心疾患患者の運動習慣獲得支援サービス『みえるリハビリ』の提供を開始
~高齢者にも配慮したUIで2023年度グッドデザイン賞を受賞~
NTTコミュニケーションズ株式会社(以下 NTT Com)は心疾患患者の運動習慣獲得支援サービス「みえるリハビリ」(以下 本サービス)を2023年10月12日より提供開始します。
本サービスはユーザーリサーチや体験設計を行ったことで利用者の多くを占める高齢者にも使いやすいUI(※1)を実現しており、2023年グッドデザイン賞(※2)を受賞しました。
自治体などを通じて、本サービスを住民や患者へ提供(※3)することで、「運動をどこでも、いつでも、誰でも、安心して実施できる社会」の実現に取り組みます。
1.背景
心疾患は再発を繰り返しやすい病気であり、日本人の死因の第二位(※4)となっています。近年では高齢化に伴い心疾患のひとつである心不全患者が右肩上がりに増加し「心不全パンデミック」という言葉も登場しています。心疾患の増加は患者本人の負担になるだけでなく、入退院を繰り返すことによる病床の圧迫や医療費増大を招き、社会的な課題となっています。
定期的な運動などによる心臓リハビリテーションは心疾患の再発予防に効果があると確認されていますが、退院後、病院によるリハビリの実施率は約7%(※5)と低く、個人に任されているのが現状です。
NTT Comはこれらの課題に対応するため、一人でも自宅で安心して運動に取り組める運動習慣獲得支援サービス「みえるリハビリ」の提供を開始します。
2.特長
本サービスは、個人の運動習慣獲得をサポートするサービスです。「hitoe(R)」(※6)を使った着衣型ウェアラブルデバイスとスマートフォンのアプリ、運動記録の保存が可能なデータ利活用プラットフォーム(※7)から構成されます。
なお、本サービスはリハビリ自体の提供を行うものではなく、医療行為ではありません。
主な特長は以下の通りです。
(1)利用者一人ひとりにあった運動強度で運動が可能
利用者は医療従事者から案内された自身の運動強度(METs)を、アプリに登録することができます。また、運動の際は着用した「hitoe(R)」で取得する心拍数・加速度をもとに、NTT独自の運動強度推定技術(※8)で運動強度(METs)をリアルタイムに算出・みえる化し、事前にアプリに登録した運動強度(METs)と照らし合わせながら運動が可能です。運動中に運動強度(METs)が強すぎたり弱すぎたりするとアラートが通知されるため、安心して運動に取り組めます。
(2)楽しみながら運動習慣を獲得
本サービスは行動経済学に基づき、目標達成状況に応じたフィードバックメッセージの送信やポイント・レベルシステム、ウォークラリーなど、ゲームの要素を織り交ぜ楽しみながら運動習慣が身に付きます。また、サポーター機能により、家族や親しい友人へ自分の運動状況の共有も可能です。
(3)運動状況を医療従事者と共有することが可能
本サービスで取得した運動状況のデータは、データ利活用プラットフォームを介して医療従事者と共有することができ(※9)、運動習慣改善のための参考情報として活用いただけます。
(4)心不全手帳機能
心不全患者向けの紙手帳をアプリ化し、スマートフォン上で日々の身体の状態を記録し、振り返りが可能です。また、医療従事者ともデータ利活用プラットフォームを介して登録した情報を共有できます。
(5)高齢者にも配慮したUI
本サービスはNTT ComのデザインスタジオKOEL(※10)が参画し、運動習慣獲得のためのユーザーリサーチや体験設計を行い、利用者の多くを占める高齢者にも使いやすいUIを実現しています。また、患者が安心して運動を行える機能面および親しみやすいデザインが評価され2023年のグッドデザイン賞を受賞しています。
本サービスの特長
本サービスのアプリ画面イメージ
3. 提供開始日
2023年10月12日
4. お申し込み方法
NTT Com営業担当までお問い合わせください。
5.提供方法
本サービスは自治体などを通じて住民や患者へ提供します。個人ではお申し込みいただけませんのでご注意ください。
ま た、契約形態として通常の業務委託に加えて、成果連動型民間委託契約方式(※11)でのご提供も可能です。詳細はNTT Com営業担当までお問い合わせください。
6.今後の展開
個人の特性に合わせたより効果的な介入により運動習慣の獲得をめざします。これにより健康寿命を延伸させ、個人のウェルビーイング向上に貢献するだけでなく、増大する医療費の適正化による持続可能な社会保障制度の実現をめざします。
7.docomo business Forum’23 出展情報
2023年10月12日(木)~13日(金)に開催する「docomo business Forum’23」にて、本サービスを紹介予定です。公式Webサイトの展示情報よりご確認ください。
