次世代高速通信に対応した低誘電LCPパウダー「XYDAR(R) LF-31P」の販売開始
~世界最高レベルの誘電特性を示すパウダー状液晶ポリマーを開発~
当社(社長:大田 勝幸)はこの度、世界最高レベルの低誘電特性を有するパウダー状の液晶ポリマー(LCP)である「XYDAR(R) LF-31P」※1を商用化し、販売を開始しましたので、お知らせいたします。
近年、次世代通信技術の発展により、電子機器の半導体部品は小型化が進む一方で、通信量が増加していることから、電波などの信号が減衰する度合(伝送損失)を抑えた高効率な通信回路を確立することが求められています。そのため、LCPをはじめとする電子機器に使用される素材には、伝送損失を抑える要素である「誘電正接」※2の性能を高めることが要求されています。
今般販売を開始する「XYDAR(R) LF-31P」は平均粒径が5~7mの微細かつシャープな粒度分布が特徴のLCPです。機能面では、当社独自の技術・配合により低誘電正接の値がDf=0.0007という世界最高レベルの低誘電性を実現し、伝送損失を抑える高い効果が期待されます。さらに、高耐熱性および低吸水率を併せて持つことから、高速通信の電気電子材料として競争優位性を有しています。
ENEOSグループは2040年長期ビジョンにおいて、機能材事業を技術力の発展的強化を図る成長事業として位置付けており、その中でLCPは、加速するデータ社会への対応策として注力している領域です。当社は、今後も社会の発展につながる革新的な製品の提供を通じて、国連「SDGs(持続可能な開発目標)」の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」のゴールである、「強靱なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る」ことに貢献してまいります。
※1XYDAR(R)はSOLVAY SPECIALTY POLYMERS USA, LLCの登録商標です。
※2数値が低いほど高性能であることを示します。
以 上
低誘電LCPパウダー「XYDAR(R) LF-31P」