豊胸術よくある失敗「脂肪注入後のしこり」はドクターの腕に原因がある?

豊胸術にはいくつかの方法がありますが、このところ多くのクリニックで推奨されているのが「脂肪注入法」です。豊胸術では、バスト内に「何か」を入れる手法が主流ですが、脂肪注入法で使う「何か」は患者さん自身の脂肪。自分の体内にあったものなので、患者さんに安心感を与えるようです。

しかも、脂肪の量が気になっているヒップや太ももなどから、余分な脂肪を吸引して使用するため、「痩身効果」と「豊胸」の両方が一度に叶います。お得感もあり、クリニックとしても患者さんにおすすめしやすい豊胸術と言えるでしょう。

では、脂肪注入法であれば、必ず満足のいくバストアップが叶い、不安となるリスクもないのでしょうか。

確かにシリコンバッグやアクアリフト・アクアフィリングなど、体にとって異物を入れる豊胸術に比べて、脂肪注入法は「リスク」の少ない技術かもしれません。しかしそれは、あくまでも「正しい方法」と「優れた技術」があってこそ。残念ながら、脂肪注入法では「しこり」ができたというトラブルが後を絶ちません。というのも、脂肪注入法はドクターの知識と腕が、仕上がりを大きく左右する豊胸術であるからです。

私たち南クリニックにも、他院の脂肪注入法で失敗した患者さんが相談に来るケースが増えています。脂肪注入法で後悔しないためにも、リスクを十分理解するとともに、クリニック選びは慎重に行う必要があるでしょう。今回は、脂肪注入法のリスクや注意点を詳しくみていきます。

豊胸術後、ゴルフボール大のしこりに悩む人も少なくない

安全性がアピールされてはいるが…

まず、脂肪注入法について、簡単に説明しておきましょう。端的に言えば、ネーミングの通り、脂肪をバストへ注入して大きくさせる方法です。脂肪は、患者さん自身が余分と感じている脂肪を採取して使用します。

採取した脂肪には、血管や不純物などが含まれています。それらを取り除き、バスト内で定着しやすい脂肪に加工し、バスト内へ注入すれば施術は完了。施術後の腫れは、脂肪吸引した部位で1~2週間、バストで5~7日程度です。痛みに関しては、脂肪吸引した箇所で筋肉痛のような痛みが残りますが、腫れがひくとともに違和感は消失します。

吸引と注入を行う部位では、カニューレと言われる管を入れますが、メスで大きく切開するわけではないので、傷口は小さく、通常は数日でふさがります。

最先端の「再生医療」を駆使した脂肪注入法は、患者さんの脂肪を使用する点からも、安全性の高い豊胸術として、各クリニックもアピールしています。しかし、実情は「そうでもない」ということを解き明かしていきましょう。

脂肪注入法で起きているトラブルとは?

脂肪注入法の術後に起きるトラブルには、どのようなものがあるのか。よくある「他院でのトラブル」をまとめてみましょう。

小さなしこりがいくつもできた
片方のバストにゴルフボール大のしこりができ、見た目がいびつになった
バストの皮膚がひきつれ、変形が起きた
脂肪を採取した太ももが凸凹になった
数ヵ月でバストがしぼんでしまった
バストに傷跡が残った
乳がん検診で石灰化を指摘された
なかでも、圧倒的に多いのが「しこり」に関するトラブルです。よくよく探して見つかるようなしこりであれば良いのですが、見た目にわかるほど大きなしこりができているケースも見受けられます。

「しこり」の正体は?

