SMBCコンシューマーファイナンス調べ プレミアムフライデーで消費は増える? 「周囲で始まったら積極消費する」が7割 残業ナシになったら「家族と交流したい」
~30代・40代の金銭感覚についての意識調査2017~
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社(代表取締役社長:幸野 良治、http://www.smbc-cf.com)は、2017年1月17日~19日の3日間、30歳~49歳の男女を対象に「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2017」をインターネットリサーチで実施し、1,000名の有効サンプルの集計結果を公開しました。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)
■アンケート調査結果■■
【ライフステージの移り変わりとお財布事情の変化】
≫未婚者のお小遣いは平均3.9万円、子どものいない既婚者は3.6万円、子どものいる既婚者は2.4万円
≫若いうちは貯蓄しやすい?20代~30代で貯蓄額が上昇傾向、40代からは伸び悩み 年齢別の貯蓄平均額推移 20代前半28万円、20代後半72万円、30代前半95万円、30代後半154万円
30代・40代は結婚や出産・育児、住宅の購入などのライフイベントを経験したり、出世をして若い頃よりも多くの収入を得るようになったりと、ライフステージの変化に富んだ年代なのではないでしょうか。そこで、ライフステージの移り変わりによってお財布事情はどのように変化していくのかを探るため、30歳~49歳の男女1,000名(全回答者)に、毎月自由に使えるお金はいくらあるか聞いたところ、全体の平均額は31,895円、未婚者は39,122円、子どものいない既婚者は36,204円、子どものいる既婚者は24,083円となりました。お小遣いよりも子育て資金や教育資金の捻出・積み立てを優先するためか、未婚者よりも既婚者の自由資金は少なくなりました。
また、子ども(末子)の成長段階別に平均額をみると、乳児~未就学児(19,045円)や、中学生(22,426円)では、そのほかの成長段階よりも自由に使えるお金が少なくなりました。小学校入学前や高校受験前の子どもを持つ親は、自身のお小遣いなどの自由資金を控えめにしているようです。
さらに、同様の質問を行った20代の調査結果(※1)も利用し、毎月自由に使えるお金の平均額を年代別に比較したところ、20代は30,422円、30代は30,896円、40代は32,895円となり、一見して、特段の違いはみられませんでした。しかし、未婚者と既婚者にわけて年代別にみると、未婚者では20代32,997円、30代38,292円、40代40,293円となり、既婚者では20代19,376円、30代24,230円、40代29,151円となりました。未既婚別では年代が上がるにつれて自由に使えるお金が多くなる傾向と、同年代では既婚者より未婚者で自由に使えるお金が多い傾向がみられました。年代が上がるにつれ余裕資金が増える一方で、結婚後は自由に使えるお金が少なくなる傾向にあることがわかりました。
※1:SMBCコンシューマーファイナンス「20代の金銭感覚についての意識調査2016」より 以下、20代の調査結果は同調査より引用しています。
次に、全回答者(1,000名)に、現在貯蓄できているお金はいくらあるか聞いたところ、貯蓄できていないとする「0万円」が25.4%と、およそ4人に1人の割合でみられ、「1万円~50万円以下」(28.3%)と合計すると、半数以上(53.7%)の人が貯蓄額50万円以下であることがわかりました。一方で、「400万円超~500万円以下」(5.4%)、「500万円超~1千万円以下」(6.6%)、「1千万円超」(6.6%)といった回答も少なくなく、貯蓄額が300万円を超えている人は合計で20.4%とおよそ5人に1人の割合となりました。ライフステージが多様化する30代・40代では、貯蓄ができている人とできていない人との間で大きな格差が生じているようです。
家族形成状況別に貯蓄額を調整平均(※2)にて比較すると、全体では132万円、未婚者は111万円、子どものいない既婚者は228万円、子どものいる既婚者は123万円となりました。子育て資金や子どもの教育資金のために貯蓄に励む方が多いのか、子どもがいない既婚者では貯蓄額が高めな傾向がみられました。
さらに、貯蓄額の調整平均を年齢別(5歳区切り)に比較すると、20代前半~30代後半までは貯蓄額の上昇傾向が続き(20代前半28万円→20代後半72万円→30代前半95万円→30代後半154万円)ますが、30代後半以降は横ばい(30代後半154万円→40代前半147万円→40代後半154万円)となりました。貯蓄がしっかりとできた方は、20代から30代にかけて、貯蓄に励んでいたのではないでしょうか。
※2:当該設問では、上位数%のデータにみられた極端な値(貯蓄額が数千万円・数億円など)の影響を除外するために、10%調整平均(上位と下位からそれぞれ10%のデータを除外して算出した相加平均)を利用しました。
≫30代・40代の財布の中身は平均1.4万円、「中身よりも財布本体のほうが高い」が4割半
≫年代別の“よそ行き財布”比較 大人な男性が初デートで用意する金額とは? 20代男性は2.8万円、30代・40代男性は3.2万円、でも頑張り具合は20代男性が1番?
