タニタ調べ マスク着用時にマスクによる暑さで 具合が悪くなったことがある “マスク熱中症経験者”は3割、10代では4割半
~熱中症に関する意識・実態調査2021~
健康総合企業のタニタは、インターネットリサーチで「熱中症に関する意識・実態調査2021」を実施し、その集計結果を公開しました。この調査は2021年6月29日―7月1日の3日間、全国の15歳以上の男女(1,000名)を対象に行ったものです。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)
[調査結果]
第1章 熱中症の危険性に対する意識と“暑さ指数(WBGT)”・“熱中症警戒アラート”に対する認知
■ウィズコロナを見据えた段階的な活動再開が影響か? 屋外での活動中に熱中症を意識する人が昨年より増加
全国の15歳以上の男女1,000名(全回答者)に、熱中症を意識するのはどのようなときか聞いたところ、「屋外でスポーツ・運動をしているとき」(41.4%)が最も高く、次いで、「屋外のイベント(フェスなど)に参加しているとき」(28.1%)、「屋外(公園、遊園地、プール・海など)で遊んでいるとき」(25.8%)、「屋内でスポーツ・運動をしているとき」(20.5%)、「スポーツ観戦をしているとき」(18.4%)となりました。
昨年(2020年)の調査結果と比較すると、「屋外でスポーツ・運動をしているとき」は3.2ポイント上昇(2020年38.2%、2021年41.4%)、「屋外(公園、遊園地、プール・海など)で遊んでいるとき」は3.6ポイント上昇(2020年22.2%、2021年25.8%)しました。ウィズコロナ時代を見据えて、屋外での活動が段階的に再開され、屋外での活動中に熱中症を意識する人が増えたのではないでしょうか。
一方、「スポーツ観戦をしているとき」は4.2ポイント下降(2020年22.6%、2021年18.4%)、「通勤・通学のとき」は4.1ポイント下降(2020年19.5%、2021年15.4%)、「職場・学校にいるとき」は5.1ポイント下降(2020年17.1%、2021年12.0%)しました。新型コロナウイルス感染症拡大に伴うスタジアム等の入場制限の実施や、テレワーク・オンライン授業の推進によって、移動中や外出先における屋内での活動中に熱中症を意識する人は減ったと考えられます。
■熱中症を意識するようになったきっかけ 「熱中症に関するニュースを見た」が45.5%と、昨年から4.8ポイント上昇
熱中症を意識することがある人(794名)に、熱中症を意識するようになったきっかけを聞いたところ、「熱中症に関するニュースを見た」(45.5%)が最も高くなりました。続いて、「昨年の夏が酷暑だった」(36.8%)、「熱中症に関する注意を呼びかけられた」(20.8%)、「新しい生活様式での熱中症が話題になっていた」(18.3%)、「自身が熱中症になった」(15.0%)となっています。
昨年(2020年)の調査結果と比較すると、「熱中症に関するニュースを見た」は4.8ポイントの上昇(2020年40.7%、2021年45.5%)となりました。コロナ禍でのマスク熱中症に対する警鐘など、熱中症関連の報道やニュースを見聞きした人が増えたのではないでしょうか。
暑さ指数(WBGT)の認知率は48.4%と、昨年から2.6ポイント、一昨年から6.4ポイント上昇
熱中症警戒アラートの認知率は63.0%、昨年先行実施された関東・甲信エリアでは68.6%
熱中症の危険度を判断する際に活用する情報について質問しました。
暑さ指数(WBGT)は、気温・湿度・輻射熱を取り入れた指標で、熱中症を予防する目的で考案されました。この暑さ指数(WBGT)について、どのくらいの人が知っているのでしょうか。
まず、全回答者(1,000名)に、暑さ指数(WBGT)を知っていたか聞いたところ、「知らなかった」は51.6%となったのに対し、「名前は聞いたことがあった」は36.8%、「どのような指標か知っていた」は11.6%で、認知率は48.4%となりました。
過去の調査結果と比較すると、認知率は上昇傾向(2019年42.0%、2020年45.8%、2021年48.4%)がみられましたが、その意味まで知っている人の割合は横ばいで推移(2019年11.8%、2020年12.2%、2021年11.6%)しています。
