日本生産性本部、「労働生産性の国際比較 2020」を公表  日本の時間当たり労働生産性は47.9ドル(4,866円)で、 OECD加盟37カ国中21位

調査研究や提言、実践活動により生産性向上をめざす公益財団法人日本生産性本部(東京都千代田区、会長:茂木 友三郎)は、12月23日、「労働生産性の国際比較 2020」を公表しました。これは、当本部がOECD.Statデータベース等をもとに毎年分析・検証し、公表しているものです。

「労働生産性の国際比較 2020」では、2019年の日本の労働生産性(時間当たりおよび一人当たり)の国際的に見た位置づけや2018年の製造業における分析と併せて、コロナ禍を受けた2020年4~6月期の動向についても考察しました。人口減少が進む日本において、生産性向上は喫緊の課題であり、政府も民間企業・組織も各種の政策や対策を展開していますが、当本部では、日本の労働生産性の国際的な位置づけを定点観測し、今後の政策立案や施策の展開に役立てたいと考えています。
OECDデータに基づく2019年の日本の時間当たり労働生産性は47.9ドル(4,866円)で、OECD加盟37カ国中21位でした。名目ベースでみると、前年から5.7%上昇したものの、順位は変わっていません。就業者一人当たり労働生産性は81,183ドル(824万円)、OECD加盟37カ国中26位となっています。

  1. 日本の時間当たり労働生産性は、47.9ドル。OECD加盟37カ国中21位。
    OECDデータに基づく2019年の日本の時間当たり労働生産性(就業1時間当たり付加価値)は、47.9ドル(4,866円/購買力平価(PPP)換算)。米国(77.0ドル/7,816円)の約6割の水準に相当し、順位はOECD加盟37カ国中21位だった。名目ベースでは前年から5.7%上昇したものの、主要先進7カ国でみると、データが取得可能な1970年以降、最下位の状況が続いている。
  1. 日本の一人当たり労働生産性は、81,183ドル。OECD加盟37カ国中26位。
    2019年の日本の一人当たり労働生産性(就業者一人当たり付加価値)は、81,183ドル(824万円)。韓国(24位・82,252ドル/835万円)やニュージーランド(25位・82,033ドル/832万円)とほぼ同水準。名目ベースでは前年を3.4%上回ったが、順位でみるとOECD加盟37カ国中26位で、1970年以降最も低くなっている。
  1. 日本の製造業の労働生産性は、98,795ドル。OECDに加盟する主要31カ国中16位。
    2018年の日本の製造業の労働生産性水準(就業者一人当たり付加価値)は、98,795ドル(1,094万円/為替レート換算)。日本の水準は、米国の概ね2/3にあたる。ドイツ(100,476ドル)や韓国(100,066ドル)をやや下回るものの、英国(97,373ドル)を若干上回る水準となっている。日本の生産性水準は2年連続で上昇しているが、順位でみるとOECDに加盟し計測に必要なデータを利用できる主要31カ国の中で16位にとどまっている。

※OECDが随時行うGDPデータ改訂に加え、2020年に公表された購買力平価レート基準改訂に伴い、OECD加盟国全ての労働生産性の数値を過去に遡及して改訂した。そのため、日本の労働生産性水準及び順位が昨年度報告書と異なっている。

レポート本文は、当本部の「労働生産性の国際比較」サイト( https://www.jpc-net.jp/research/list/comparison.html )よりご覧いただけます。

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