【埼玉県・久喜市の小学校で外壁落下事故】専門家が警鐘「マンションにも同様のリスクあり」

 業界初の個人向け総合不動産コンサルティング・ホームインスペクション(住宅診断)、マンション管理組合向けコンサルティングを行う“不動産の達人株式会社さくら事務所”(東京都渋谷区/社⻑:大⻄倫加)では、今月17日(火)の朝に埼玉県・久喜市の市立小学校で発生した、3階建て校舎の屋根からモルタル製の外壁がはがれ落ちる事故に関して、専門家の見解を発表しました。幸い怪我人はおらず、大事には至らなかったものの、同様のことが通常のマンションでも起こりうる可能性もあり、その点についても言及しています。
 詳しくは下記をご覧いただき、本件に関する取材やご質問がございましたらお気軽にお問い合わせください。

マンション管理コンサルタント・土屋輝之の見解

マンション管理コンサルタント 土屋 輝之

なぜこのような事故が起こってしまったのか

報道内容を見ると、点検でひび割れなどが指摘されていたが、剥落した部分の異常は確認されていなかったということになります。その理由はいくつか考えられますが、技術的な観点から考えた場合、剥がれ落ちた外壁は「横2m、縦85㎝、厚さ4㎝」とされていることから、点検時に採用されていた調査方法が打診調査であった場合、40mm以上の深さに生じている外壁の浮きなどは察知できないことがあります。剥落した外壁はコンクリート躯体の表面に40mm程度の厚さでモルタルによる仕上が施されたものである可能性が高いため、打診調査では外壁モルタルの浮きが発見できなかった恐れがあるということです。
(参考:平成2年国土交通省(旧建設省)住宅局建築技術審査委員会策定「剥落による災害防止のためのタイル外壁、モルタル塗り外壁診断指針」打診法の限界)

もし事故が起きたのがマンションだった場合、責任の所在はどこに?

一義的には管理組合が責に任ずることになります。点検の方法や報告の内容に不備があれば管理組合は点検を依頼した業者に対し訴えを提起することができる可能性があります。

「建築基準法に基づく定期点検」とはどのようなものか

建築基準法 第12条の点検です。建物の安全性を確認するために実施する定期点検のことで、12条点検の実施は建物の管理者に課せられた義務であり、怠ると罰則の対象になる可能性もあります。マンションでも同じ点検をすることになっていますので、 小学校だけでなくマンション等の建物にも今回のようなリスクがあると言えます。(横浜市や川崎市などでは、実施及び報告が免除されているマンションがあります。)

外壁落下防止のための対策は

近年、建築基準法第12条の点検は業者間の過剰な価格競争の影響もあり、点検の内容が不十分であることや報告書を行政庁に提出することが目的となり、建物の安全性を確認するために実施する定期点検であることから考えると本末転倒な状況が常態化しています。本来の点検の趣旨に立ち返り建物の安全性を確認するために実施する定期点検であるということを再認識する必要があると考えます。また、12条点検が免除されている地域においても自主的に定期的に外壁の診断を怠りなく行うことが望まれます。

さらに詳細なお話が聞きたい方はお気軽にお問合せください。専門家が取材にてお話させていただきます。 

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株式会社さくら事務所は「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」を理念として活動する、業界初の個人向け総合不動産コンサルティング企業です。1999年、不動産コンサルタント長嶋修が設立。第三者性を堅持した立場から、利害にとらわれない住宅診断(ホームインスペクション)やマンション管理組合向けコンサルティング、不動産購入に関する様々なアドバイスを行う「不動産の達人サービス」を提供、62,000組を超える実績を持っています。

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