産後のバストケア…卒乳後もキレイな胸を保つためにすべきこと
豊胸が若い女性のものだという考えは、私たち美容クリニックのドクターにはありません。若いときは、たとえバストが小さくても、張りがあってそれなりに見栄えがしますから、正直、豊胸をしなくても良いのに……と思える患者さんもいるほどです。
しかし、出産を終え、授乳を経験した女性に関しては、美しさを維持するには豊胸術が欠かせないと考えます。
ウエストやヒップ、二の腕などは、エクササイズや食事制限である程度自分の理想に近づけることができます。しかし、ことバストに関しては、自身の努力だけではどうにもならない部分があるからです。
最近は、離婚率が増え、出産後に新たな恋愛にチャレンジする女性も増えています。そんなときに、「バストが垂れてしまった」「バストが小さくなった」と悩んで、恋愛への一歩が踏み出せないとしたら、たった一度きりの人生を無駄にしてしまう可能性もあるのです。
産後の女性が、美しいバストのためにできることをお話していきましょう。
出産を経て、なぜ多くの女性は胸が垂れてしまうのか?
バストを支えているのはクーパー靭帯
出産を経験した女性は、たいていその後「バストが下垂した」「バストの形が悪くなった」と悩み始めます。
いったいなぜでしょうか。
妊娠出産で、バストのサイズは1~3カップ大きくなると言われますが、そのとき、バストの皮膚が伸ばされ、クーパー靭帯もぐんと伸ばされます。
クーパー靭帯はバストの乳腺組織や脂肪組織を支えるコラーゲンの束のことで、ボリュームのあるバストが体の前方を向いてついているのはクーパー靭帯の支えがあってこそです。
伸びきったクーパー靭帯ではバストの下垂は止められない
妊娠してバストが大きくなっていくと、クーパー靭帯はゴムのように伸びてくれるのですが、残念ながらクーパー靭帯は縮む能力に劣る組織。ですから、授乳をやめて、バストのサイズが小さくなったとき、クーパー靭帯の長さが余ってしまい以前のようにしっかり支えることができなくなってしまいます。
こうなると、バストは重力に逆らえず、徐々に下向きになっていきます、皮膚も一旦伸ばされていますから、バストの張りも失われ、人によってはシワが目立ってしまうこともあります。
出産を経験してもキレイなバストでいるための習慣は?
自分に合ったブラジャーをつける
だからと言って、妊娠出産でバストが下垂するのを、ただ指をくわえて見ているのは避けましょう。自分でできる努力はして欲しいと思います。
まず、適切な下着を身につけましょう。楽だからとカップ付きキャミソールをつけるのはやめて、バストの形とサイズに合ったブラを正しくつけましょう。これ以上、クーパー靭帯を伸ばさないためにも必須です。
ナイトブラでバストの横流れを防ぐ
ブラジャーは就寝時も着用するようにしてください。最近はナイトブラの種類も増えてきています。ブラをするときつくて眠れない……と思っているかもしれませんが、ナイトブラはアンダー部分が太くつくられており、きつく感じません。横になったときに、バストがサイドへ流れるのを防いでくれる、サイドの面積が広いものを選びましょう。
体を修復するホルモンを分泌させるためには、良い眠りが必要
出産後のお母さんは、24時間休む暇がありません。でも、睡眠をしっかりとることはバストのためにとても大切だということを肝に銘じて、他のことを削っても睡眠時間を確保しましょう。
質の良い睡眠はホルモンバランスや自律神経を整える役割を果たしてくれます。私たちの体を修復したり疲れを癒したりするホルモンは、深夜2時ごろにもっとも分泌量が増えることがわかっており、この時間に深い睡眠に入っていることが体の機能を修復する必須条件になります。
クーパー靭帯だけでなく、バストの皮膚の張りなども、ホルモンによってある程度の改善が見込めますから、良い睡眠が取れるように工夫をしてみてください。
どうしても睡眠時間が短くなってしまう場合には、日中、30分から1時間程度の昼寝をすることもおすすめです。
規則正しい生活が何より大事
睡眠だけでなく、生活サイクルを整えることもバストのケアには大切です。3食を決まった時間に食べる。暴飲暴食はしない。アルコールは控えめになど、言い出すときりがないのですが、規則正しい生活によって、女性ホルモンやその他のホルモンが十分に分泌されて、体の調子が整っていきます。
下を向く姿勢は美バストの敵
姿勢と運動も忘れてはならない要素です。激しい筋トレの必要はありませんが、ストレッチをするとか、正しい姿勢でいることを心がけましょう。
また授乳中から気をつけて欲しいこととして、下ばかり向いていないように意識しましょう。赤ちゃんの授乳中やおむつ代えなどで、それでなくても下を向く機会が増えます。加えてスマホを長時間見る行為は、バストのためになりません。
スマホ首やストレートネックという呼び方をしますが、首が前に倒れた姿勢を続けていると、大胸筋が衰え、バストの下垂につながってしまいます。
下を見すぎたな、と感じたら、首や肩を軽く回すとともに、バストの上部から首元にかけて、指でとんとんとやや強めに刺激してあげましょう。これだけでもリンパの流れが改善され、バストに元気を与えます。
垂れた、崩れたといっても諦める必要はない。私たちには成長再生豊胸がある!
出産後に適した豊胸術の選び方
自分でできる努力はしつつも、バストの形を妊娠前に戻すためには、豊胸術の力を借りるしかありません。
どんな豊胸術が向いているかですが、次の子どもの出産を考えているのであれば、シリコンバッグ挿入法やヒアルロン酸注入法はおすすめできません。母乳に影響を与えることはないと言われていますが、異物を入れたバストで授乳するというのは避けたいとみなさん思うようです。
脂肪注入法はバストに入れる内容物としての問題はありませんが、施術日の前に検査のための通院があったり、術後も傷口の消毒など複数回の通院が必要になります。また、脂肪吸引した部位ではしばらく痛みや違和感があるので、お子さんの面倒を見ながら……というのは大変かもしれません。
注射だけ、ダウンタイムなし。だから赤ちゃんがいても受けられる
施術の時間が短く、ダウンタイムが少ないという条件で考えると、「成長再生豊胸」がもっともおすすめできる豊胸術となります。
何かをプラスしてバストを大きくしたり形を整えるのではなく、バストが自然と育つための「成長因子」を注射するだけ。それだけでバスト内の脂肪が増え、乳腺が再び成長を始めます。伸びきったクーパー靭帯にフィットするだけ、脂肪の量が増えれば、若々しいバストが復活します。
しかも、バストの成長は突然ではなく、2~3ヵ月かけてゆっくりと進みます。周囲から豊胸したことがバレにくいのも特徴のひとつと言えるでしょう。
妊娠前の若々しいバストを取り戻す
成長因子を注入する場所次第で、バストの形も希望に沿った仕上がりにすることが可能です。垂れた……、小さくなった…と嘆いているよりも、思い切って成長再生豊胸を受けることで自信を取り戻してください。お子さんにとっても、ママが笑顔で輝いていることが、何よりの幸せではないでしょうか。
南クリニック 院長:南晴洋
京都第二赤十字病院形成外科勤務、大手美容外科院長を経て1997年 南クリニック開業。創業以来、豊胸に力を入れている。注射で豊胸を行う「成長再生豊胸」を海外の学会でも発表。