SPECIAL OTHERS ACOUSTICがプラネタリウムに登場 『LIVE in the DARK』ライブレポート
コニカミノルタプラネタリウム“天空” in 東京スカイツリータウン(R)が主催する音楽イベント『LIVE in the DARK』。本公演の出演は数多くのフェスに参加し圧倒的な人気を誇るバンド、SPECIAL OTHERSのメンバーによるアコースティック・プロジェクト“SPECIAL OTHERS ACOUSTIC”。一夜限りの特別な夜の模様をレポートする。
●『LIVE in the DARK』イベント実施概要●
★出演:SPECIAL OTHERS ACOUSTIC
★日程:2018年2月16日(金)
★場所:コニカミノルタプラネタリウム“天空” in東京スカイツリータウン(R)
★時間:1st Stage 19:30開演(19:00開場)
2nd Stage 21:30開演(21:00開場)
ドームに足を踏み入れた途端、広がる美しい夕焼けが広がる。2月の真冬の夜から、心地よい風が吹く野外コンサートの夕方にトリップするような演出に、続々と入場する観客から歓声が上がる。ステージとの距離が近いこと、シートの座り心地がよいこと――フェスでの人気を誇る”SPECIAL OTHERS ACOUSTIC” (以下:S.O.A)のファンにはたまらない演出に、会場の期待感が高まっていく。
時間の経過と共にドームの空の色はやがて、ブルーとパープルとピンクが溶け合う、美しいマジック・タイムへ。BGMが止むと、ステージにメンバー4人が登場した。そして、鮮やかなギターが鳴り響く。彼らの代表曲をアコースティックアレンジした「BEN」のイントロだ。
ギター・アンサンブルにグロッケンのメロディが重なり、“音“が次第に“音楽”になる。耳をすましているうちに、空には一つ、また一つと星が瞬きはじめる。そして、曲のクライマックスとともに広がる、一面の星空。ステージは暗闇に包まれ、会場中が息をのむ。そこにあるのは星空と音楽だけ。会場が一気にプラネタリウムの世界に惹きこまれ、一体になるのを感じた。これぞ『LIVE in the DARK』だ。
曲が終わるとステージ上では暗闇のなかメンバーが動き、それぞれの楽器を鳴らす気配がする。次は何が起こるのだろう、といつも以上に耳を澄ましてしまう。続く2曲目は「halo」。ドラムがリズムを刻みはじめると、その振動がいつも以上に直接体に響くようだった。
3曲目は、プラネタリウムのために作られたかのような名曲「Galaxy」だ。ドームの星空のなかに、遠く天の川銀河が映し出される。心地よいリズムとともに、少しずつ銀河に近づいていく。銀河のなかに入りこむと、空には星座たち現れ、過ぎ去っていく。ダイナミックに疾走する宇宙の旅――生の楽器の音と映像があいまって、まるで銀河鉄道に乗りこんだかのような温かみがある。やがて見えてくる青い光。そこにあるのは、私たちの地球だ。
4曲目は「March」。タイトルどおりの行進曲のリズムと、鍵盤ハーモニカのメロディが懐かしく、感極まる。星空の下、宇宙の旅から帰還した私たちを音楽が包み込むようだった。
うっとりしたところに、ドラム宮原の囁き声。「おはようございます」とまるでドッキリ番組のようなMCにキーボードの芹澤がツッコミを入れ、会場から笑いが起こる。しばし感動を分かちあったあと、ドーム内は再び星でいっぱいに。往年のスタンダードナンバーを引用したインタールドでは、星が床面にも映し出され、まるでミラーボールのような演出。本当に宇宙空間を自分が漂っているようにすら感じることができた。
6曲目「LINE」もS.O.Aの代表曲。まさに野外フェスの夜、という雰囲気の穏やかな曲調に合わせて、ドームには夜の森の情景が広がっていく。ゆらめくキャンプファイヤーの炎、それを囲む木々、そして頭上には星々が、音楽に合わせるようにゆっくりと日周する。プラネタリウムでしか味わえない、極上の時間が流れていく。
7曲目も、やはり彼らの代表曲をアコースティックアレンジした「STAR」。どんな「星」が見られるのだろう? ――そんな期待に意表をついて現れたのは、ドーム中を浮遊する色とりどりのフレア。音楽に寄り添いながら、色を変え、形を変えてたゆたう光の粒子に、体全体が包みこまれるような、ぞくぞくするような快感を覚えた。