≫キャッシュレス化は20代よりも40代で進行中 40代では8割が「電子マネーを普段使い」
次に、30代・40代の財布の中身について質問を行いました。
全回答者(1,000名)に対し、普段(平日)、財布にいれている金額を聞いたところ、「3,000円超~5,000円以下」が17.2%、「5,000円超~1万円以下」が28.6%、「1万円超~2万円以下」が17.6%となり、所持金が『1万円以下』の方が累計で65.8%、『2万円以下』の方が累計で83.4%となりました。普段、財布に1万円前後いれている30代・40代が多いようで、平均額は14,131円となりました。
では、財布本体には、どの程度のお金をかけているのでしょうか。
主に利用している財布本体の値段を聞いたところ、「1万円超~2万円以下」(19.1%)などに回答が集まり、財布本体の値段の平均額は19,237円となりました。これは、普段の財布の中身よりも高い平均額となっています。
そこで、普段の財布の中身と財布本体の値段の多寡に注目すると、「財布本体の値段のほうが高い」割合(財布本体の値段>普段の財布の中身となった割合)は44.9%、女性では特に高く53.7%となりました。30代・40代では、身だしなみの一環として、財布などの小物にも惜しまずお金をかける方が多いのかもしれません。
では、お財布の中身は、年齢に伴ってどのように変化していくのでしょうか。
財布の中身の平均額を年代別に比較すると、「普段の財布の中身」は、20代で9,634円、30代で13,105円、40代で15,157円となりました。また、どこまで所持金が減ったら不安になるかで回答を募った「少なすぎて不安な財布の中身」については、20代で2,473円、30代で3,458円、40代で4,259円となり、どちらも年代が上がるにつれて金額が高くなりました。毎月自由に使える金額自体は年代別では大差がなかったものの、年齢に見合った現金を所持しておきたいと考える方が多いのではないでしょうか。
また、気になる異性との初デートの所持金を想定して回答を募った「よそいきの財布の中身」について、男性の年代別に注目すると、20代男性は27,736円、30代男性は31,632円、40代男性は31,976円となり、20代男性と30代・40代男性の間でおよそ4千円の差がみられました。30代・40代の男性は、初デートに臨む際、20代のときよりも多めの金額を準備しておかないと安心できない傾向にあるようです。さらに、「よそいきの財布の中身」と「普段の財布の中身」の差額に注目すると、20代男性が最も大きく(よそいき27,736円-普段10,461円=差額17,275円)なりました。初デートのときの頑張り具合は、20代男性が一番なのかもしれません。
続いて、“第二のお財布”とも考えられる、電子マネーの利用状況についての質問も行いました。
全回答者(1,000名)に、現金以外の支払い方法として、普段使いしている電子マネーは何種類あるか聞いたところ、「1種類」が31.5%、「2種類」が26.8%、「3種類以上」が19.9%となり、それらを合計した『電子マネーを普段使いしている』割合は、8割弱(78.2%)となりました。
『電子マネーを普段使いしている』割合を年代別にみると、20代では73.9%、30代では76.6%、40代では79.8%となり、年代が上がるにつれて電子マネーを普段使いしている割合が高くなりました。電子マネーの利用は20代よりも40代で進んでいるようです。
【金銭感覚のズレ】
≫「同世代との金銭感覚のズレを感じることが20代の頃より増えた」30代・40代の7割強
≫気をつけたい夫婦間での金銭感覚のズレ 「夫婦間で金銭感覚のズレを感じる」7割強 夫のホンネ「妻のファッション・美容の金銭感覚が気になる」、妻のホンネ「夫の趣味の金銭感覚が気になる」
ライフステージの変化に富んだ30代・40代では、周囲との金銭感覚のズレを感じることも多くなるのではないでしょうか。そこで、全回答者(1,000名)に、同世代との“金銭感覚のズレ”を実感することが20代の頃と比べて増えたか聞いたところ、「増えた」が73.3%となりました。やはり、30代・40代になると、周囲との金銭感覚のズレを実感することが多くなるようです。
家族形成状況別に、「増えた」割合を比較すると、未婚者は67.9%、子どものいない既婚者は68.3%、子どものいる既婚者は79.7%となりました。子どもの誕生をきっかけに自身の金銭感覚が変化する方が多いのか、子どものいる既婚者は同世代との金銭感覚のズレを実感している割合が高くなりました。
