消防隊員ウェアラブルカメラの現場映像を Wi-Fi電波で消防指揮車に中継 長距離無線LANシステム FalconWAVE(R)-MPで 消防現場を広域無線ネットワーク化
日本電業工作株式会社(本社:東京都千代田区九段南4-7-15、代表取締役社長:瀬川 純、以下 DENGYO)は2017年4月24日に、西入間広域消防組合(所在地:入間郡毛呂山町大字岩井2451、消防長:神山 和之、以下 西入間消防)と「FalconWAVE」による消防ウェアラブルカメラ映像の指揮車への伝送デモを行いました。
本システムにより、的確な消防現場の最前線の映像情報の収集と消火活動の安全な指揮命令と管理が可能となります。
FalconWAVE-MP
背景
火災等の災害現場においては、多数の消防職員が連携しながら活動しています。特に近年の複雑多様化する災害現場では、早期の災害規模の把握や二次災害防止を目的として情報収集と安全管理に留意した指揮活動が重要となってきています。具体的には、災害の状況や推移等の現場先端の状況を的確に情報収集・把握し、効果的、効率的で安全に十分配意した指揮を行う必要があります。
そのためには、前線で活動する消防隊員が見る視点をリアルタイムで指揮隊に映像伝送することが必要となります。この映像伝送は、無線で可動的に伝送することが望まれていました。
システムの概要
西入間消防は、住民サービスの向上を目的に新しい指揮支援車を導入しました。ストレッチャー式の大型現場見取り図版やパソコン・プリンター・大型のモニター等の機器をはじめ、大規模災害時にも指揮命令系統を維持できるように設計がされています。
DENGYOの「FalconWAVE-MP」は、広域のアクセスポイントWi-Fi機能を内蔵した無線LANシステムです。一方のカメラはWi-Fiで映像伝送するウェアラブルカメラが進歩しており、広域Wi-Fi化をするFalconWAVE-MPと組み合わせることにより、現場の映像データを指揮車に安定的に無線で集約することが可能となりました。
図1. システム構成
図2. 隊員ウェアラブルカメラと伝送映像
無線製品の特長
- 広域かつ安定したWi-Fiエリア構築と映像収集
FalconWAVE-MPは内蔵の高利得なアンテナにより、従来のアクセスポイントに比べて電波干渉が少なく広域Wi-Fiエリア構築が可能です。16方向ビームフォーミング機能により、1台のアクセスポイントで広範囲をカバーし、効率的なWi-Fiエリア構築とIPウェアラブルカメラの映像収集が可能となります。
図3. FalconWAVEのビームフォーミングWi-Fi
- Wi-Fi不感地対策
おくだけWi-Fiは、低消費電力3WのFalconWAVE-Ecoと平面/オムニアンテナとバッテリーの可搬セットです。
無線エリアは予期していない障害物により不感地が発生することがあります。この場合に、おくだけWi-Fiを使えば、FalconWAVE-MPのWi-Fi電波を中継し、不感地をWi-Fiエリアに構成することが可能になります。
図4. おくだけWi-Fi
- ウェアラブルカメラで効率的なモニタリング
遠隔地の隊員に装着したウェアラブルカメラ端末で現場映像の撮影ができます。カメラはIP機能によりWi-Fi電波でリアルタイムに映像伝送し、FalconWAVE-MPで受けた映像をPC経由の指揮車ディスプレイに出力します。FalconWAVE-MPの広域Wi-Fi機能により見通し200m以上(※)の映像伝送が可能となります。
※埼玉県坂戸市での映像伝送試験
今後の予定
今回のデモの模様は、イカロス出版株式会社の全国の新型消防車を紹介する消防車年鑑のムック書籍「日本の消防車2018」に掲載予定です。
また、西入間消防では今後、実際の火災現場で「FalconWAVE」による消防ウェアラブルカメラ・指揮車システムを活用し、的確な現場の安全管理を行う予定です。
日本電業工作(DENGYO)について
1947年の創立以来、日本の通信事業発展に貢献し、通信インフラの実現を支える技術・製品を数多く創出してきました。アンテナ・フィルタといったコアビジネスの研究開発はもとより、革新技術の創出にも積極的に取り組んでいます。
資本金 : 3億3,000万円
売上高 : 96億円
従業員数: 244名(2016年3月期)
URL : http://www.den-gyo.com/