春の新生活、職場でのネイルのオシャレはどこまで許される? 日本ネイリスト協会が、業種別に意識調査を実施
NPO法人日本ネイリスト協会(略称:JNA、東京都千代田区/理事長:瀧川晃一)では、女性職員のネイルのオシャレについて、どの程度までなら職場で問題がないか、各業種で働く男女2619人を対象にした意識調査を実施、以下の通り結果をまとめました。
JNAでは今後、こうした調査の結果を基に「業種・職種別ネイルに対するガイドライン」を作成し、女性が就職・転職をする際の目安として利用していただくことができればと考えています。
職場でのネイルのオシャレに関するアンケート調査
調査概要
調査対象:20歳以上の男女(有効回答数2619人/男性:1335人 女性:1284人)
調査時期:2018年3月22~27日
調査方法:ネットアンケート
調査用ネイルサンプル
調査結果概要
●「職場でネイルのオシャレをすることが認められていない」という業種でも、「1 ごく薄い色」「2 肌に馴染む色」は多くの人が「問題なし」と回答、ナチュラルなものなら「身だしなみ」の範疇と捉えられている
●「3 フレンチネイル」よりも「4 グラデーション」の方が受け入れられる傾向
●官公庁・自治体でも、全体平均とほぼ同等に認められている
●製造業は比較的寛容。特にバックオフィスでは「ストーン多め」も過半数が「問題なし」
●飲食業、流通・小売業、医療関連業は全体的に厳しい傾向。特に飲食業では「ごく薄い色」でも「問題なし」は65.5%に止まった
職場でのネイルアートは「オシャレ」ではなく、「身だしなみ」としてならOK
「あなたの職場では女性社員のネイルのオシャレが認められていますか?」の質問に対し、「はい」36.1%、「いいえ」35.5%と、ほぼ半々の結果が出ました。
業界別に「はい(認められている)」の割合を見ると、「ファッション・アパレル・繊維(75.8%)」「理美容(72.7%)」などファッション関連や、「メディア・エンターテインメント(69.2%)」といった流行に敏感な業種で高くなっているのに対し、衛生面を重視する「飲食業(15.0%)」「医療(15.1%)」「介護・福祉サービス(17.4%)」は低い数字に止まっています。
「流通・小売業(27.1%)」が平均値に比べ10ポイント近く低いのは、接客時、社員個人のネイルアートに自社の印象を委ねることのリスクを考えて企業側が認めていないということかもしれません。
一方、「女性社員がネイルのオシャレを施す場合、どの程度なら問題ないと考えますか?」という質問では、多くの業種で「ごく薄い色」「肌に馴染む色」が「問題ない」と捉えられています。
つまりネイルのオシャレそのものを禁じているというよりも、派手な印象を与えない「身だしなみ」の範疇として考えられるものであれば許容されているということになります。
業種別「はい」の割合
ファッション・アパレル・繊維 75.8%
理美容 72.2%
メディア・エンターテインメント 69.2%
情報・通信・IT関連 56.8%
広告・出版・印刷 56.0%
土木・建設業 48.4%
不動産業 48.2%
インフラ(電気・ガス・水道) 47.8%
金融・保険 45.7%
学術研究・技術サービス 44.8%
農業・林業・漁業 44.0%
総合商社・専門商社 42.3%
その他サービス 39.4%
会計・法律系専門 38.5%
教育・人材サービス 38.3%
製造 37.6%
娯楽・アミューズメント 37.5%
園芸 33.3%
運輸・物流 32.4%
その他 30.3%
流通・小売業 27.1%
ヘルスケア 25.0%
官公庁・自治体 25.0%
宿泊業 20.0%
介護・福祉サービス 17.4%
医療 15.1%
飲食業(外食産業) 15.0%
グラデーションまで「問題ない」が過半数、ラメラインやストーンはNG
Q あなたの職場で、女性社員がネイルのオシャレを施す場合、どの程度なら問題ないと考えますか?