続いて、既婚者(595名)に、男女間(夫婦間)で金銭感覚のズレを実感することが20代の頃と比べて増えたか聞いたところ、「増えた」が72.9%となり、特に女性は「増えた」が78.4%で、男性(66.0%)よりも高くなりました。30代・40代は同世代間だけでなく、男女間でも金銭感覚のズレを実感することが増えたようです。
男女間の“金銭感覚の一致”は、結婚相手との相性を測る上でも重要だと言われますが、既婚者は実際にどのようなことで金銭感覚のズレを実感することが多いのでしょうか。既婚者(595名)に、男女間(夫婦間)で金銭感覚のズレを実感することが20代の頃と比べて増えたポイントについて聞いたところ、男性が妻との金銭感覚のズレを実感するポイントTOP3は、「ファッションや美容へのお金のかけ方」(22.1%)、「飲み会へのお金のかけ方」(19.5%)、「外食へのお金のかけ方」(19.1%)でした。妻がファッションにお金をかけすぎている、飲み会や外食にもっとお金を使いたいが無駄遣いだと言われる、などの不満を抱いている既婚男性が多いのではないでしょうか。
一方で、既婚女性が夫との金銭感覚のズレを実感するポイントTOP3は「趣味へのお金のかけ方」(34.5%)、「外食へのお金のかけ方」(29.1%)、「食品や日用品へのお金のかけ方(単価の高いものを平気で買うなど)」(25.2%)となりました。趣味のために高額な消費を厭わない夫や、買い物を頼んだら高級な日用品を平気で買ってくる夫に、頭を悩ませている既婚女性の姿が想像できる結果となりました。そのほか、「貯蓄に対する意識の違い」(5位、22.8%)や、「ローンに対する意識の違い」(8位、14.4%)などが上位にランクインしました。
≫部下・後輩へのおごり許容範囲は?2千円のおごりなら半数以上が「抵抗を感じない」、5千円なら4人に1人
≫部下・後輩へ3千円のおごり 男性の5割半は許容範囲、女性は4割弱
外食や飲み会について夫婦間で金銭感覚のズレが生じがちであることがわかりましたが、部下や後輩へおごってあげるときは、いくらくらいまでが許容範囲となるのでしょうか。
全回答者(1,000名)に、部下や後輩におごってあげるときに抵抗を感じない金額を聞いたところ、2,000円のおごりでは「抵抗を感じない」が61.1%で、「抵抗を感じる」(38.9%)より高く、3,000円では46.8%、5,000円では23.8%が「抵抗を感じない」となりました。2千円までのおごりなら半数以上が、5千円のおごりではおよそ4人に1人が抵抗を感じずにおごることができると感じていることがわかりました。
男女別にみると、1,000円のおごりで「抵抗を感じない」割合は男性で90.2%、女性で89.4%と、特段の差がみられませんでしたが、2,000円のおごりで「抵抗を感じない」割合は男性で66.2%となり、女性(56.0%)よりも10.2ポイント高く、3,000円のおごりでは男性が56.0%で女性(37.6%)よりも18.4ポイント高くなるなど、男女間で意識差がみられました。女性のおごりは千円程度のランチやカフェ、男性のおごりは3千円程度の“ちょっと一杯”までを許容範囲と考えているのではないでしょうか。夫婦間の合意なく、後輩に3千円程度のおごりを繰り返している男性は、妻から金銭感覚のズレを指摘されてしまうかもしれません。
【消費意識と消費の矛先】
≫30代・40代はメリハリ消費 「最安値をチェックする」9割弱も、「かけるべきものにはお金を惜しまない」7割半
≫ブランド志向の30代・40代「高くても品質が信頼できる品を選ぶことが多い」7割半、20代は“エシカル志向”
30代・40代はお金の使い方について、どのような価値観を持っているのでしょうか。
全回答者(1,000名)に、お金の使い方に関する意識について、どの程度同意するか聞いたところ、<購入検討する際、同じ商品群・サービスの中で“最安値”のものは必ずチェックする>では、『そう思う』(「非常に」+「やや」)が87.5%となりました。30代・40代のほとんどの方は、欲しい商品群の最安値を把握してから購入検討を始めているようです。
また、<“お金をかけるべきもの”は何かを考え、その分野ではお金を惜しまない>では『そう思う』が76.5%となりました。お金をかけるべきものか、そうでないかを吟味し、お金をかけるべきだと判断したら安さを追求しない、“メリハリ消費”と言えそうな消費意識を持っている方が多いことがわかりました。