また、熱中症警戒アラートを知っていたか聞いたところ、「知らなかった」は37.0%となったのに対し、「名前は聞いたことがあった」は47.1%、「どのようなものか知っていた」は15.9%で、認知率は63.0%となりました。熱中症警戒アラートは、暑さ指数(WBGT)を基準とし、熱中症の危険が極めて高い暑熱環境が予測される場合に、危険な暑さへの注意を呼びかけ、熱中症予防の行動をとるよう促すために、環境省と気象庁が公開している情報です。昨年7月1日から関東甲信地方の1都8県を対象に先行実施され、今年の4月28日から全国での運用が始まりました。
居住エリア別に認知率をみると、昨年先行実施された地域である関東・甲信(68.6%)が最も高くなりました。
熱中症にならないために気にしているもの
屋内・屋外ともに「気温」が最多、「熱中症警戒アラート」や「暑さ指数(WBGT)」は1割未満にとどまる
熱中症の危険度を判断するための情報源 「テレビの天気予報」約7割、「熱中症警戒アラート」1割
次に、熱中症にならないために気にしている(注意を払っている)ものを聞いたところ、≪屋内にいるとき≫では「気温」(59.8%)が最も高く、次いで、「自身の体調」(41.4%)、「天気(晴れ・曇り・雨など、気温や湿度を除く)」(37.5%)となりました。一方、「熱中症警戒アラート」(7.3%)や「輻射熱(地面や壁からの照り返し)」(4.5%)、「暑さ指数(WBGT)」(4.0%)は1割を下回る結果となっています。
≪屋外にいるとき≫では「気温」(62.7%)が最も高く、次いで、「天気(晴れ・曇り・雨など、気温や湿度を除く)」(53.1%)、「日差し」(51.8%)となりましたが、「熱中症警戒アラート」(9.6%)や「暑さ指数(WBGT)」(5.9%)に注意を払っている人は少数となりました。
昨年(2020年)の調査結果と比較すると、「暑さ指数(WBGT)」を気にしている割合は、≪屋内にいるとき≫では3.3ポイント下降(2020年7.3%、2021年4.0%)、≪屋外にいるとき≫では2.1ポイント下降(2020年8.0%、2021年5.9%)しました。今年4月全国的に運用開始した「熱中症警戒アラート」に注目が集まる中、その基準となる「暑さ指数(WBGT)」への注目度は低下したようです。
次に、全回答者(1,000名)に、どのような情報から熱中症の危険度(その日の熱中症のなりやすさ)を判断しているか聞いたところ、「テレビの天気予報」(67.8%)が最も高く、次いで、「天気予報サイト(アプリ含む)」(21.0%)、「ポータルサイトの天気情報(アプリ含む)」(19.2%)、「身の回りの計測器(温度計、温湿度計、熱中症計など)」(13.4%)、「熱中症警戒アラート」(10.5%)となりました。
「熱中症警戒アラート」では、熱中症への注意を促す呼びかけとともに、対象都道府県内の観測地点毎の暑さ指数(WBGT)の予測値や予想最高気温の値、具体的に取るべき熱中症予防行動が併せて発表されます。今年(2021年)の調査で初めて聴取した「熱中症警戒アラート」を、熱中症の危険度を判断する情報として挙げた人は1割にとどまる結果となりました。熱中症対策の実効性を高めるためには、一人ひとりがこれらの発表内容を有効活用し、徹底した熱中症予防を実践することが大切だと考えます。
「マスク着用により熱中症のリスクが高まること」認知率は8割半
■「新しい生活様式では“適宜マスクをはずすこと”が熱中症予防のポイントになっていること」認知率は64.9%、昨年から10.7ポイント上昇
■「“暑熱順化”が足りないと、熱中症のリスクが高まること」を知っている人は昨年より増加し、全体の7割半に
全回答者(1,000名)に、熱中症予防や熱中症のなりやすさなど、熱中症に関する情報の認知状況について聞きました。
熱中症予防に関して聞いたところ、≪マスク着用により熱中症のリスクが高まること≫では「知っていた」(以下、認知率)は83.8%、「知らなかった」は16.2%となりました。大多数の人が、マスク着用と熱中症のリスクの関係について知っているようです。