回答者全体(N=2619)
「1 ごく薄い色(89.0%)」「2 肌に馴染む色(81.5%」」は、先述の通り「身だしなみ」の範疇と捉えられ、「ネイルのオシャレが認められていない」という業種でも許容範囲に。
オシャレとしてやや目立つ「3 フレンチネイル(64.3%)」よりは、控えめな「4 グラデーション(66.0%)」の方を許容する、「8 ストーン多(31.1%)」より「ストーン無し絵柄アート(32.4%)」を許容する傾向は多くの業種に共通しています。
自治体・官公庁(N=80)
「官公庁・自治体」での調査結果は、「5 グラデにラメライン(37.5%)」以降がやや低いことを除けば、全体回答とほぼ同じラインを描いています。「お役所は堅い」と思われがちですが、ネイルに関しては平均的だと言えそうです。
バックオフィスとフロント、”現場”の差が大きい業種も
Q あなたの職場で、女性社員がネイルのオシャレを施す場合、どの程度なら問題ないと考えますか?
製造(N=354)
今回調査した中でもネイルのオシャレに比較的寛容だった製造業を、さらに職種別に調べてみたのが、次のグラフです。
管理・総務・人事などの事務系職種や、デスクワーク中心の専門・技術職では、「8 ストーン多」でも40.0%前後が「問題ない」と回答しています。
一方、工場などのいわゆる“現場”は、どのネイルも事務系職を大きく下回り、「8 ストーン多」では12.8~16.1ポイント差、「7 ストーン少」では22.7~23.6ポイント差、「5 グラデにラメライン」では22.4~23.7ポイント差と、いずれも大きな開きがあるという結果になっています。
工場などではネイルの塗膜やストーンが、製品やラインに混入しないようにする安全意識が、この結果につながっていると考えられます。
製造業 職種別回答(N=338)
Q あなたの職場で、女性社員がネイルのオシャレを施す場合、どの程度なら問題ないと考えますか?
情報・通信・IT関連(N=146)
金融・保険(N=105)
運輸・物流(N=148)
ネイルアートに比較的寛容だった3業種をピックアップしました。「運輸・物流」は「製造」とは逆に、事務職よりも“現場”(乗務員や倉庫業務などと考えられます)での自由度が高いため、全体的に寛容な結果となっていると考えられます。
飲食業(外食産業)(N=105)
医療(N=152)
流通・小売業(N=229)
こちらはネイルアートに厳しい反応を示した3業種です。
特に「飲食業(外食産業)」は、他の多くの業種の80~90%が「問題ない」としている「ごく薄い色」も、認める人は65.5%に止まっています。
「流通・小売業」は、顧客との接点が多い営業系業務での自由度が低いため、全体としては「ネイルに厳しい業種」の印象となりました。
自然で身だしなみの一環として捉えられるレベルであれば、女性のネイルは多くの業種で許容されているようですが、フレンチネイルやラメラインなどのアートは受け入れられにくいのが現状です。
春から新社会人となる方、別業界に転職される方は、まず身だしなみとして、控えめなネイルで出社して、徐々に個性を出していくことをお奨めします。
「プライベートぐらいは凝ったネイルアートを施したい」と考えている方は、オンとオフをしっかりと区別して、長期休暇に合わせてにネイルサロンを予約するか、簡単に取り外しができるチップ(つけ爪)を利用するなど、工夫しながらネイルライフを楽しんでください。
NPO法人 日本ネイリスト協会とは
日本における健全なネイル産業の発展を目的として、1985年に設立。
ネイルに関する資格・認定事業、世界最大級のネイルイベント「東京ネイルエキスポ」の実施などを通して、ネイルの普及とネイリストの技術および地位向上に努めています。
日本ネイリスト協会 HP: http://www.nail.or.jp
安心・安全な指先のお手入れができるJNA認定のネイルサロンは、ピンクのマークが目印です。(JNA認定ネイルサロンマーク)
JNA認定ネイルサロン検索はこちらから http://www.nail.jp