【岡山理科大学】「実験ってとても楽しい!」高校生約25人が参加し化学実験教室開催
高校生に実験の面白さを体験してもらおうと、化学実験教室が8月26日、岡山理科大学で開かれ、高校生ら約25人が参加して有機化合物の合成とDNAの抽出に挑戦しました。
8月8日に開いた基礎編に続く、今回は応用編。有機合成とサケの白子からのDNA抽出の2つのテーマが設定され、有機合成では医薬品の成分として利用されているサリチル酸メチルを合成する実験と、医薬品や液晶などの製造に応用されている「鈴木-宮浦クロスカップリング反応」の実験を行いました。この反応は、鈴木章・岡山理科、倉敷芸術科学両大学特別栄誉教授(北海道大学名誉教授)が2010年にノーベル化学賞を受賞した研究として有名です。
会場はB2号館1階の化学大実験室。参加者は、全員がプレゼントされた白衣と保護メガネを着用。有機合成ではサリチル酸やメタノールをフラスコに入れて加熱しながら、炭酸水素ナトリウム水溶液などを注ぎ、手であおぎながら溶液のにおいをかいで目的物が合成できているか確認しました。
また、鈴木-宮浦クロスカップリング反応では、ベンゼン環同士をつなぐこの反応を利用して、4-フェニル安息香酸カリウムを合成。炭素-炭素結合を形成する反応を確認しました。
一方、DNAの抽出は、産業廃棄物として処分されているサケの白子をすりつぶして、遠心分離機にかけ、上澄みを取り出し、溶液を入れて加熱。エタノールを加えて、DNAを抽出しました。DNAは目では見えないため、蛍光試薬を使って、DNAに結合した試薬が強い緑色を発する様子を確認しました。
薬品などを扱った実験だけに、生徒たちは学生や教員の指導を受けながら、真剣な表情で取り組んでいました。
参加者の感想の一部を紹介します。
「学校ではできないような実験ができて、とても楽しかった」
「実験がうまくいってうれしかった」
「学生の方が丁寧に対応してくださり、楽しむことができました」
「濃硫酸を使っていて大丈夫かなと不安はありましたが、あまりやってこなかったことができて、とても楽しかった」
この体験を通して、化学がもっともっと好きになってくれたらうれしいです!