再びのMCでは、男子小学生のような星座談義や星にまつわるエピソードが披露され、笑いに包まれた。「プラネタリウム、ガチ楽しい」「気持ちよくて、いつまでも語っちゃうね」というコメントに、おそらく会場中が共感したはずだ。
続いて演奏された8曲目は「Wait for the Sun」。タイトルどおり星々が少しずつ消え去り、空が白んでいく。夜明けが近いのだ、と悟ると、驚くほどの寂しさが募った。「またここでライブがしたい」という最後のMCを挟み、明日への希望に満ちたエンディング曲「IDOL」へ――万感の思いとともに、『LIVE in the DARK』は終演を迎えた。
チケットが即日ソールドアウトを記録したS.O.Aの『LIVE in the DARK』は、まさに予想を超えるおもしろさ、そして感動を私たちに与えてくれた。卓越したテクニックのみならず、親しみやすいメロディやMCが持ち味のS.O.Aだからこそ、夕焼けや星という自然へのリスペクトも、まっすぐ伝わってきたように思う。ライブはその場にいる人、もの、景色、匂い、すべてで作り上げるもの。そんな幸福な一体感を味わえた、忘れられない夜となった。彼らの再びの登場を、心から願っている。
■本文:高野麻衣(音楽ライター)
次回の『LIVE in the DARK』は4月20日(金)。今最も注目を集めるエレクトロバンド、THREE1989(読み:スリー)の出演が決定。現代的ながらもどこか懐かしさを感じる彼らの音楽と、満天の星々を心ゆくまで楽しむことができる一夜限りのライブとなる予定だ。
LIVE in the DARK特設サイト/チケット販売
https://planetarium.konicaminolta.jp/tenku/livedark/
●2/16 SPECIAL OTHERS ACOUSTICセットリスト●
1.BEN
2.halo
3.Galaxy
4.March
MC
5. InIterlude (スタンダードカバー)
6.LINE
7.STAR
MC
8.Wait for The Sun
9.IDOL
●SPECIAL OTHERS ACOUSTIC プロフィール●
「SPECIAL OTHERS」のメンバーによるアコースティック・プロジェクト。 いつもの楽器をアコースティック楽器に持ち替え、2014年に活動を開始。
1st Full Album『LIGHT』はオリコンアルバムチャート6位を記録。SUMMER SONIC、石垣島Tropical Lovers Beach Festaなど数々のフェスに出演。TOMMY GUERRERO"THE ENDLESS ROAD"JAPAN TOUR2016 SOLO LIVE&DJ SETツアーにゲスト参加するなど多岐にわたり活動中。
●コニカミノルタプラネタリウム“天空”in東京スカイツリータウン(R)施設概要●
★所在:東京都墨田区押上1-1-2 東京スカイツリータウン イーストヤード7階
★営業時間:10時の回~21時の回
※各回の上映作品は、時期によって異なります。ホームページ等でご確認ください
http://www.planetarium.konicaminolta.jp/tenku
★料金:https://planetarium.konicaminolta.jp/tenku/information/#kmpPrice
より最新情報をご確認ください。
★お客様のお問合せ先
ホームページ: http://www.planetarium.konicaminolta.jp/tenku/
インフォメーションTel: 03-5610-3043 (受付時間 平日10:00~19:00)
施設名称表記上のお願い
見出し、本文などで、施設名称が長すぎて入りきらない場合、次の優先順位で省略形をお使いください。
(1) コニカミノルタプラネタリウム“天空”
(2) プラネタリウム“天空”
なお、文章中に繰り返しで出てくる場合は、2回目以降は “天空” と記述していただいて構いません。
“天空” にはカギかっこ 「」 は使わず、全角クォーテーションマーク “” をお使いください。