≪新しい生活様式では“適宜マスクをはずすこと”が熱中症予防のポイントのひとつになっていること≫では認知率は64.9%、「知らなかった」は35.1%となりました。
昨年(2020年)の調査結果と比較すると、認知率は10.7ポイントの大幅上昇(2020年54.2%、2021年64.9%)となりました。“新しい生活様式”では、基本的な感染症対策としてマスクの着用が挙げられています。しかし、高温や多湿の環境でマスクを着用すると、呼吸数や体感温度の上昇などの負担がからだにかかり、熱中症のリスクが高まります。そのため、屋外にいる場合や、フィジカル・ディスタンスが保たれている場合は適宜マスクをはずすことが推奨されています。
このことを認知している人は昨年より大幅に増加しました。
熱中症のなりやすさに関して聞いたところ、≪暑さに慣れていないと熱中症になりやすいこと≫についての認知率は76.5%、≪肥満だと熱中症になりやすいこと≫では37.8%、≪乳幼児は熱中症になりやすいこと≫では53.7%、≪高齢者は熱中症になりやすいこと≫では74.5%となりました。
昨年(2020年)の調査結果と比較すると、認知率は、≪暑さに慣れていないと熱中症になりやすいこと≫では6.3ポイント上昇(2020年70.2%、2021年76.5%)しました。徐々に暑さに慣れる“暑熱順化”が足りないと、熱中症のリスクが高まります。暑熱順化と熱中症リスクの関係性を認知している人は増加しました。そのほか、≪肥満だと熱中症になりやすいこと≫では1.4ポイント上昇(2020年36.4%、2021年37.8%)、≪乳幼児は熱中症になりやすいこと≫では3.3ポイント上昇(2020年50.4%、2021年53.7%)、≪高齢者は熱中症になりやすいこと≫では1.1ポイント上昇(2020年73.4%、2021年74.5%)しました。
第2章 熱中症の症状と熱中症対策
■「熱中症になったという自覚がある」は26.3%、10代女性では41.0%と昨年から19.3ポイント上昇
コロナ禍による外出自粛の影響か? 「自宅」で熱中症になる割合が年々上昇
熱中症の経験について質問しました。
全回答者(1,000名)に、自身が熱中症になったことがあるか聞いたところ、「ある」は26.3%、「ない」は73.7%となりました。“熱中症になった”という自覚がある人は4人に1人となりました。
性年代別にみると、熱中症になったという自覚がある人の割合は、10代女性(41.0%)が最も高く、次いで、40代男性(33.3%)、20代女性(31.3%)でした。
昨年(2020年)の調査結果と比較すると、熱中症になったことがある人の割合は多くの層で上昇しており、10代女性では19.3ポイント上昇(2020年21.7%、2021年41.0%)と最も大きな上昇幅になりました。
熱中症になったことがある人(263名)に、2年前・昨年・今年のそれぞれについて、熱中症になったのはどこにいるときか聞きました。
2年前に熱中症になった人・昨年熱中症になった人・今年熱中症になった人の結果をみると、【2年前】・【昨年】・【今年】のいずれにおいても「屋外」(2年前56.8%、昨年56.9%、今年48.2%)が最も高く、次いで、「室内(自宅除く)」(2年前25.3%、昨年26.6%、今年32.1%)、「自宅」(2年前13.0%、昨年18.3%、今年21.4%)となりました。
経年で比較してみると、「自宅」は2年前13.0%、昨年18.3%、今年21.4%と、直近2年間で上昇していることがわかりました。新型コロナウイルス感染症の拡大防止に伴う外出自粛要請を受けて自宅にいる時間が増えたため、自宅で熱中症になる割合が増加傾向となっていることが明らかとなりました。
「暑さによって引き起こされたからだの不調を自覚したことがある」7割強、10代女性では8割半
■その症状、実は熱中症かも?「熱中症の自覚がなくても熱中症が疑われる症状を経験した」熱中症になった自覚がない人の6割強
では、暑さによって何らかの不調を経験したことがある人はどのくらいいるのでしょうか。
全回答者(1,000名)に、“暑さによって引き起こされたからだの不調”を自覚したことがあるか聞いたところ、「ある」は71.1%となりました。