脂肪注入法のトラブルの大半をしめる「しこり」。しかし、不思議に思いませんか? 柔らかい脂肪を注入したはずなのに、なぜ、固いしこりができてしまうのでしょうか。

その理由は、バストの中に注入された脂肪が死んでしまうためです。本来、バストの中身のほとんどを占める脂肪は、生きた「脂肪細胞」でつくられています。脂肪が生き続けるためには細かい血管が細胞間をめぐり、栄養や酸素が供給され、不要な二酸化炭素や老廃物は排出されるシステムが必要になります。

ところが、太ももやヒップから採取した脂肪の加工方法や注入の仕方が不適切であると、バストに採取した脂肪を注入したあと、脂肪が壊死してしまう場合があります。壊死した脂肪は、体にとって異物、つまり不要物と判断されます。

不要物は、通常、リンパ管を通って体外へ排出されますが、壊死した細胞はかたまりとなっていることが多く、細いリンパ管を通れません。すると体内の免疫システムが発動され、白血球がかたまりを食べにやってきます。

白血球が壊死した脂肪細胞を処理すると、そこには「瘢痕(はんこん)」と呼ばれる傷跡のようなものが形成され、さらには「石灰化」と呼ばれる現象が起きることがあります。石灰化とは、壊死した脂肪細胞の残骸とバスト内のカルシウムが結合することを言いますが、まさにこれが小さなしこりの正体というわけです。

原因はドクターの技術にあり!知識とセンスがものを言う

脂肪の加工方法は最新技術であるかどうかが重要

しこりができてしまう原因として、まず注目して欲しいのが、クリニックが採用している「脂肪の加工方法」です。もし、採取した脂肪をそのままバストへ注入すれば、老廃物によってバスト内部のあちこちで炎症が起こります。外からは見えませんが、内部でたくさんの傷ができ、それを修復しようと白血球はさかんに働かなければなりません。

白血球が老廃物を処理したあとには、前述した通り、瘢痕と石灰化が起こり、たくさんのしこりが形成されることになります。これでは豊胸術として成り立ちません。ですから、採取した脂肪は、機械を使ってろ過をしたり、薬剤で精製したりするなどの処理が必要になります。

その方法は、クリニックによって異なります。細胞の加工に関しては、日進月歩で技術開発が行われているので、古い機械をいつまでも使用しているクリニックでは、良い加工ができているとは言えません。とはいえ、「最新」だから良いとも限りません。性能が保障された機器を使用し、適切な技術で加工されていることが大切です。

脂肪の加工が十分でないと、バストへ注入した細胞のうち20%程度しか生着できません。しかし、私たち南クリニックでは、80~90%の生着率が可能となっています。

その理由の一つが、脂肪を採取する段階から、高度な技術によって活性度の高い脂肪細胞を採取している点です。痩せていて大量の脂肪を採取できない人でも、この技術によって、バストへの脂肪注入が可能になっています。

また、南クリニックでは、加工の段階で「幹細胞層」と「成長因子」を脂肪に添加しています。少し難しい話になりますが、これらを添加することで、細胞の赤ちゃんとも言える幹細胞の量を増やし、成長を促すと同時に、脂肪が体内に吸収されるのを防ぐことができます。結果として、バスト内に注入された脂肪の生着率が高まり、しこりのできるリスクが圧倒的に減少するのです。

脂肪の注入スピードが「大きなしこり」の原因

もう一つ、しこりを作る原因となるのが、脂肪注入の技術です。施術をスピーディに済ませようとすれば、脂肪を一気にバスト内へ流し込むのが得策です。施術時間が短いことをウリにしているクリニックでは、脂肪を注入するためのカニューレは太いタイプのものを使用し、素早く注入しています。

時間が短いということは、患者さんの負担が減るように感じるかもしれません。しかし、これが大きな間違いなのです。太いカニューレを使うということは、脂肪がかたまりの状態でバスト内に入っていくことを表します。これが、脂肪を壊死させる重大な原因となるのです。

考えてみれば非常に単純なことです。丁寧に加工された脂肪は、バスト内に注入された時点では「生きた細胞」です。しかし、バスト内で生き続けるためには、血管を通して酸素や栄養を与えてもらわなければなりません。

もともとバスト内にはたくさんの脂肪があり、細い血管がめぐっていますが、それらの血管が新しく入ってきた脂肪細胞にも栄養を与えようと頑張ってくれます。ところが、かたまりで注入されてしまうと、 栄養や酸素が内部まで入っていくことができません。つまり、かたまりの内部にある脂肪細胞は壊死してしまうことになるのです。

