レジ袋有料化に「賛成」76.9% レジ袋をごみ袋として活用していた人の反応は? マイバッグの持参率は90.1%まで上昇!
「オレンジページくらし予報」では、国内在住の20歳以上の女性を対象に「プラスチックごみ(以下プラごみ)」について調査しました。マイクロプラスチックによる海洋汚染の深刻化など、国際的な問題となっているプラごみ。削減に向けた動きとして、日本でも2020年7月からレジ袋の有料化の法律が施行されました。これを機にプラごみへの関心が高まった人は91.6%、有料化に賛成の人は76.9%と、多くの人にとってあらためてプラごみについて考えるきっかけになったようです。レジ袋有料化から見える意識や考えから、日本のプラごみの現状と、削減へ向けて私たちがこれから取り組むべき課題について考察しました。
ダイジェスト
レジ袋が有料でも「賛成」76.9%、理由は「プラごみ削減につながるから」
有料化で、レジ袋をゴミ袋として利用していた人の反応はいかに?
マイバッグの持参率は昨年より3.0%増の90.1%に!
レジ袋が有料でも「賛成」76.9%、理由は「プラごみ削減につながるから」
今まで基本的には無料だったものが有料になったにもかかわらず、「レジ袋の有料化」に8割近くが賛成と回答しています。理由をきいてみると、「プラスチックごみの削減につながるから」が70.2%に上りました。その一方で、プラごみ問題の現状をきちんと理解している人はまだまだ少ないよう。例えば、日本が廃棄しているプラごみの量が、1人当たり年間32kgで世界ワースト2位(国連環境計画[UNEP]の2018年の報告書より)という事実を知っている人は19.5%止まり。海洋汚染を引き起こし、有料化の一因となった「マイクロプラスチック」という、言葉の意味まで知っている人は29.4%で、世界的な問題として報道されているわりに少ない印象です。ただ、今回の有料化をきっかけに、プラごみ問題への関心が高まったという人は91.6%に上り、問題解決に向けた前向きな姿勢が感じられました。
有料化で、レジ袋をゴミ袋として利用していた人の反応はいかに?
有料化する前、レジ袋をごみ袋として利用していた人はなんと95.4%にのぼります。こうした人たちからは、有料化以降ごみ袋として使えなくなり不便という声もありましたが、「ごみを減らすことに意識が向くようになった」(30代・フルタイム)、「海洋汚染の削減につながる」(30代・フルタイム)のように、ごみ削減のきかっけとして前向きに捉えている人も多数。有料化後に、「ごみ袋を買うことが増えていない」と答えた人は、66.9%。自由回答でも、「ごみをまとめる際、新聞紙などの古紙で代用している」(30代・専業主婦)など、新たにごみ袋を買い足さないよう工夫していると答える人もいました。しかし、プラスチック製のごみ袋を買うことにはなるため、金銭的な負担への不満や、根本的なプラごみ削減にならないのではという意見も散見されました。
マイバッグの持参率は昨年より3.0%増の90.1%に!
ごみ削減の行動の変化を、1年前に実施した調査の同じ設問で比較すると、マイバッグの持参率は90.1%で前年比3.0%増、マイボトルの持参率は60.6%で前年比5.8%増、ごみの分別をする人は93.4%で前年比11.3%増と、いずれも増加。有料化をきっかけに、ごみを出さない行動や習慣を少しずつ取り入れていることが裏付けられる結果に。また、レジ袋以外のプラスチック製品についても尋ねてみると、使い捨て容器や袋などを「過剰」と感じている人は85.2%と多く、ペットボトル63.7%、包装材52.2%、食品の容器45.2%がTOP3に挙げられました。実際、お菓子の包装をプラスチック製から紙製に変えた企業を評価する声はとても多く、環境問題への関心の高まりを感じさせます。「必要以上に買わない。買ったものは徹底的に使いまわす」(40代・フルタイム)「青果店、鮮魚店を利用しプラスチックトレーを避ける」(50代・フルタイム)など、自分なりの削減対策を実行している人も目立ちました。
レジ袋は私たちが抱えているプラごみ問題のごく一部。それでも、多くの人が有料化をきっかけに「レジ袋だけじゃなく、ポリ袋なども使いすぎないようにしよう」」「使い捨てのプラ製スプーン、もらわないほうがいいな」などの気づきを得た様子です。ここをスタートにして、自分でできる工夫を一つでもいいから実行し、それを積み重ねていくことで、「便利さ」に偏りがちな暮らしを、ちょっと見直すことにつながるのではないでしょうか。まだまだ超える壁は高いけれど、「私たち一人ひとりにもできることはある」と思わせてくれる調査結果でした。
アンケート概要
●調査対象:オレンジページメンバーズ・国内在住の20歳以上の女性(有効回答数1702人)
●調査方法:インターネット調査
●調査期間:2020年6月18日~23日
●「オレンジページくらし予報」について
読者モニター「オレンジページメンバーズ」には、さまざまなくらし情報・くらし体験によってはぐくまれた“くらしの目利き”たちが数多く所属しています。そんなメンバーたちの声を集めて<次のくらし>を読み解いていくのが「オレンジページくらし予報」です。WEB上でのアンケート調査、座談会など、ご相談に応じて展開いたします。
●『オレンジページ』について
失敗なくおいしく作れるレシピ情報が支持され、今年創刊35周年を迎えた生活情報誌。30~40代の主婦を中心に幅広い読者層を誇ります。発行部数=318,679部(2019年印刷証明付発行部数)。