三井化学による、 波長制御レンズNeoContrast(TM)の効果検証の報告 ~コントラストがアップし、よりくっきり鮮やかな視界に~
三井化学株式会社(所在:東京都港区、代表取締役社長:橋本修)は、北里大学医療衛生学部 半田知也教授※1の監修により、黄色光を選択的にカットした波長制御レンズNeoContrast(TM)※2を使用したスポーツグラスをかけたときの「動いているボールの見やすさ」と「スタジアムの風景がくっきり、鮮やかに見える効果」についての検証を実施しました。
三井化学グループは、ビジョンケア材料事業のポートフォリオを拡大させ、「視界品質QOV※3(Quality of View)」をコンセプトに、視力矯正から、目の健康と快適さまで、より良い視界を追求する製品開発に取り組んでまいりました。
今回、黄色光を選択的にカットすると、視界の中の色が鮮やかに感じられコントラストが向上するNeoContrast(TM)を使用した実験とアンケートで、その効果が実証されましたので報告いたします。
1.動いているボールの見やすさについて
東北楽天ゴールデンイーグルス(以下、楽天イーグルス)の選手、監督、コーチ(38名)にNeoContrast(TM)を使用したスポーツグラスを使っていただき使用感について聞き取り調査を行ったところ、以下の感想をいただきました。
・外野守備中に、打者が打ったボールが早い段階から視認しやすいため、フライの落下地点へスムーズに動き出すことができた
・ナイトゲームでフライが上がった際に、暗い夜空を背景に飛んでくるボールの白が鮮やかに感じられ、見やすかった
・キャッチャーの守備中、打者が打った打球の行方、スピードの判断がしやすく、守備陣への指示が出しやすかった
・サードの守備中、打者の打ったボールの距離感が、裸眼よりつかみやすかった
・打席に立った際に、ピッチャーが投げたボールの縫い目が見えるほど視認性がよく、バッティング動作の判断がしやすかった
NeoContrast(TM)を使用することで、コントラストが向上し、動いているものの視認性が改善している可能性が推察されます。
2.スタジアムの風景がくっきり、鮮やかに見える効果について
楽天生命パーク宮城でのナイトゲームにおいて、観客を対象にNeoContrast(TM)のスポーツグラスの使用モニターを実施※4したところ、9割を超える観客から、「よく見える」効果を感じるという回答が得られました。また、見え方についての質問で、4割を超える観客から「鮮やかに見えた」、「くっきり見えた」といった回答や、「投球やフライなど上空の打球のボールが良く見えた」との回答が得られました。一部の観客から臨場感や立体感が高まるとの声も得られています。
半田教授による健常被験者向けのコントラスト感度と視力応答速度の測定実験でも、NeoContrast(TM)を使用したレンズを装着することでコントラスト感度と視力応答速度が高くなることが分かっています。※5
これらの実証実験やアンケートの結果により、色のコントラストを向上させることで、見えにくいものが素早く認識できたり、風景全体がくっきり見やすくなったりすることがわかりました。
半田教授のコメント
文字も「よく見える」ようになる革新的レンズ技術といえます。被験者30名を対象とした実証実験から、コントラスト感度や、視力応答速度が向上することがわかりました。もともと動体視力の優れたプロ野球選手も「さらによく見えるようになる」と評価しています。一般の方も、より快適な視界をつくれますし、眩しさなどもカットするので、普段使いやサングラスに代わる新しいメガネとして活用したいですね。
今後も半田教授の監修のもと、2019年から支援している楽天イーグルスの選手の目の健康サポートを継続し、選手の目の健康サポートを通じて、パフォーマンスが向上するよう支援してまいります。
※1 北里大学医療衛生学部 視覚機能療法学 半田知也教授
2006年、北里大学大学院眼科学を修了(医学博士)
2016年より北里大学医療衛生学部視覚機能療法学教授
視能訓練士免許保有(国家資格)
※2 黄色光を選択的にカットした波長制御レンズNeoContrast(TM)
光波長制御技術により、眩しさの原因となる特定波長をカットするレンズ。
眩しさから眼を守り、明るさや色の差を見分ける力をアシストします。
https://www.mitsuichem.com/sites/default/files/media/document/2019/pr_neocontrast_jp_2.pdf
※3 QOV
視力の最適化や快適な見え方、目の健康管理、病気予防など目に関わる病気の質、満足度の尺度。
※4 楽天生命パーク宮城でのナイトゲームにおけるモニター
2019年8月27日に観客102名を対象に実施
※5 コントラスト感度と視力応答速度の測定実験
(1)コントラスト感度の測定実験(コントラストが低いものを見分ける力の実験)
コントラスト感度が低いと物がぼやけて見え、文字が読みにくくなったりします。
健常被検者を対象に実験したところ、NeoContrast(TM)を使用した時の方が、コントラスト感度が向上することが分かりました。
(2)視力応答速度の測定実験(見ているものをどれだけ早く認識できるかの実験)
健常被験者を対象に、視力応答速度(視力検査で使用している輪《ランドルト環》の切れ目方向を答える時の応答速度)を測定したところ、NeoContrast(TM)を使用した時の方が、より小さく薄い視標が早く認識できることが分かりました。