Sense』はCHANELとi-Dのコラボレーションによるプロジェクト。2016年にローンチされて以来、ファッション、デザイン、写真、映像、テクノロジー、アートなどさまざまな業界で注目を集めている人々にフォーカスを当て、クリエイティビティの限界を押し広げる活動を続けてきました。今回のプロジェクトはCHANELのフレグランスからインスピレーションを受けた作品を特集する『Hero』シリーズの6回目。過去の作品には舞台デザイナーのエス・デヴリンによる大規模インスタレーション作品、写真家ハーレー・ウィアーによる写真・映像プロジェクト、アルマ・ハレルの手がけためくるめく幻覚のようなショートフィルムなどがあります。
また、『The Fifth Sense』のウェブサイトでは多彩な分野で活躍するクリエイティブな女性に関連したさまざまな話題を扱っています。それぞれの作品や、アーティストのヴィジョンへの理解を深めることのできる記事やフォトシリーズ、その他特集を日々公開しています。
CREDITS(クレジット)
Curator(キュレーター) :Rebecca Lamarche-Vadel
(レベッカ・ラマルシュ=ヴァデル)
Director(監督) :CONVOY
Producer(プロデューサー):CONVOY×Mathematic
i-D:
Commercial Creative Director(コマーシャル・クリエイティブ・ディレクター):Bunny Kinney(バニー・キニー)
Associate Commercial Creative Director(アソシエイト・コマーシャル・クリエイティブ・ディレクター):Claire Arnold(クレア・アーノルド)
Commercial Supervising Producer(コマーシャル・スーパーバイジング・プロデューサー):Tash Tan(タッシュ・タン)
Notes to Editors
『The Fifth Sense』について
CHANELとi-Dのコラボレーションによる、香りと女性のクリエイティビティにフォーカスを当てたデジタル・プラットフォーム『The Fifth Sense』。自分自身の足で立ちながらファッションとフレグランスの世界に革命を起こした、時代の先を行くクリエーター、ココ・シャネルの姿勢に敬意をはらい、毎日配信する記事や映像のコンテンツを通して、アートやカルチャーにおける女性たちの表現のエンパワーメントや考察を掘り下げている。『The Fifth Sense』がピックアップしたアーティストたちには、ドキュメンタリー作品や写真作品、インスタレーションやショートフィルムなど数々のメディアを使った実験をしてもらい、ミレニアル世代の女性たちのインスピレーション源となること、そして香りの美しさや香りが呼び起こす感情を自己表現の手段として認識してもらうことを目指している。
イギリス、フランス、アメリカ、中国、そして日本の5カ国、4言語で展開。
【About Rebecca Lemarche-Vadel(レベッカ・ラマルシュ=ヴァデルについて)】
レベッカ・ラマルシュ=ヴァデル(1986-)はパリを拠点として活動するキュレーター。19歳のときに初めてキュレーションを手がけた彼女は、若いクリエーターたちが作品を発表する場がないことを認識しており、同世代のアーティストたちとともに活動をしていく。最初のプロジェクトから現在まで、レベッカは分野を超えた対話を重視しており、アートの分野に科学者や歌手、建築家、ファッションデザイナー、ダンサー、ミュージシャン、作家など多岐にわたる専門家を招くなど、ジャンルの垣根を超えた活動を行なっている。
2009年から2012年までベルリンを拠点としていた際にも数々のプロジェクトを手がけた。北ベルリンにある廃墟と化したスイミングプールを会場として使用したグループ展『4D Uncharted』、クロイツベルクのアパートで開催された『Piano Piano』、アテネのギリシャ料理レストランの厨房が会場となった『A Skeleton in the Closet』、パリにあるダンスのレッスンルーム、およびフィリップ・スタルクがデザインしたマイアミのデラノホテルの庭で行われた『Art by Telephone』(アーティストのセシル・B・エヴァンスとの共同プロジェクト)など、枚挙にいとまがない。彼女のプロジェクトは通例的な展覧会作りのプロセスとは一線を画しており、文化、社会、経済のさまざまなコンテキストに目くばせをしながら、民主的かつノマド的で型にはまらないショーを提案する。
2012年にパリのパレ・ド・トーキョーのキュレーターに就任して以来、携わってきたのはエド・アトキンスやダヴィド・ドゥアール、ヘレン・マーティン、マルグリット・ユモーの個展など。1年にわたりアジア、アフリカ、アメリカ、ヨーロッパにおける広範なリサーチを行ない、2015年には『Le bord des mondes(世界の端)』展を手がけ、25名のクリエーターの作品が一堂に会した。パレ・ド・トーキョーにおいて彼女が手がけた直近の展覧会はティノ・セーガルのオリジナル個展である。さらに、ニューヨークのMoMa PS1でのパフォーマンス・プログラム『72 Hours of Truce: Exploring Immediate Signs』(2013)や『Bright Intervals』(2014)、2014年にオランダのTrouwとアムステルダム市立美術館の協力のもと開催されたフアド・ブシュシャの『Landscape』展、2013年のリヨン・ビエンナーレにおける『Unfinished Presents』など、世界中のさまざまな施設・イベントでキュレーションを行なっている。
現在は、2018年10月からパレ・ド・トーキョーで開催予定のトマス・サラセーノ(アルゼンチン人建築家・アーティスト)展に向け準備中。また、アフリカ・マリで開催される第11回バマコ・ビエンナーレのキュレーション顧問委員会のメンバーに就任。
About Christine Yuan(クリスティーン・ユアンについて)
エミー賞ノミネート監督。カンヌ国際映画祭短編コンペティション部門、マーファ映画祭、ロサンゼルス映画祭、マサチューセッツ・インディペンデント映画祭など多数の国際的映画祭で作品が上映されている。
KCETテレビでは1時間ドキュメンタリー作品を複数本手がけた。さまざまなアーティストのMVも制作。さらに『Nowness』『Spin』『Dazed and Confused』『Complex』『Fader』『Highsnobiety』、VICEの『Noisey』など数々のメディアで彼女の短編作品がフィーチャーされている。D&ADネクスト・ディレクター賞、『SHOOT』が選ぶニュー・ディレクター・ショーケースでも最終選考まで残り、短編作品『DIYU』はVimeoスタッフによる〈STAFF PICK〉ビデオに選出された。