“熱中症になった”という自覚がある人は2割半にとどまった一方で、暑さで不調を感じた経験がある人は7割強にのぼる結果となりました。
性年代別にみると、10代女性(85.5%)が最も高く、次いで30代女性(81.0%)、40代女性(78.6%)の割合が高くなりました。
熱中症になったことがないと回答した人(737名)に、“暑さによって引き起こされたからだの不調”で自覚したことがあるものを聞いたところ、「めまい・立ちくらみ」(33.8%)が最も高く、次いで、「顔のほてり」(26.2%)、「からだのだるさ」(24.7%)、「喉の異常な渇き」(22.0%)、「頭痛」(18.6%)となり、熱中症の症状にあてはまる何らかの不調を自覚したことがある人の割合は62.1%でした。“熱中症になった”という自覚がなくても、実際は熱中症が疑われる何らかの不調を経験した人は6割強となりました。熱中症の重症化を防ぐために、熱中症により引き起こされる症状を正しく理解し、適切な処置を講じることが重要です。
■マスク着用時にマスクによる暑さで具合が悪くなったことがある“マスク熱中症経験者”は3割、10代では4割半
全回答者(1,000名)に、マスク着用時にマスクによる暑さで具合が悪くなったことはあるか聞いたところ、「ある」は30.6%、「ない」は69.4%となりました。“マスク熱中症”を経験した人は少なくないようです。
性年代別にみると、マスク着用時にマスクによる暑さで具合が悪くなったことがある人の割合は、男女とも10代(男性44.6%、女性43.4%)が最も高くなりました。
健康を過信すると危険! 「熱中症にならない自信がある」2割強、60代以上男性では4割
全回答者(1,000名)に、“熱中症にならない”という自信があるか聞いたところ、「ある」は21.3%、「ない」は78.7%となりました。
性年代別にみると、“熱中症にならない”という自信がある人の割合は、60代以上男性(39.8%)が最も高く、次いで、10代男性(37.3%)、20代男性(33.7%)となりました。
自分の健康を過信し、熱中症対策を十分に行っていない場合、熱中症のリスクが高まります。「自分は大丈夫」と油断することなく、熱中症に対する正しい知識を身に付けることが大切です。
暑い日にマスク熱中症対策を行いたい人は全体の8割強
行いたいマスク熱中症対策 1位「喉が渇いていなくても水分補給」2位「人が少ない場所に移動しマスクをはずす」
次に、熱中症対策について質問しました。
全回答者(1,000名)に、暑い日のマスク着用における熱中症対策としてどのようなことを行いたいと思うか聞いたところ、「喉が渇いていなくても水分補給する」(55.6%)が最も高く、次いで、「人が少ない場所に移動しマスクをはずす」(39.0%)、「接触冷感マスクを着用する」(34.1%)、「マスクを着用したまま涼しい場所へ移動する」(29.5%)、「冷却作用のある成分をマスクにスプレーする(メントールなど)」(15.6%)となり、何らかの対策を行いたいと思っている人の割合は83.3%でした。大多数の人が“マスク熱中症”の危険性を理解し、マスク着用時の熱中症対策を必要だと感じているようです。
「暑い時期に熱中症対策を行っている」74.1%、昨年から4.6ポイント上昇
■実践している熱中症対策 TOP3「水分をこまめにとる」「扇風機・エアコンを使用」「涼しい服装をこころがける」、「人と十分な距離があるときはマスクをはずす」は熱中症対策実践者の8人に1人にとどまる
全回答者(1,000名)に、暑い時期に熱中症対策を行っているか聞いたところ、「行っている」は74.1%、「行っていない」は25.9%となりました。
昨年(2020年)の調査結果と比較すると、熱中症対策を行っている人の割合は4.6ポイント上昇(2020年69.5%、2021年74.1%)しました。
暑い時期に熱中症対策を行っている人(741名)に、実施している対策を聞いたところ、「水分をこまめにとる」(85.2%)が最も高くなりました。脱水症状を避けるため、こまめな水分補給を徹底している人が多いようです。以降、「扇風機・エアコンを使用」(57.9%)、「涼しい服装をこころがける」(51.1%)、「塩分補給をする」(42.2%)、「帽子を着用」(39.1%)が続きました。そのほか、「人と十分な距離があるときはマスクをはずす」は12.3%と、マスク熱中症対策を実施している人は8人に1人にとどまりました。