公式Webサイト:https://www.ntt.com/business/go-event.html?ir=nr
■展示名:「みえるリハビリ」の向こうに明るい明日が見えてくる
■展示番号:BC-07
*会場:ザ・プリンス パークタワー東京 B2フロア
https://www.ntt.com/business/go-event/access.html
*日時:2023年10月12日(木)~13日(金) 9:30~17:30
*参加方法:公式Webサイトより事前に来場お申し込みをお願いします
*参加費用:無料
(※1):UI(ユーザーインターフェース)は、利用者と製品の接点のことです。ここでは本サービスのアプリ画面などを指します。
(※2):グッドデザイン賞 (主催:公益財団法人日本デザイン振興会)は、1957年に創設されたグッドデザイン商品選定制度を前身とした、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動です。
(※3):本サービスは自治体などを通じてのみ、お申し込みが可能です。
(※4):厚生労働省令和4年(2022) 人口動態統計月報年計(概数)の概況を参照しています。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai22/dl/gaikyouR4.pdf
(※5):国立研究開発法人国立循環器病研究センターの心不全患者に対する外来心臓リハビリテーションの効果を参照しています。
https://www.ncvc.go.jp/pr/release/pr_35709/
(※6):「hitoe(R)」は、東レと日本電信電話株式会社が開発した機能素材です。最先端繊維素材であるナノファイバー生地に高導電性樹脂を特殊コーティングすることで、非金属素材でありながら生体信号を高感度に検出できます。
(※7):データ利活用プラットフォームは、ヘルスケア分野の個人情報を安心・安全に利活用するための機能を一元的に提供する、NTT Comの「Smart Data Platform for Healthcare」を指します。
(※8):NTT社会情報研究所の運動強度推定技術(胸部の加速度と心拍数から、二要素のバランスを連続的に変化させることで従来技術より広範囲の行動や運動の負荷を推定可能とする技術)を活用しています。
(※9):データの取り扱いについては「みえるリハビリ」サービス利用規約に準じます。
(※10):KOELは、NTT Comの事業変革・事業創出を担うイノベーションセンター内に2020年に創設されたデザイン組織です。「人や企業に愛される社会インフラをデザインする」をビジョンとして掲げ、デザイン業務の支援や実践、組織的なデザイン業務の浸透などを行っています。
https://www.ntt.com/lp/koel/
(※11):成果連動型民間委託契約方式は、社会課題の解決に対応した成果指標を設定し、成果指標値の改善状況に連動して委託費などを支払うもので、高い成果の創出に向けたインセンティブを民間事業者に強く働かせることが可能となる新たな官民連携の手法です。
*機能素材「hitoe(R)」は東レ株式会社と日本電信電話株式会社が共同で開発した機能繊維素材であり、両社の登録商標です。
NTTドコモ、NTT Com、NTTコムウェアは、ドコモグループの法人事業を統合し、法人事業ブランド「ドコモビジネス」を展開しています。「モバイル・クラウドファースト」で社会・産業にイノベーションを起こし、すべての法人のお客さま・パートナーと「あなたと世界を変えていく。」に挑戦します。
NTT Comは、事業ビジョン「Re-connect X(R)」にもとづき、お客さまやパートナーとの共創によって、With/Afterコロナにおける新たな価値を定義し、社会・産業を移動・固定融合サービスやソリューションで「つなぎなおし」、サステナブルな未来の実現に貢献していきます。
関連リンク
・主催者受賞発表ページ「みえるリハビリ」(2023年10月5日)
https://www.g-mark.org/gallery/winners/19660
・横浜市とNTTCom、NTTデータ経営研究所「みえるリハビリ」を活用した心疾患患者の自己リハビリモデル事業を開始 (2023年5月10日)
https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2023/0510.html
・心疾患患者の運動習慣の獲得を支援 新たに開発した運動サポートツールによる共同研究を開始 (2023年1月31日)
https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2023/0131.html