【年末年始、ごちそうが多くなる時期に知っておきたい!】そもそも糖質の摂り過ぎってなぜダメ?
年末年始は、クリスマスチキンにおせちにお餅...と美味しいものを食べる機会がいっぱい。
毎年この時期は、ついつい食べ過ぎてしまうという方も多いのではないでしょうか。
そして美味しいものには、糖質がたくさん含まれていることも多々あります。
「糖質の摂り過ぎはよくない」と頭では分かっていても、食べる手を止められないのは、それがなぜよくないのかを正しく理解していないからかもしれません。
そこで今回は、 医学博士・内科医である山下あきこ氏の著書『死ぬまで若々しく元気に生きるための 賢い食べ方 医者が教える「糖質依存」がなくなる本』http://www.asa21.com/book/b611348.html、。より糖質依存が身体と心にもたらす影響について解説します
※以下、本書より抜粋編集
糖質依存が身体と心にもたらす変化①肥満
言うまでもなく、活動量に対して摂取する糖質が多すぎると太ります。
それも、太っていながら栄養失調になっている人が多くいます。
以前、私が診療に当たっていたある患者さんは、心の問題で働くことができず、限られたお金で買う食材は、ほとんど白米でした。
診療の中で、「卵でタンパク質を摂取しては?」といった提案をしていきましたが、なかなかうまく行きませんでした。
その方は、見た目は太っていましたが、血液検査をするとひどい栄養失調で、タンパク質、ミネラル、ビタミンの不足はひどいものでした。
何とか改善しなければと考えていた矢先に、風邪から肺炎、敗血症を引き起こし、亡くなってしまいました。
追い詰められた状態の人ほど、手軽に食べられるのは糖質ばかりになってしまいがちなのです。
糖質依存が身体と心にもたらす変化②高中性脂肪血症、脂肪肝
健康診断結果を見ると、脂質という項目があり、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪などの数値が記されていると思います。
この項目の数値が高いのは脂質の食べ過ぎと考えてしまいがちですが、原因の多くが、糖質の摂り過ぎ、またはアルコール類の飲み過ぎです。
中性脂肪が高い人は、「私は甘いものもお酒も好きじゃないから、体質のせいだと思います」とおっしゃることがありますが、一度、1日の食事を見直されることをお勧めします。
夜食にラーメンやスナックを食べていたり、ご飯をお代わりしていたり、仕事の合間にお菓子をつまんだり、缶コーヒーを飲んだり、トータルすると結構な糖質を摂っていることもあるのです。
糖質依存が身体と心にもたらす変化③糖尿病
糖質の摂り過ぎが糖尿病につながることは、よく知られていると思います。
糖質を毎日たくさん摂っていると、血糖値が上がり、それを下げるためのインスリンが分泌されます。
インスリンは、脂肪の燃焼を妨げ、脂肪細胞の代謝を悪くします。
脂肪細胞から出ているホルモンには空腹をもたらすグレリンや、満腹を感じさせるレプチンがあるので、インスリンが過剰に分泌されると、食欲をコントロールできなくなり、ますます糖質を摂るようになってしまうのです。
もともと持っている遺伝子の問題や、他にもいろいろな要素が絡んできますが、糖質の摂り過ぎが糖尿病の発症や悪化を引き起こすことは間違いありません。
糖質依存が身体と心にもたらす変化④頭痛
慢性頭痛、特に片頭痛を持っている人には、甘いものをよく食べるという人が多くいます。
これは、糖質依存に大いに関係があるのです。
糖質依存で頭痛に悩んでいる人に共通することとして、鉄分不足が挙げられます。
鉄分不足のため、糖質を使う別の回路でエネルギーを作らなければならず、常に糖質を欲する状況ができてしまうのです。
糖質を摂ると血糖値が上がって、その後下がります。
精製された砂糖は特に血糖値を急速に上げるのですが、急に上がった分だけ急に下がります。
この、急に下がる時に起こる症状が、頭痛です。
頭痛以外にもめまいや立ちくらみ、冷や汗、しびれなどの症状が起こることがあります。
糖質の摂り過ぎで脂肪肝になっている人は、身体のあちこちの臓器で炎症が起こるため、それが頭痛になることもあります。
糖質依存が身体と心にもたらす変化⑤疲労
疲労も糖質依存と鉄分不足がセットになって起こりやすい症状です。
鉄が不足して貧血になっていると、鉄を利用して酸素を運んでいる赤血球が足りなくなるので、体に十分なエネルギーが行き渡りません。
そして糖質の摂り過ぎでインスリンが過剰に分泌されると、今度は血糖値が下がり過ぎないように、血糖を上げるホルモンが頑張り始めます。
血糖を下げるホルモンはインスリンしかありませんが、上げるホルモンはたくさんあります。
その中の1つであるコルチゾールは、痛みや疲れをより強く感じさせるような働きがあります。
体にストレスがあることを早めに知らせてくれる役割を持っているのです。コルチゾールを必要以上に分泌させなければ、疲れを感じることなく元気に過ごすことができます。
つまり糖質を摂り過ぎてインスリンを過剰に分泌させなければ、コルチゾールの出番もないわけです。
糖質の摂り過ぎに気をつけて、食事を楽しもう
今挙げたほかにも、糖質が健康に及ぼす悪しき影響はいろいろあります。
逆に言えば、糖質依存からの脱却により、心身のコンディションを整えることも容易になります。
糖質との上手な関わり方を習慣にして、新年からも元気に過ごしましょう!
著者プロフィール
山下あきこ(やました・あきこ)
医学博士、内科医、神経内科専門医、抗加齢医学専門医。
1974年佐賀県生まれ。1999年川崎医科大学卒業、2001年~福岡大学病院脳神経内科勤務、2005年~フロリダ州メイヨークリニックジャクソンビル神経内科留学、2007年~佐賀県如水会今村病院神経内科医長などを経て、病気を治すより、人々が健康づくりを楽しむ社会を目指し、2016年に株式会社マインドフルヘルスを設立。アンチエイジング医学、脳科学、マインドフルネス、コーチングを取り入れたセミナー、企業研修、個人健康コンサルティング等を行っている。自分自身の習慣作りと人に伝える活動ができるマインドフル・ライフコーチの講座が好評。「ZIP!」「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)など、メディア出演も多い。
書籍情報
タイトル:死ぬまで若々しく元気に生きるための賢い食べ方 医者が教える「糖質依存」がなくなる本
著者:山下あきこ
ページ数:240ページ
価格:1,430円(10%税込)
発行日:2022年10月14日
ISBN:978-4-86667-407-0
書籍紹介ページ:http://www.asa21.com/book/b611348.html
amazon:https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866674075/asapublcoltd-22/
楽天:https://books.rakuten.co.jp/rb/17248141/?l-id=search-c-item-text-01
目次
はじめに
CHAPTER1 糖質は人を変えてしまう
CHAPTER2 糖質依存はこうして作られる
CHAPTER3 糖質依存を手放したら得られるメリット
CHAPTER4 糖質に依存しない脳の作り方
CHAPTER5 21日間の脱おやつチャレンジ
お勧めのサポートツール
おわりに