■「子どもは体育の授業ではマスクをはずしたほうがいい」小学生の親の約9割がマスク熱中症対策の必要性を理解
一方、自分の子どもに体育の授業でマスクをはずすことを指示している親は約2割にとどまる
小学校の体育の授業におけるマスク熱中症の対策について質問しました。
小学生の子どもがいる人(72名)に、子どもは体育の授業ではマスクをはずしたほうがいいと思うか聞いたところ、「非常にそう思う」が48.6%、「ややそう思う」が40.3%で、合計した『そう思う(計)』は88.9%となりました。小学生の子どもがいる親の大多数が、体育の授業でのマスク着用は熱中症のリスクが高いと感じているようです。
では、体育の授業でのマスク着用について、子どもに対しどのような指示をしているのでしょうか。
自分の子どもに、体育の授業ではマスクをどのようにするよう言っているか聞いたところ、「はずすように言っている」が22.2%、「着けるように言っている」が12.5%、「周囲の状況にあわせるように言っている」が34.7%、「何も言っていない」が30.6%となりました。体育の授業でのマスク熱中症のリスクを想定し、明確に対策を指示している人は約2割にとどまりました。
「熱中症になったときの対応・処置を知っている」58.3%、昨年から8.6ポイント上昇
対応・処置を知っていると回答した人の4割が「熱中症になったときに“額を冷やす”のは正しい対応・処置」だと誤認
続いて、熱中症になったときの対応・処置について質問しました。
全回答者(1,000名)に、熱中症になったときの対応・処置を知っているか聞いたところ、「知っている」は58.3%、「知らない」は41.7%となりました。
昨年(2020年)の調査結果と比較すると、熱中症になったときの対応・処置を知っている人の割合は、2020年49.7%、2021年58.3%と、8.6ポイント上昇しました。
熱中症になったときの対応・処置を知っていると回答した人(583名)に、正誤両方を含む対応・処置を提示し、自身が正しい対応・処置だと考えるものを選んでもらったところ、正しい対応・措置である「涼しい室内に移動する」(74.1%)や「風通しのよい日陰に移動する」(73.6%)、「脇の下を冷やす」(68.3%)では約7割の人が正答し、大半の人が正しい知識を持っていることがわかりました。他方、誤った対応・措置である「額を冷やす」(40.1%)では4割、「ジェルタイプのシートでからだを冷やす」(19.6%)では2割の人が誤答するなど、熱中症になったときの対応・処置について誤認している人が少なくないこともわかりました。
「熱中症について学んだことがある」4割強、10代では7割と突出
また、全回答者(1,000名)に、熱中症について(症状や対応・処置などを)学んだことがあるか聞いたところ、「ある」は42.1%、「ない」は57.9%となりました。
学んだことがあると回答した人の割合を年代別にみると、10代(70.5%)が突出して高く、7割を超えました。
過去の調査結果と比較すると、学んだことがあると回答した人の割合は、2019年38.9%、2020年39.5%、2021年42.1%と、上昇傾向がみられました。
第3章 今夏のマスク着用意向と生活意識
■今夏のマスク着用意向 「夏になってもマスクの着用を続けようと思う」79.6%、昨年より4.6ポイント上昇
「猛暑日でもマスクを着用しようと思う」69.1%、昨年より8.4ポイント上昇
「屋外で人と十分な距離が確保できる場合もマスクを着用しようと思う」50.2%
「夏に外で運動をする際もマスクを着用しようと思う」41.7%
「新型コロナワクチン接種後もマスクを着用しようと思う」77.2%、50代以上では83.7%
全回答者(1,000名)に、今年の夏のマスク着用意向について質問しました。
