SRC自主調査の調査結果について  北海道胆振東部地震における 大規模停電などに関するアンケート

「北海道胆振東部地震」から1年 災害によるライフラインの停止、 生活支障と対応を振り返り、日頃の備えの確認を!

2018年(平成30年)9月6日の未明に発生した「北海道胆振東部地震」により、北海道内のほぼ全域にわたる大規模停電(ブラックアウト)が発生しました。
株式会社サーベイリサーチセンター(本社:東京都)では、地震発生から約1か月後の2018年(平成30年)10月5日~10月8日にかけて、札幌市内に居住するインターネットリサーチモニターを対象とした、災害発生から応急対応段階の生活支障の評価や対応について、アンケート(自主調査)を実施しました。
「北海道胆振東部地震」から1年という節目に、地震当時の札幌市民の皆さまの経験の縮図、生活の一端をとりまとめた本紙が、今後の災害への備えや心構えとして、少しでもお役に立つことができれば幸いです。

【料理】災害時の工夫

調査結果の詳細

調査結果のポイント

【1】地震と概況
(1)地震発生時刻が午前3時台であるため、回答者のほとんどが自宅内におり、就寝していた
(2)とっさの行動では、「その場で様子をみた」、「テレビ・ラジオで地震情報を知ろうとした」、「家族や周りの人に声をかけた」が多く、慌てて屋外へ飛び出すなどの行為はほとんどなかった
(3)停電は、揺れの最中を含め揺れの収まりから10分程度の間に回答者の8割近くが「停電した」と回答

【2】生活支障について(日常生活の回復)
(1)生活支障からの回復で、特に時間を要したのは【洗濯】【入浴】で、工夫や対応にも困難があった
(2)【料理】や【通信】は、地震当日には半数以上がふだんどおりにできず、特に【通信】の支障度は高い
(3)【料理】や【通信】が、ふだんどおりできない期間の工夫・機転などについて具体的に自由記述式で答えてもらった。具体的な意見内容の分析は、弊社ホームページの「自主調査レポート」に詳しく掲載している

まとめ

(1)本調査は、札幌市内のインターネットモニターへの調査であり、この地震によって避難所等への避難を経験した人は約2%と少ないことから、地震以後の、都市部の一般的な在宅避難生活の様子を切り取ったものといえる
(2)ライフラインは、地震発生当日(9月6日)中の復旧が、電気=28.5%、水道=31.2%、ガス=40.8%となっているが、いずれも回答者の9割以上の復旧に到達したのは9月8日である。まず、最低3日間は「生活支障に耐えうる備え」を実践することが大切
(3)断水や停電に対して、日常の買い置きや在庫の食材をうまく用いて、電気炊飯器の代わりにガスで炊飯するなどの工夫や、ペットボトルの水の活用、洗い物を減らす工夫などがみられた。特に、「在庫食材の活用(半ば意図的な備蓄)」は、ふだんづかいの食材を、少し多めに用意するだけで、無理なく「災害時の食」に対応する手段として有効
(4)停電が長期化すると、日没後の作業や夕食は大変である。「明るいうちに、料理・食事・後片付けを済ませる」という対応も大切
(5)通信への対応に困った人が多かった(昨今は、スマートフォンへの依存度が高い)。それだけに頼らない多様な手段や工夫(ラジオ、自身の足で情報を得る・伝達するなど)を、ふだんから用いる習慣が大切
(6)災害時には【通信】がフォーカスされがちだが、本調査では生活支障の度合いは【洗濯】【入浴】が【通信】より高く、洗濯できない環境での工夫、身体の清潔を保つ工夫も、災害時の生活では重要
(7)こうした経験を踏まえて、日常の備えとして有効だったことを継続する習慣や、当時、不足や失敗したこと等を、課題として、対応のバージョンアップを図ることは、災害への備えとして大切
(8)あくまで「今回の経験」である、という考え方も大切。地震や被害の大きさ、時間帯、発災時の居場所などによって、状況が大きく変化することにも注意が必要

調査概要

・調査地域:北海道札幌市内
・調査対象:札幌市内に居住する20歳以上男女(かつ地震発生当時に札幌市内にいた人)
・調査方法:インターネット調査(インターネットリサーチモニターに対するクローズド調査)
・調査内容:地震発生時の状況/ライフラインの状況/停電の影響/日常生活の回復状況/
      「料理」がふだんどおりできない期間に工夫・機転で対応できたこと(自由記述)/
      「通信」がふだんどおりできない期間に工夫・機転で対応できたこと(自由記述)など
・有効回答:1,000サンプル
・調査期間:2018年(平成30年)10月5日(金)~10月8日(月)

実施体制

・調査主体 :株式会社サーベイリサーチセンター
       SRC情報総合研究所
・監修・協力:東北大学災害科学国際研究所
       准教授 佐藤 翔輔

会社概要

・会社名 :株式会社サーベイリサーチセンター
・所在地 :東京都荒川区西日暮里2丁目40番10号
・設立  :1975(昭和50)年2月
・資本金 :6,000万円
・年商  :70億円(2018(平成30)年度)
・代表者 :代表取締役 藤澤 士朗、長尾 健、石川 俊之
・社員数 :社員253名、契約スタッフ496名 合計749名(2019年3月1日現在)
・事業所 :東京(本社)、札幌、盛岡、仙台、静岡、名古屋、大阪、
      岡山、広島、高松、福岡、熊本、那覇
・主要事業:世論調査・行政計画策定支援、都市・交通計画調査、
      マーケティング・リサーチ
・所属団体:公益財団法人日本世論調査協会
      一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)
      日本災害情報学会
      一般社団法人交通工学研究会 他
・その他 :ISO9001認証取得(2000年6月)
      プライバシーマーク付与認定(2000年12月)
      ISO20252認証取得(2010年10月)
      ISO27001認証取得(2015年11月)※
      ※認証区分及び認証範囲:
       ・MR部が実施するインターネットリサーチサービスの企画及び提供
       ・全国ネットワーク部が実施する世論・市場調査サービスの企画及び提供

本件に関するお問合せ先

株式会社サーベイリサーチセンター https://www.surece.co.jp/
●広報担当:松下 正人
E-mail: src_support@surece.co.jp
品質部
TEL:03-3802-6779
FAX:03-3802-6729

●調査担当:岩崎 雅宏
E-mail: iwa_m@surece.co.jp
営業企画本部
TEL:03-3802-6727
FAX:03-3802-7321

【通信】災害時の工夫
【料理】ネットワーク図
【通信】ネットワーク図
生活支障の回復時期
生活支障への対応評価
地震発生時の行動
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