壊死した細胞は、白血球が片づけにやってくると説明しましたが、かたまりの奥のほうには、白血球さえも入っていくことはできません。すると、脂肪細胞の残骸が液状化して、生きた細胞の内側に残り続けるのです。生きた細胞でできた殻が、脂肪細胞の残骸でできた液体を包んでいる状態です。

ゴルフボールや鶏卵のような大きなしこりができてしまう原因は、脂肪注入のスピードが一番の原因と言っても良いでしょう。

大きなしこりを除去すると、バストはたるんでしまう

しこりは一度できてしまうと、自然に消失することはありません。皮膚を切開して取り出さない限り、バスト内に残り、大きさや部位によっては、ボコッと盛り上がったような見た目になることもあります。

他院の脂肪注入法でしこりができてしまったと相談に来る患者さんのなかには、直径6~7センチのしこりができているケースもあります。乳輪に沿って切開し、しこりを取り出すか、しこりの中身をカニューレで吸い出して、しこりを小さくすることになりますが、当然、バストの皮膚にはたるみができてしまいます。

しこりを予防するために必要な技術とは

しこりを形成させないためには、第一に、大きなかたまりで脂肪を注入しないこと。細いカニューレを使い、バスタの麺のような状態で脂肪を注入することが大切です。また、同じ場所に注入せず、カニューレを少しずつ移動させ、注入した脂肪がかたまってしまわないように気をつける必要もあります。

もちろん、理想のバストの形に近づけるためにも、脂肪を注入する場所はとても重要なポイントになります。カニューレの先端はバスト内部にあるので、ドクターの目には見えていません。見えない状態で、いかにカニューレを操作し、適切な場所に、適切な量の脂肪を注入できるか。これが、脂肪注入を行うドクターに必要な技術であり、センスでもあるのです。

また、万が一、脂肪注入法を行った後、1週間が過ぎてもバストの痛みが治まらない場合には、必ず施術を行ったクリニックに相談をしてください。バスト内部でしこりのもとができつつある可能性があります。その場合には、針を刺して、注入した脂肪のかたまりを取り除く必要があります。これを逃すと、大きなしこりが形成されて、切開しなければ取り除けなくなります。

脂肪注入法を考えている人には、カウンセリングの段階で「しこりでトラブルになったことがないか」を必ず確認するとともに、術後にトラブルがあった場合の対処についても、あらかじめ質問しておくと安心できるでしょう。

脂肪注入のデメリットを払拭する新技術とは

自分の脂肪を利用することで安心感を得やすい脂肪注入法にも、リスクがあります。もちろん、最先端の再生医療を導入し、技術力の高いドクターが施術しているクリニックであれば、問題はほとんどありません。しかし、残念なことに、そういった宣伝をしていても、実際にはそうではないクリニックもあるという事実は、知っておいてほしいのです。

そうした不安を払拭する新たな豊胸術として、いま、注目されているのが「自分のバストを成長させる」という、まったく新しい手法「成長再生豊胸」です。

「何か」を入れて豊胸するのではなく、自分のバストを成長させるという考え方。思春期の頃に、胸が少しずつ成長していったときのように、徐々にバスト内部の脂肪などの組織を増やし、体積を増加させていく方法です。

施術は注射のみ。バスト内に成長因子などを補充することで女性ホルモンに働きかけ、バストを成長させる――。手術をするわけでも、異物を入れるわけでもありません。しこりが形成される心配もありませんし、見た目がいびつになる心配もないのです。

何より、突然、バストが大きくなって「豊胸した」とバレることがありません。家族やパートナーにも知られることなくバストを成長させられる成長再生豊胸。脂肪注入法のリスクを不安に感じる人におすすめしたい豊胸術です。

南クリニック 院長:南晴洋
南クリニック 院長:南晴洋

南クリニック 院長:南晴洋

京都第二赤十字病院形成外科勤務、大手美容外科院長を経て1997年 南クリニック開業。創業以来、豊胸に力を入れている。注射で豊胸を行う「成長再生豊胸」を海外の学会でも発表。


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