夏になってもマスクの着用を続けようと思うか聞いたところ、「非常にそう思う」が36.4%、「ややそう思う」が43.2%で、合計した『そう思う(計)』は79.6%でした。猛暑日でもマスクを着用しようと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は69.1%となりました。
昨年(2020年)の調査結果と比較すると、夏になってもマスクの着用を続けようと思う人の割合は4.6ポイント上昇(2020年75.0%、2021年79.6%)、猛暑日でもマスクを着用しようと思う人の割合は8.4ポイント上昇(2020年60.7%、2021年69.1%)しました。
また、屋外でのマスク着用について、屋外で人と十分な距離が確保できる場合もマスクを着用しようと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は50.2%となり、夏に外で運動(ウオーキング・ジョギングなど)をする際もマスクを着用しようと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は41.7%となりました。
新型コロナワクチンを接種した後もマスクの着用を続けようと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は77.2%となりました。ワクチンを接種後も、マスクを引き続き着用して、感染症対策を徹底しようと考えている人が多いようです。
年代別にみると、『そう思う(計)』と回答した人の割合は、50代と60代以上(いずれも83.7%)が最も高くなりました。
「夏にエアコンをつけていてもこまめに換気しようと思う」約7割
■「エアコン使用時は設定温度を28℃にしようと思う」“夏は室温を28℃以下にキープ”する予定の人の約6割
次に、全回答者(1,000名)に、今年の夏の生活意識について質問しました。
夏になっても極力自宅で過ごすようにしようと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は74.9%となり、夏にエアコンをつけていてもこまめに換気しようと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は68.2%となりました。換気を繰り返すことで室内温度が上昇し、エアコンをつけていても熱中症のリスクが高まるおそれがあります。エアコンがついている場合でも、室内の温度や湿度に注意を払い、熱中症対策を意識した過ごし方が大切です。
また、室温について、夏は室内温度を28℃以下に保つようにしようと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は66.0%となりました。
ここで、今年の夏は室内温度を28℃以下に保つようにしようと思っている人(660名)に、エアコンをつけるときには設定温度を28℃にしようと思うか聞いたところ、『そう思う(計)』は57.0%となりました。
昨年(2020年)の調査結果と比較すると、『そう思う(計)』と回答した人の割合は2020年56.5%、2021年57.0%となっており、クールビズの目安である“室温28℃”を“エアコンの設定温度28℃”と認識している人の割合が同程度の水準となりました。
在宅時のエアコン使用状況
日中・夜間・就寝中のいずれの時間帯でも「室温は関係なく、暑いと感じたときに使用している」が最多
最後に、全回答者(1,000名)に、在宅時のエアコン使用状況を、日中・夜間・就寝中の3つの時間帯ごとに聞きました。
結果をみると、いずれの時間帯においても「室温は関係なく、暑いと感じたときに使用している」(日中50.5%、夜間48.9%、就寝中38.9%)が最も高くなりました。自身が暑いと感じたときにエアコンを使用することは大切ですが、一方で高齢者は暑さや寒さに対する感覚が鈍くなります。体感だけでなく温度や湿度をチェックし、適切な室温環境を保つことが重要です。また、「エアコンは使用しない」は日中では13.1%、夜間では14.2%となった一方、就寝中では21.0%となり、5人に1人がエアコンを使わずに寝ている実態が明らかとなりました。
就寝中にエアコンは使用しない人の割合を性年代別にみると、60代以上男性では32.5%と、他の年代と比べて高くなりました。