介護施設利用者の「座位姿勢保持」を重視した新シリーズ「プロフィットケア」が登場
ピジョン株式会社(本社:東京、社長:山下茂)は、ヘルスケア・介護事業において、介護施設利用者の「座位姿勢保持」を重視した新シリーズ「プロフィットケア」を発売いたします。同シリーズの商品として、座位保持自走型車いす「ラクリオPR-1000」(新商品)、座位保持ティルトリクライニング車いす「ラクレストPR-2000」(新商品)、背中・おしりがズレない車いす「フルリクライニングキャリーFC-120」(リニューアル商品)、4人用の個別昇降テーブル 「ここあPR-T4」(新商品)の計4商品を2019年2月より順次発売します。なお、販売はピジョンのグループ会社であるピジョンタヒラ株式会社が行います。
介護現場における人手不足の状況が年々深刻さを増すなか、要介護高齢者の残存能力をできるだけ活かした介護の重要性が一層高まっています。ピジョンが、特別養護老人ホーム(特養)と介護老人保健施設(老健)に勤務する介護スタッフ500名を対象に2018年9月に実施したアンケート調査では、「施設利用者の座位姿勢が正しくなると、自立につながると感じる」との回答が9割に上り、介護の現場では「正しい姿勢で座ること」は自立に寄与するものと考えられています。
「プロフィットケア」シリーズは、座位姿勢保持のための工夫を盛り込み、様々な状態の利用者の座る姿勢を改善し、残存能力を活かして自立を促すことにより、「施設利用者の快適な生活」を叶え、「介護スタッフの業務負担の軽減」をも実現します。利用者の容体の変化に応じた調整も可能です。また、操作が分かりやすく、誰にでも簡単に使いこなせるよう設計されています。
<座位姿勢の問題による、介護スタッフと施設利用者の負担>
前述の特養・老健に勤務する介護スタッフ500名を対象にしたアンケート調査では、「車いす利用者の中で正しい座位姿勢を保持することが困難な人」について、「多くいる」との回答が約6割、「少しいる」との回答が約4割に上り、車いすでの座位姿勢の保持は、ほぼ全ての介護施設で共通する課題であることが分かります。
現状では、多くの介護スタッフが手近なクッションやタオルなどを使って座位を調整しているほか、同時に「座り直し介助」も行っています。このことから、座位保持機能付き車いすなどの介護用品によって、ベッドやトイレからの移乗時などにクッションやタオルの挟み直しをしなくても済んだり、日々の座り直し介助の回数を減らしたり、現場の負担軽減につながるとピジョンは考えます。
また、座位姿勢に関して、食事の際のテーブルの高さが合わないという問題も、多くの介護施設が抱えています。アンケート調査では、「施設利用者の食卓の高さが個々に合っていない」という回答が「よくある」・「ときどきある」をあわせて85%に上りました。
施設利用者の症状により適切な車いすはそれぞれ異なるため、低床車いす(※1)の利用者は、テーブル上の食器に手が届かなかったり、食器の中身が目線に入っていない時があります。また、背中が丸まった「円背」(後湾症)の方の場合、膝の上に食器を載せて食事をせざるをえないケースがあります。テーブルの高さが適切であれば、自分で食べられる可能性があり、本来必要のない、食べさせてあげるなどの食事の介助が発生しません。
※1 低床車いすとは、タイヤが小さいため小回りが利きやすく、また小柄な方向けにも利用されています。
<商品概要1:座位保持自走型 「ラクリオPR-1000」>
■発売予定: 2019年2月(新商品)
■本体価格(予定): 100,000円(税抜)
■車いすに座り続けていると多くの利用者は、お尻が前に滑り落ちた状態で座る「ずっこけ座り」や体が前に倒れる「前かがみ」、「左右への傾斜」など姿勢が崩れてしまいますが、介助者が押す介助タイプの車いすを早期に選択すると、利用者の自力でこぐという残存能力を活かせない懸念もあり、能力が残っているのであれば利用者が自分でこぐ自走タイプの車いすを利用することが望ましいと言えます。
「ラクリオ」は、利用者自身でこげる自走型ながら、簡単な操作で座位が安定する機能を備えており、利用者の残存能力を活かしつつ、介助者の座り直し介助の負担を軽減します。フレームとクッションの組み合わせにより様々な利用者の骨盤を安定させ姿勢くずれを防ぎます。また、利用者の体格や状態に合わせて高さを調整できます。姿勢くずれがひどい場合には、座面角度の調整機能によって骨盤から背中にかけて支持面積を広げられ、シート全体で体を安定させることが可能です。たった1台で状態の異なる利用者それぞれに合わせられ、容体が変わっても長く使えるため、施設内の車いすの有効活用にもつながります。
<商品概要2:座位保持ティルトリクライニング 「ラクレストPR-2000」>
■発売予定: 2019年3月(新商品)
■本体価格(予定): 180,000円(税抜)
■「ティルトリクライニング車いす」とは、背もたれと座面の角度の調整ができる車いすのことで、体を支持するシートの角度を変えること(ティルト)により、お尻が前に滑り落ちた状態の「ずっこけ座り」になりづらく、介助者の座り直し介助の回数減が期待できます。ティルトリクライニング車いすの対象者は、体の関節の動きが悪くなる「拘縮」と呼ばれる症状が進み、体の状態がさまざまで、日によっても状態が変わります。
「ラクレスト」は、従来のティルトリクライニング機能に加えて、利用者の状態に合わせてさまざまな形に変化することで、幅広い対応が可能になっています。
<商品概要3:背中・おしりがズレない 「フルリクライニングキャリーFC-120」>
■発売予定: 2019年2月(リニューアル商品)
■本体価格(予定): 220,000~260,000円(税抜)
■寝たきりの方々はご自分の力では動くことができず、長時間同じ姿勢のため、褥瘡(床ずれ)のリスクも高く、体に負担がかかります。そのため、「フルリクライニングキャリーFC-120」はベッドのような乗り心地を実現しました。背中・おしりがズレない機構により、長時間安楽な姿勢を維持できます。身体がズレにくいため、介助者の座り直し介助の負担を減らすことができます。
★さまざまな利用者に対応できるプロフィットケアシリーズ「車いす」
車いすは多種多様の商品展開がされています。施設に入退所される方に合わせて、また入所者の重度化・容体変化に合わせて、介護施設の備品として一通りの種類を揃えると、介助者が各機種それぞれの操作を覚えなければならないという負担がありました。プロフィットケアシリーズの車いすはさまざまな機能を備えることで、容体や状態の異なる利用者に幅広くお使いいただけます。利用者個々への短期的対応から、座位保持能力に応じて長くお使いいただけるシリーズです。
<商品概要4:個別昇降テーブル(4人用)「ここあPR-T4」>
■発売予定: 2019年3月(新商品)
■本体価格(予定): 200,000円(税抜)
■「ここあ」は、4つのテーブルを利用者それぞれの最適な高さに合わせて調整ができます。お食事の際に食器が腕の可動域内に配膳され、手が届く環境を作ることで、ご自分で食事をとりやすくなります。利用者の自立支援に繋がり、介助者の負担も軽減します。
※いずれの商品も、仕様が変更になる可能性がございます。