衣類リサイクルによってできたポリエステル媒地でアンスリウム栽培 SDGsに取り組む、近畿大学生による福島復興支援

近畿大学(大阪府東大阪市)は、令和元年(2019年)10月13日(日)に、「"オール近大"川俣町復興支援プロジェクト」の一環として、福島県川俣町のアンスリウム栽培ハウスで、廃棄予定だった衣類を、植物栽培用の培地として再利用するため、近畿大学の学生団体「L.W.W(Live With Wear)」が、ポリエステル媒地を活用したアンスリウム苗植え作業を行います。

【本件のポイント】
●近畿大学と包括連携協定を締結している福島県川俣町での復興支援活動の一環
●学生による、環境問題や持続可能な開発目標(SDGs)の推進活動
●衣類のリサイクルを実践することで、学生が責任ある消費について考える機会

【本件の内容】
近畿大学は「"オール近大"川俣町復興支援プロジェクト」の一環として、平成25年(2013年)に川俣町にビニールハウスを設置し、本学教員の指導のもとポリエステル媒地を使用したアンスリウムの栽培支援と研究を継続的に行なっています。町内の栽培気運が高まってきたことで、現在は地元住民がポリエステル媒地活用推進組合を立ち上げ、アンスリウムの本格生産に向けて活動しています。
このたび、アンスリウムの生産で近畿大学と共同研究を行っている新日本空調株式会社の作業服変更に伴い、廃棄予定だった作業服、上下合わせて1,200着を回収し、近畿大学の学生団体「L.W.W(Live With Wear)」が、ボタンやファスナーを外し、アースコンシャス株式会社の協力を得て、ポリエステル媒地を製造し、アンスリウムの栽培に活用することになりました。今回は、アンスリウム栽培ハウスにおけるポリエステル媒地を活用し、アンスリウム苗植え作業を学生3人が行います。

【開催概要】
日  時:令和元年(2019年)10月13日(日)10:00~15:00
場  所:ポリエステル媒地活用推進組合 谷口ハウス
     (福島県伊達郡川俣町山木屋字東山5-18、JR「福島駅」からタクシー約1時間)
お問合せ:近畿大学社会連携推進センター 教授 田中 尚道 TEL(090)1520-8000

【廃棄される作業服がポリエステル媒地になるまでの作業工程および担当】
1)廃棄される作業服の回収(新日本空調株式会社)
2)回収された作業服の原料としての買い取り(アースコンシャス株式会社)
3)回収された作業服から、ファスナーやボタン等の取り外し(近畿大学学生団体「L.W.W」)
4)資源リサイクルできる状態の作業服を、リサイクル工場へ搬入(アースコンシャス株式会社)
5)搬入された作業服を用いた、ポリエステル媒地の製造(アースコンシャス株式会社)
6)製造されたポリエステル媒地の利用(川俣町、近畿大学)

【ポリエステル媒地について】
一般的な市販の農作物用の土は「培地」という言葉を使われますが、これらは「媒地」と呼ばれます。なぜ「媒地」かというと、衣服の切れ端から作る本製品には、土本来が持っている栄養素が全くなく、肥料を入れることによってポリエステルが「触媒」となり農作物の成長に影響を与える仕組みからきています。これは、従来の農業では、土の状態や農家が各々もっているノウハウで、農家ごとに農作物の出来不出来が起こるのに対し、一つの地域がこの媒地を用いマニュアルに則り栽培すれば、農作物の品質を均一に保つことが可能で、一大産地を形成することが出来るのに加え、連作障害の起こる可能性も少ないのが特徴です。

【ポリエステル媒地活用促進組合について】
平成29年(2017年)に発足し、ポリエステル媒地活用促進の本格的な事業化に向けて活動しています。参加者11人中4人が新規就農で、避難地区に指定されていた山木屋地区の住民も参加しています。

【アンスリウムについて】
ハート型の花とプラスチックのような質感を持つ鮮やかな美しい葉を持つ人気の観葉植物。花持ちが一カ月以上と長いことから切花として人気があり、鉢植えも同様に花持ちがよいのが特徴です。熱帯アメリカ原産で、国内で流通しているものの多くは台湾などからの輸入です。

【学生団体「L.W.W(Live With Wear)」について】
「服と生きる」をスローガンに、環境問題を衣類や繊維、SDGsに特化した活動を中心に、ファッションが及ぼす影響を消費者に伝えることを目的に取り組む、近畿大学生35人からなる学生団体。

【新日本空調株式会社 概要】
本社所在地  :東京都中央区日本橋2-31-1(浜町センタービル)
代表取締役社長:夏井 博史
資本金    :51億5,860万円
従業員数   :単体:1,067人/連結:1,556人(平成29年(2017年)9月30日現在)
沿革・事業内容:新日本空調は、独自のエンジニアリングシステムで、空気・水・熱の基本要素はもちろん、
        発電や電気設備まで、空調に関する全ての要素をコントロール。オフィス、店舗、病院、
        ホテル等の暮らしに身近な環境づくりから、クリーンルーム、恒温室、
        原子力施設等の産業空間の創造、地域冷暖房によるエネルギー供給まで、
        空調を核とした創造エンジニアリングを展開して参ります。

【アースコンシャス株式会社 概要】
本社所在地  :徳島県徳島市北沖洲2-9-39
代表取締役社長:青山 恭久
資本金    :払込資本金 1,000万円、授権資本金 3,000万円
従業員数   :12人(平成28年(2016年)4月現在)
沿革・事業内容:屋上/壁面緑化用植生基盤材(エコグリーンマット/アースグリーンマット)の開発、製造、
           販売、施工、維持管理
        農業/園芸用植生基盤材の開発、製造、販売
        農業/園芸用培地(超軽量リサイクル繊維土壌:生産革命シリーズ)開発、製造、販売。
           緑のメンテナンス支援・安全管理システム(アーススマートシステム)の開発、
           販売、設置。都市緑化(建築緑化)の緑化メンテナンス

【関連リンク】
社会連携推進センター 教授 田中 尚道(タナカ ナオミチ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/930-tanaka-naomichi.html

"オール近大"川俣町復興支援プロジェクト
http://www.kindai.ac.jp/about-kindai/social-activity/earthquake-east-japan/all-kindai.html

L.W.Wによる解体作業の様子
L.W.Wによる解体作業の様子

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