さらに、<多少高くても、品質が信頼できる品(国産メーカー品や知人のおすすめなど)を選ぶことが多い>では『そう思う』が74.8%となりました。安さを求めてノンブランドの商品に挑戦するよりも、多少高くても信頼のおける品を選ぶといった、“ブランド(信頼)志向”に基づいた消費活動を行っている30代・40代が多いようです。
お金の使い方に関する意識を年代別に比較すると、「最安値チェック意識」は20代が9割台(90.8%)で最も高いものの、30代(87.8%)や40代(87.2%)でも8割台後半の高い割合を示していることがわかります。最安値のチェックは20代などの若い層に限らず、今や多くの人が当たり前のように行っている消費行動のようです。
一方、「背伸び消費意識」は20代で65.7%、30代で55.2%、40代で51.4%と、年代が上がるにつれて意識が薄れる傾向にあることがわかりました。また、「エシカル消費意識」は20代で47.2%と、30代(41.6%)や40代(42.6%)よりも高くなりました。30代や40代も決して少ない割合ではありませんが、社会のためになる活動をしている企業の商品・サービスを選びたいと考える、エシカル(倫理的)な消費スタイルを志向する方は、20代で特に多いことがわかりました。
≫30代・40代の積極消費先は「家族との交流」「暮らしの質の向上」「趣味の追求」
≫プレミアムフライデーで消費は増える?「周囲で始まったら積極消費する」が7割
≫残業ナシになったら「家族と交流したい」、バカンスが取れたら「旅行など思い出に残る体験をしたい」
最安値を把握しながらも、お金をかけるべきだと判断したら安さを追求しない“メリハリ消費”を行う30代・40代が多いことがわかりましたが、どのような対象にお金をかけたいと考えているのでしょうか。
全回答者(1,000名)に、これから始まる新年度(4月からの1年間)、積極的にお金を費やしたいことを聞いたところ、「家族との交流(親孝行・家族サービスなど)」が23.9%で最も多く、次いで「暮らしの質の向上(食費や家具や家電など)」が21.7%、「趣味を追求する(良い道具を揃えるなど)」が21.3%、「子どもとの交流や子どもの教育」が20.4%、「思い出に残る体験(ライブイベントや旅行など)」が19.0%で続きました。
月末の金曜日は午後3時を目処に仕事を終えるプレミアムフライデーなど、“働き方改革”についての取り組みが話題となっています。プレミアムフライデーは消費喚起としての効果も期待されていますが、働き方改革が進んだら、30代・40代の消費意欲向上に繋がるのでしょうか。
全回答者(1,000名)に、周囲(自身や友人・家族・恋人/配偶者の職場)で<プレミアムフライデー>が始まったら、今より積極的に消費したいか聞いたところ、「積極的に消費したい」が69.2%となりました。プレミアムフライデーに取り組む組織が一般的になれば、30代・40代の7割は消費意欲が向上するようです。
家族形成状況別に「積極的に消費したい」割合をみると、子どものいる既婚者は72.4%で未婚者(66.2%)や子どものいない既婚者(67.6%)よりも高くなりました。プレミアムフライデーで早く帰れたら、子どもとの時間を充実させるために積極的に消費したいと考えている子育て世代が多いのではないでしょうか。
そのほかの“働き方改革”についても同様に聞いたところ、周囲で<残業禁止>が始まったら「積極的に消費したい」は61.3%、周囲で<バカンス(連続2~5週間程度の長期休暇)の取得>が始まったら「積極的に消費したい」は77.0%となりました。プレミアムフライデーの導入や残業時間の削減も消費喚起効果が高そうですが、長期連続休暇の制度が導入された場合、積極的に消費をしようと考える方が特に多いことがわかりました。
また、これらの働き方改革が周囲で始まったら、どんなことに積極的にお金を費やしたいか聞いたところ、<プレミアムフライデー>や<残業禁止>では「家族との交流」(それぞれ27.5%、23.1%)が最も高く、<バカンスの取得>では「思い出に残る体験」(34.1%)が最も高くなりました。平日の早上がりや定時帰りが可能になれば家族と過ごす時間のために消費したい、長期連続休暇が可能になれば今よりもっと旅行やライブイベントなどの思い出に残る体験に消費したいと考えているようです。
