「生活者の視点に立ったDM」を追求することがポイントに ~ダイレクトメールに関する2022年調査結果より~

 デジタルハイブリッドのトッパン・フォームズ株式会社(以下トッパンフォームズ)は、生活者の意識とダイレクトメール(以下DM)を取り巻く実態や時系列変化から見えるトレンドの定点的な把握を目的に、2021年に続き、生活者のDMに関わる行動についての自主調査を行いました。
 今回の調査結果から、生活者はDMにおいて自身に必要な情報を取捨選択していることが読み取れ、送られてきた意味や自身のメリットなどを考慮して開封を決める傾向が以前よりも顕著になっていることがわかりました。企業側の都合だけで送付されたDMであることが伝わると開封しない判断にもつながるため、「生活者の視点に立ったDM」の追求が今後のポイントになると推察される結果となりました。  

調査結果の概要

  1. 生活者のDMとの接触状況は、全体的に昨年度と同程度。形状別開封意向は全体的
     に減少傾向にあり、下がり幅が最も少ない形状は「通常サイズの封筒」であった。
  2. アライアンスDM*を全て開封する人は、男性が高齢層、女性は若年層に多いが、
     全体としては減少傾向にある。
  3. DMのQRコードを利用する生活者は引き続き増加し、特に70代男性で大幅に増加。
     大きめのQRコードは若年層より60代以上の男性、50代以上の女性が盛んに利用

 生活者のDMとの接触状況から企業の都合で送っていることが生活者に伝わることが、「開封しない」判断につながっている可能性がうかがえ、見た目よりも“わかりやすさ”や“送った意味や文脈”といった中身が求められていることがわかります。このため今後は方法ありきでなく、生活者が「なぜ送られたのか」や「このDMの形状で送った意味」「このDMを読むことで得られるメリット」といった意図を理解し、自然に受け取れるシーン・タイミングや状況に合ったデザインの再考、素材においては紙媒体特有のメリットを活かした通知内容と紙の親和性を考慮することなどが望まれます。
 トッパンフォームズでは、今回の調査結果を踏まえて引き続き適切な情報伝達のあり方にフォーカスしたコミュニケーション手法の研究を続け、CX(カスタマーエクスペリエンス:顧客体験)向上を実現する新たな価値の創出・提供を目指していきます。  

調査結果の詳細レポートについては、こちらよりダウンロードいただけます。

調査手法

調査手法
Webアンケート方式
調査対象者とサンプル数
 全国にお住まいの20歳以上の男女で、届いたDMをおよそ3割以上開封する方・メールマガジンに登録している方
2,000サンプル(20~70代以上の男女)  
調査実施時期
2022年12月21日(水)~12月26日(月)
※ 本ニュースリリースでは、調査結果の数値を小数点第1位まで記載しております。
※ 本調査でのDMの定義は以下の通りとしております。
 「ダイレクトメール(DM)とは、企業やお店から送られてくる商品・サービス案内 
 が記載されたハガキや封書による通知物を指します。電子メールによるメールマガ
 ジンなどは含みません。」
※ 本調査はDMの平均受け取り通数や開封・閲覧状況、開封したくなるキーワード、
 形状、開封後の行動など、生活者がDMを「実際に受け取ってから」にフォーカス
 しています。  

DMライブラリについて

 生活者モニターの自宅に送付されたダイレクトメールを収集したアーカイブ機能
 です。
 生活者を顧客として捉えるお客様に対して、ダイレクトコミュニケーションによる
 課題解決をご提案するリソースとして活用いただけます。
 ■詳しくはこちらをご覧ください。
 URL:https://solutions.toppan-f.co.jp/solution/24083/
以上
 
  * アライアンスDMとは、生活者が商品・サービスなどを購入・利用している企業(アライアンス先企業)の名義で、他の企業(クライアント企業)の商品・サービス の案内などを行うDMのこと。アライアンス先企業の顧客情報からクライアント企業のニーズに合うものを提供し、DMを発送する。    
※ 「デジタルハイブリッド」、「DMライブラリ」は、トッパン・フォームズ
 株式会社の登録商標です。
※ 「QRコード」は、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
※ 記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることが
 あります。

別紙:調査結果(一部抜粋)

1.デジタル化が進む中でもDMの受取数・開封割合ともに維持傾向。2022年度のDM開封数は2021年と比較すると増加した。
 1週間に受け取るDMの通数は9.4通(グラフ1)、届いたDMの開封・閲覧割合は7割(グラフ2)。2021年度以前の調査結果と比較すると横ばいである。   
 
【グラフ1】1週間あたりのDM受取数  
(質問文)あなたは、1週間に平均で何通くらいのDM(ダイレクトメール)を受け取っていますか。

【【グラフ1】1週間あたりのDM受取数

【グラフ2】DM開封割合    
(質問文)ご自身の手で、届いたDM(ダイレクトメール)を見たり開封する割合はおおよそどの程度ですか。

【グラフ2】DM開封割合

2.アライアンスDMを全て開封する比率は全体では減少傾向。特に「全て開封するが流し読み程度に確認する」が減少し、「ほとんど開封しない」が増加する傾向を示した(グラフ3)。
アライアンスDMについては昨年度と同様、企業の都合で送っていることが生活者に伝わることが「開封しない」判断につながっている可能性がうかがえる(グラフ4)。
 
【グラフ3】アライアンスDMへの対応:接触状況の時系列推移
  (質問文)あなたが、商品・サービスを購入・利用している企業から、利用したことのない(知らない)別企業の商品・サービスの案内DMが届いた場合、そのDMを開封しますか。

【グラフ3】アライアンスDMへの対応:接触状況の時系列推移

【グラフ4】アライアンスDMへの対応:接触状況の前回比較
 (質問文)あなたが、商品・サービスを購入・利用している企業から、利用したことのない(知らない)別企業の商品・サービスの案内DMが届いた場合、そのDMを開封しますか。

【グラフ4】アライアンスDMへの対応:接触状況の前回比較

3.DMから「QRコード」を使ったWeb遷移の割合は2017年度から増加傾向。特に70代男性で「QRコード」を使う割合が大幅に増加し、検索サイトの利用を上回った。
 DMからWebへの遷移方法の比較において、QRコードでの遷移に対する好意度は継続的に上昇しており、2022度には55%になった(グラフ5)。また、大きめのQRコードが記載されている場合では、若年層よりも60代以上の男性、50代以上の女性のアクセス希望が高い(グラフ6)。  

【グラフ5】Webへのアクセスに利用しやすい方法   
(質問文)あなたは、DMの紙面に記載されたホームページ(Webページ)へアクセスする際、どの方法が最も利用しやすいですか。

【グラフ5】Webへのアクセスに利用しやすい方法

【グラフ6】最もアクセスしたい気持ちになるQRコードの記載方法
(質問文)DMに記載されているQRコードについて、以下の中で、あなたが最もアクセスしたい気持ちになるQRコードの記載方法を一つお選びください。     

【グラフ6】最もアクセスしたい気持ちになるQRコードの記載方法
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