イリス、ロイツェ社製自動倉庫位置制御の最新技術を提案　セーフティバーコードポジショニングシステムFBPS 600iを発売

2022-04-12 10:00

産業機器輸入商社の株式会社イリス(本社：東京都品川区、代表取締役社長：ハルトムート・パネン)はドイツLeuze Electronic社(ロイツェ社)の主力製品である、クレーン位置決めセンサBPSシリーズの最新モデル、FBPS 600iをリリースします。

FBPS 600iは主に自動倉庫におけるスタッカークレーンの位置決め用に新規開発されたセンサです。
スタッカークレーンは倉庫の棚に沿って自動走行する車両で、棚の指定位置で荷物の出し入れを行う機械です。近年物流が活発になるにつれ、より大型でより高速に稼働する自動倉庫の必要性が高まっています。また、物流倉庫のみにとどまらず、工場の少人数化、無人化が進み、部品倉庫にもスタッカークレーンが導入されるケースが年々増加しています。

一方、機械設計の視点では機械の安全性も考慮する必要があります。高速で移動し、高所で荷物の出し入れをする機械は、移動中であれ静止中であれ、常に正しく現在位置を把握する必要があります。位置情報の正確性を安全性と結びつけるため、世界では、欧州を中心に国際的に適用されるEX規格中のEN528(レールに依存する保管機器及び改修装置)にて安全要求事項が定められています。また、ISO13849-1では機械の安全要求事項が規格化されており、必要な安全基準を満たしていることが厳に求められています。

反面、機械制御を行う個々のセンサ製品は安全規格に準拠しておらず、上記の規格基準を達成するためには機械設計者が複数のセンサを用いて、その位置情報の確実性を担保する必要があります。
異なる種類の機器から取得する情報をPLC上で同期させることはクレーンメーカー各社にとっても大きな負担となっており、この負担を解消するために開発された製品が今回ご紹介するFBPS 600iです。

FBPS 600iはクレーンの位置決めセンサとしては世界で初めて国際的な第三者認証機関であるTUVの安全規格を取得した製品であり、1台でISOの要求パフォーマンスレベルPLeを達成することができます。
この様な厳しい規格の取得達成には、ロイツェ社がこれまで歩んできたセンサ市場での経験と実績に基づいていた背景があると言えます。

FBPS 600iのベースになっているBPS 300iシリーズは、その精度の高さと動作の安定性を理由に世界中のスタッカークレーンで10年以上の採用実績を有する同社の主力製品です。レール上に貼られているバーコードを読みながら走行することで、0.01mm単位での位置情報の取得と10m/sec.の搬送速度への対応という高度な要求も可能です。

同時に、同社はドイツのセンサメーカーとして、欧州の機械設計の思想に基づいた安全製品、例えばセーフティライトカーテンや電磁ロック、セーフティコントローラーや2Dスキャナー等の開発、製造に注力し強力に市場をサポートしてきた歴史と実績があります。
これら2つの異なる分野での強みを融合させることで、1台のセンサによるセーフティポジショニングの実現が可能となりました。
FBPS 600iを使用したPLeの達成に必要な作業は、センサに搭載された2つのSSIインターフェースをそれぞれセーフティコネクションユニットに接続するだけです。

これにより、これまで複数のセンサ情報をPLCで統合することによる機械及びソフトウェア設計者の大きな負担を軽減できるだけでなく、実装する機器の数を減らすことで飛躍的な部品コストの削減や部品設置スペースの確保など、様々なメリットが予想されています。

通信方式は現在SSIインターフェースが提案されており、今後市場のリクエストに応じる形で徐々に対応する通信規格のオプションを拡大する方針が打ち出されています。

今日、機械の安全設計に対する市場の意識が高まる中で、ロイツェ社のFBPS 600iはスタッカークレーンの設計の核となると考えられています。