宮崎県都農町、NTT東日本・西日本と多分野連携協定を締結

――好適環境水で交雑種「クエタマ」を陸上養殖へ

協定書を手にする(左から)NTT東日本の小林・産学官連携担当部長、平野学長、河野町長、NTT西日本の古嶋・宮崎支店ビジネス営業部副本部長=都農町の一の宮交流館で
協定書を手にする(左から)NTT東日本の小林・産学官連携担当部長、平野学長、河野町長、NTT西日本の古嶋・宮崎支店ビジネス営業部副本部長=都農町の一の宮交流館で

 岡山理科大学は12月23日、宮崎県都農(つの)町、NTT東日本・西日本と多分野連携に関する協定を締結しました。来春から好適環境水による新たな交雑ハタの陸上養殖をスタートするのをはじめ、4者が協力して再生可能エネルギーの活用・推進、地域創生、人材育成などに取り組みます。同町内にワイナリーがあることから、理大ワイン発酵科学センターとの連携も視野に入れています。

 陸上養殖プロジェクトは、既に理大とNTT東日本、福島市の「株式会社いちい」の3者で今年1月からスタート。こちらの魚種はベニザケで、理大の好適環境水・養殖ノウハウと養殖プラントシステム、NTT 東日本グループの ICT を組み合わせることで、生育速度の向上、生産に関わる作業の効率化・最適化・自動化、陸上養殖に最適な設備構築を検討・実証作業に取り組んでいます。水揚げ後の加工・流通・販売における評価も福島県内の「いちい」店舗での販売を通じて実施、ビジネス化に向けた評価・検討を行っており、来春には初出荷の見通しです。

2025年度から本格生産スタート

 都農町で養殖するのは高級魚・クエと、同じハタ科で成長が早く最大で3メートル近くにもなるタマカイの交雑種で通称「クエタマ」。養殖場は町内に新設し、第1段階の試験養殖を2基の10トン水槽でスタート。第2段階で町中心部の工場跡地約3000平方メートルの土地に35トン水槽2基など80トン規模の水槽などの施設を設置し、2025年度から本格的に生産を開始する予定です。養殖に関わる人材の育成・確保にも理大が協力します。

 この日、町内で行われた協定締結式には河野正和町長、理大の平野博之学長、片寄茂夫・事務局長、山本俊政・工学部応用化学科准教授、NTT東日本ビジネスイノベーション本部地方創生推進部の小林弘高・産学官連携担当部長、NTT西日本宮崎支店ビジネス営業部の古嶋意範・副本部長らが出席。代表者が協定書に署名しました。

「養殖・加工・販売までのシステム構築めざす」と河野町長

 協定締結後、あいさつに立った河野町長は「養殖、加工、販売というシステムを構築することが大きな目的。ふるさと納税の寄付金も活用したいと思っているので、『都農モデル』を構築して、全国の自治体にそれを還元していきたい。全国の自治体がみんなで元気になれたらいいと思っている」と期待を込めました。
 同町はこの事業を「水産業夢未来プロジェクト」と名付けました。生産品は、ふるさと納税の返礼品にも活用する予定です。

平野学長「全国の手本となる多分野連携に」

 一方、平野学長は「陸上養殖だけでなく、都農ワイナリーと本学のワイン発酵科学センターとの連携が進められるのではないか。また、再生可能エネルギーについても専門教員が、その利活用に関して研究協力できると考えている」と幅広い連携を強調。「地方の大学が存在価値を見出すためには地域の課題解決、人材育成をおいてほかにないと指摘されている。今回の多分野の連携が全国の手本になるように、全学を挙げて応援していきたいと思っている」と述べました。


協定の主な内容は以下の通りです。

➀陸上養殖及び関連事業の推進に関すること
②再生可能エネルギーの活用・推進に関すること
③地域創生に関すること
④地域人材の育成・教育に関すること
⑤その他、多分野連携に資する取り組みに関すること
協定書に署名する河野町長
協定書に署名する河野町長
協定書に署名する平野学長
協定書に署名する平野学長
「養殖・加工・販売までのシステム構築めざす」と期待を込める河野町長
「養殖・加工・販売までのシステム構築めざす」と期待を込める河野町長
「全国の手本となる多分野連携に」と話す平野学長
「全国の手本となる多分野連携に」と話す平野学長
報道陣の質問に答える山本准教授
報道陣の質問に答える山本准教授
10トン水槽を2基備えて来春から稼働する試験養殖場
10トン水槽を2基備えて来春から稼働する試験養殖場
「水産業夢未来プロジェクト」のイメージ図
「水産業夢未来プロジェクト」のイメージ図

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