全自動薄膜検査装置「Xtrology」を発売

~多彩なセンサーと自動化技術を融合、半導体薄膜検査に新たな価値を提供~

HORIBAグループで半導体事業を担う株式会社堀場エステック(京都市南区上鳥羽鉾立町11-5 代表取締役社長 堀場 弾)は、全自動薄膜検査装置「Xtrology(エクストロロジー)」を10月15日に発売します。
近年、半導体産業の技術進展を背景に製造プロセスにおける検査項目が増加し、要求レベルも高まり続けています。「Xtrology」は、分光エリプソメトリー(※1)・ラマン分光(※2)・フォトルミネッセンス(※3)という3つの分析手法による多彩なセンサーを単一または複数組み合わせて選択できる高度なカスタマイズ性を備えた装置です。これにより、各種ウェハの膜厚測定や欠陥分析、組成分析など、重要な検査を1台で行うことが可能になりました。
さらに、独自開発の自動化技術と融合させることで省人化につながり、半導体製造プロセスの効率化と歩留まり向上に貢献します。
また、搭載可能なセンサーの追加などさらなる機能拡張にも取り組んでおり、今後も半導体薄膜検査の多様なニーズに応えるソリューションを提案してまいります。

開発の背景

シリコンウェハの欠陥は、半導体デバイスの品質や性能に直結するため、多岐にわたる綿密な検査が行われており、正確かつ効率的な対応が求められています。また、次世代パワー半導体用の材料として期待が高まる化合物半導体ウェハにおいては、高い性能と耐久性を誇る一方で、製造プロセスでは欠陥による歩留まり低下が課題となっています。こうした幅広い需要に応えるため、複数の検査項目への効率的な対応に加え、レガシーから先端プロセスまで多様なウェハを広範囲にカバーできる装置として本製品を開発しました。HORIBAのコア技術をもとに独自開発した多彩なセンサーと自動化技術を1つのプラットフォームに統合し、多様なソリューションを提案します。

全自動薄膜検査装置「Xtrology」※4

製品の特長

  1. 検査ニーズにあわせて搭載センサーや仕様をカスタマイズ
    HORIBAのコア技術である分光分析技術(分光エリプソメトリー・ラマン分光・フォトルミネッセンス)を応用した多彩なセンサーを単一または複数組み合わせて選択することができ、お客様の検査ニーズに最適な仕様にカスタマイズします。このことにより、1台で広範囲な検査項目に対応する事も可能となります。

主な検査項目

図1

搭載可能なセンサー例

図2
図3
  1. 自動化技術により、効率化と歩留まりの向上に貢献
    自社開発の自動搬送システムと非破壊・非接触のセンサーを組み合わせた自動化機能を備えています。また、オープンカセット(※8)、SMIF(※9)、FOUP(※10)など複数の外部装置との接続に対応し、連続測定を行うことができ、検査プロセスの効率化と歩留まりの向上に貢献します。
  1. 全て自社開発だからこその一貫したサポート体制
    本装置に搭載される各センサーや自動化技術、ソフトウェアの全てを自社開発しており、サービスやメンテナンスなどを一貫して行うことができます。
    また、世界29の国と地域でビジネスを展開するHORIBAだからこそ、グローバルに長期的なサポートを提供することができます。

※1 サンプルに対する入射光と反射光の光の振動の変化を測定することで、厚さや性質などを求める分析手法
※2 サンプルに光を照射し、その散乱光を検出することで、分子構造や性質などを評価する分析手法
※3 サンプルが特定の波長の光を吸収し、その後に放出する光(蛍光)を測定することで、欠陥や不純物の情報などを得られる分析手法
※4 搭載するセンサーの数や種類、仕様により外観は変わります(写真は2種のセンサーを搭載、マルチポート仕様)
※5 光が物質を通過する際に、その強度が減衰する度合いを示す指標
※6 電子が存在できない領域の幅
※7 物体が外から力を受けたときに、その物体の内部に発生する力
※8 高クリーン度が要求されない場合に用いられる開放型格納ポッド
※9 Standard Mechanical Interfaceの略。半導体製造においてウェハを搬送する際に使用される密閉型の格納ポッド
※10 Front Opening Unified Podの略。300mmウェハを装置内に搬送・搬入する際に使用される格納ポッド

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