【ライフイベントと収入】
≫30代・40代の考える結婚の収入面のハードルは世帯年収400~500万円、子ども2人なら500~600万円
≫結婚や子育てに意欲的なのは30代・40代よりも20代
30代・40代は、結婚や出産・子育てといったライフイベントを迎えるにあたり、どの程度の収入が必要だと考えているのでしょうか。
全回答者(1,000名)に、結婚や出産・子育てなどをしたいと思える世帯年収額を聞いたところ、<結婚>については「年収400万円あれば」(16.0%)や「年収500万円あれば」(20.9%)に回答が集まりました。結婚における収入面のハードルは世帯年収400万円~500万円程度と考えている30代・40代が多いようです。また、年収400万円で結婚をしようと思える割合(「年収400万円あれば」までの累計、以下同様)は44.6%、年収500万円では65.5%となりました。
<出産・子育て(1人)>では、「年収400万円あれば」(13.3%)や「年収500万円あれば」(20.6%)に回答が集まり、<出産・子育て(2人)>では、「年収500万円あれば」(15.6%)や「年収600万円あれば」(14.0%)に回答が集まりました。子ども1人の子育ては世帯年収400万円~500万円、子ども2人なら世帯年収500万円~600万円が収入面のハードルだと考える30代・40代が多いようです。
では、これらのライフイベントに対する姿勢は、年代によって傾向に違いはみられるのでしょうか。1世帯当たりの所得金額の中央値は427万円と発表(※3)されているため、これを“一般的な世帯年収の目安”として、年収400万円で結婚や出産・子育てに前向きになれる割合を確認していくことにします。
※3:厚生労働省「平成27年 国民生活基礎調査の概況」より
まず、年収400万円で<結婚>をしようと思える割合を年代別にみると、20代では48.8%、30代では46.6%、40代では42.6%となり、年代が上がるほど結婚をしようと思える割合が低くなることがわかりました。昨今、未婚率の増加による少子化が懸念されていますが、一般的な世帯年収が確保できる場合では、若い年代ほど結婚に対して前向きな姿勢を持っていることがわかりました。
男女・年代別にみると、男性は全体の傾向とは異なり、若い年代ほど年収400万円で結婚をしようと思える割合が低く、20代男性で40.0%、30代男性で44.0%、40代男性で47.2%となっています。女性では年収400万円で結婚をしようと思える割合は若い年代ほど高く、20代女性で57.6%、30代女性で49.2%、40代女性で38.0%となりました。20代の男性は同年代の女性と比べて収入面のハードルを高く設定しがちな傾向にあるようです。
同様に、年収400万円で<出産・子育て(1人)>をしようと思える割合、<出産・子育て(2人)>をしようと思える割合を年代別に確認すると、いずれも若い年代の方が高く、<出産・子育て(1人)>では20代で37.8%、30代で37.2%、40代で33.0%となり、<出産・子育て(2人)>では20代で23.4%、30代で21.2%、40代で19.0%となりました。年代が上がるほど、出産・子育ての収入面のハードルを高く想定しがちな傾向にあるようです。
≫年収いくらなら管理職になりたい?年収700万円以下の管理職にはなりたくない人が多数派
では、働くこと自体に対してはどのような意識が持たれているのでしょうか。
現在、正規雇用(正社員・正規職員)の方(409名)に、<管理職>で働こうと思える個人年収を聞いたところ、「年収700万円あれば」(13.4%)や「年収800万円あれば」(13.2%)、「年収1,000万円以上あれば」(23.7%)といった回答が多くなりました。もし、管理職として個人年収700万円が提示された場合、働こうと思える割合は累計で44.9%と半数に満たず、年収800万円でようやく半数を超え(58.1%)ました。
男女別にみると、女性は「年収500万円あれば」が17.7%で、男性(10.3%)よりも高くなるなど、比較的低い個人年収でも働きたい方が多くみられた一方で、「年収がどんなに多くても、したいと思えない」は27.8%となり、男性(12.4%)より高くなりました。正規雇用で働く女性の中には出世してバリバリ働きたい方も少なくないようですが、4人に1人はどんなに高給であっても管理職として働きたくないと考えているようです。