マラドーナは神様なんかじゃない~南米サッカージャーナリストが徹底取材『ディエゴを探して』刊行
~マラドーナに魅せられて1989年にブエノスアイレスに移り住んだジャーナリストが描く、 知られざる世界的スーパースターの素顔~
幼馴染、チームメイト、パーソナルトレーナー、ファンへの徹底取材で浮き彫りになる「人間マラドーナ」の実像とは
昨年逝去したサッカー界のレジェンド、元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナ(享年60)。天才的なプレーの一方、毀誉褒貶の激しい人生を送った彼の「本当の姿」を探るべく、恩師、幼馴染、チームメイト、パーソナルトレーナー、ファンに徹底取材した評伝『ディエゴを探して』がイースト・プレスから2021年7月17日に刊行されます。
著者の藤坂ガルシア千鶴さんは、マラドーナに魅せられ、ブエノスアイレスに移り住み、現在も南米サッカーを中心に取材を続けるサッカージャーナリストです。
ひとたびグラウンドを離れると「悪童」のイメージがつきまとうマラドーナですが、いまだ悲しみに暮れる母国アルゼンチンでは「サッカー選手としても素晴らしかったが、それよりも人として最高だった」という評価が圧倒的だといいます。
著者は、マラドーナがまだ「神」と呼ばれる前、1969 年(8 歳)から1976 年(15 歳)までの7 年間に着目。「天才児ディエゴ」がプロデビューして「マラドーナ」になる前の段階で、その後歩むことになる輝かしいキャリアの起点となった重要な時期であり、アルゼンチンの人々から狂信的に敬愛された理由にもつながる大切なステージだとして、丹念にその経歴を巡り、知られざるスーパースターのルーツをたどりました。
本書には「86 年メキシコW 杯」でもなく、「ボカ、バルサ、ナポリ時代」でもない、幼少期〜アルヘンティノス・ジュニオルス時代(〜1981 年)の知られざるエピソードが豊富に収められています。
緻密な取材から「人間ディエゴ」の実像を浮き彫りにした評伝となっています。
<目次>
第1部 「マラドーナ」以前のディエゴ
「小さな玉ねぎ軍団」に魅せられて/運命を変えた幼馴染/内気な少年が見せた奇跡/無敵のカテゴリア60/ロス・セボジータスの誕生/モヌメンタルを沈黙に陥れたゴラッソ/天才の脳/「カピタルの10 番を見たか?」/ふたつの過ち/ 「ここの土を持って帰ってもいいか?」/ 「裏切り者」に盗まれた神童
第2部 みんなのディエゴ
「ディエゴ」は誰のもの?/1枚の写真/金網越しのヒーロー/ラスカーノ通り2257番地の思い出/「真っ赤なフェラーリの夢を見た」/「マラ」と「ドーナ」に託した反逆の精神/俺の足は君のもの/ボケンセを救ったTシャツ/「この子には手を出すな!」
第3部 ディエゴは神なんかじゃない
母国の代弁者か、最も人間に近い神か?/「マラドーナなんか糞食らえ!」/美しき頭脳のリーダー/ディエゴは神なんかじゃない/「このユニフォーム、まだ欲しいかい?」/灰色の人生を捨てて
【書籍*『ディエゴを探して』情報】
●四六並224ページ
●定価(本体1,700円+税)
●2021年7月17日発売
●イースト・プレス刊行
【著者*藤坂ガルシア千鶴 プロフィール】
1968 年10 月31 日生まれ。78 年W 杯でサッカーに魅せられ、同大会で優勝したアルゼンチンに興味を抱き、その後マラドーナへの強い憧れからアルゼンチン行きを決意。89 年からアルゼンチンの首都ブエノスアイレスに暮らす。
大学在学中から「サッカーダイジェスト」誌にアルゼンチンサッカーの記事を寄稿し、その後30 年以上にわたってスポーツ紙や専門誌に南米サッカーの情報を送り続けている。
著書に『マラドーナ 新たなる闘い』(河出書房新社)、『ストライカーのつくり方』(講談社現代新書)、『キャプテン・メッシの挑戦』(朝日新聞出版)、訳書に『マラドーナ自伝』(幻冬舎)がある。