今を必死に生きる、すべての人のために作られた【アートコラボ作品】
世界はこの海で繋がっているからこそ、美しい
2021年1月22日。
一本の動画がYouTubeにアップされた。
一度は聞いたことのあるクラシック音楽から
サザンオールスターズの「TSUNAMI」に移り変わっていく美しいピアノの旋律。
そしてその旋律と共に、映し出されているのは
海を自由に泳ぐイルカたちの姿である。
ときには優雅に、そしてときには寄り添いながら
海の中で変わらずに生きるその姿に、どこか祈りのような崇高ささえ感じてしまう。
この動画は、「絵、写真、デザイン、音楽、アートなどの様々なジャンルのアーティストを繋ぎ、ひとつの作品を作りあげよう」というコンセプトの元、立ち上げられたプロジェクト『tomoya’s Art collaboration』の第一弾である。
コロナで行き場を失った、アーティストのためにも
企画の発案、立ち上げを行ったのは自身もデザイナーとして活動し、
「Kawaru-design」の代表でもあるtomoyaさん。
tomoyaさんはこう語る。
「コロナによる緊急事態宣言が発令された時、
自分が主催を勤めたイベントでお世話になった、アーティストの皆様も
活動の場が無くなってしまったという現状を知り、自分に何が出来るのかを考えてきました。
そしてアーティストだけでなく、
実際、僕の周りでもコロナによって経営が悪化し店を畳んでしまう人も出てきており
報道されていない現状も多くあります。
医療関係の方もそうで、本当に命をかけて命を救っている。
そんな今を必死に生きている人達へ届き、
少しでも、心を癒すことが出来たら、と思ったことがこの企画の始まりです。」
ドルフィンフォトグラファーとピアニストのコラボ
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そしてそんなtomoyaさんに共感し、今回参加したのが
世界的に活躍する
ドルフィンフォトグラファーの「DAISUKE」さんと
ピアニストの「岩田真実」さんだ。
さらに、スタジオのオーナーもtomoyaさんの"想い"に賛同し、
ピアノシーン撮影の場所と機材を無料で提供してくれたという。
世界の美しさと改めて出会える動画
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動画はシンプルな作りで、情報量自体は決して多くはない。
だからこそ、この動画を通して視聴者はさまざまな「想い」を抱くことが出来るだろう。
希望や絶望、喜び、悲しみ、切なさ…。
生きてきた人や人生のあり方によって、感受される形が変わる。
それこそが「アート」の本質であるのかもしれない。
そして確かにコロナウィルスは、私たちの生活を一変させてしまった。
日々を必死に生きていると、思わず失ったものばかりを探してしまう。
そんな時こそ「当たり前だと思っていたことの素晴らしさ」と
改めて出会っていこうとする"希望の芽"が必要となってくるだろう。
この動画を通して、海の輝きは以前よりも美しく感じられ、
海を変わらず泳ぐイルカたちの姿には励まされ、
改めてこの世界はこんなに美しかったのかと、思わず胸が熱くなった。
当たり前が当たり前で無くなったとき、
人は初めてその「美しさ」を知ることができるのかもしれない。
ぜひ、この動画を通してその”美しさ”に触れてほしい。
(取材・文 ライター SALLiA)