SF界の巨匠・小松左京はアメリカが「壁」に 囲まれるのを予言していた? 注目の小説『アメリカの壁』を電子書籍で緊急発売!
株式会社 文藝春秋は、『日本沈没』『首都消失』等で知られる、日本を代表するSF作家、故・小松左京氏の短編小説『アメリカの壁』電子版を2月10日に緊急発売いたします。
今からちょうど40年前の1977年に発表されたこの作品には、「輝けるアメリカ」「美しいアメリカ」というスローガンを掲げて当選した孤立主義者のアメリカ大統領が登場します。そして突然、出現した「壁」によってアメリカは、外の世界との交通、通信が一切、遮断されてしまう、という設定です。
この小説がトランプ大統領が就任した後のアメリカを思わせることから、京都新聞のコラム「凡語」が紹介(2017.1.27掲載)。ネット上でも「いま読んでおくべき」「現実がSFに近づいた」と話題になっています。
1982年に文春文庫で発売された短編集にこの作品は収録されていますが、その表題作『アメリカの壁』1作を抜き出し、電子書籍として単独で発売いたします。
アメリカの“今”を理解するために、ぜひお読みください。
●小松左京プロフィール●
1931(昭和6)年、大阪生まれ。京都大学文学部卒。1962年に「SFマガジン」で商業誌デビュー。上下巻あわせて400万部を超えるベストセラーとなった『日本沈没』(1973)をはじめ、『復活の日』『首都消失』『果しなき流れの果に』『日本アパッチ族』『さよならジュピター』『虚無回廊』など、さまざまな作品を発表。日本を代表するSF作家にして、SFの枠を超えて多くの読者を獲得した。映画化、テレビ化された作品も多数。
また、1970年に開催された大阪万博に深くかかわり、岡本太郎とともに「太陽の塔」内部の展示を企画。これ以降も90年に大阪で開催された「国際花と緑の博覧会」総合プロデューサーを務めるなど、多くのプロジェクトに参加した。2011年に逝去。享年80。今年に7月に七回忌を迎える。
小松左京氏(写真:文藝春秋写真資料部)
●小松左京ライブラリーからのコメント●
「アメリカを世界から完全に切り離すことで、その真の存在価値と、秘められた闇を描いた「アメリカの壁」 。
『日本沈没』は日本だけが沈んでいく、世界からもうどうしようもなく消えていくって話なんだけど、世界最大最強のアメリカを消そうにも沈没させられないから、「壁」にしたんだね。(『小松左京自伝』より)
史上最強の超大国は、経済、軍事、外交、様々な形で全世界と結びついており、日本は、その関係性がもっとも深い国の一つです。
新たなリーダーの登場で、かつてない道に進もうとするアメリカの闇を理解するためにも今こそお読みいただきたい作品です」
●作品あらすじ●
突然、出現した「壁」によってアメリカと外の世界との交通、通信が一切、遮断されてしまった。にもかかわらず、「アメリカは生きつづけるだろう」と語る大統領のもと、アメリカ国民は意外な落ち着きをみせていた。アメリカに閉じ込められた日本人ライターは、こうした状況に不審感を抱き、真相を探りはじめる。
●本文より●
「――新しい意味での孤立主義者であった現大統領、この“すばらしく、美しく、ゆたかで、新しく、自由なアメリカ”を、汚れ、古び、混沌として厄介事だらけの“旧世界”から、切りはなしたい、と考えつづけていた大統領は、とんでもない事を思いついた……。」
「アメリカは、“外”の世界に、ひどくいやな形で傷つき、萎縮(シュリンク)しはじめた。そいつは認めるだろ? 今の大統領は、その方向をさらに強め、妙な具合にカーブさせた。彼は”幸福な新天地時代“のアメリカのノスタルジイに訴え、そこからの再出発を考えているみたいだった。」
書誌情報
書名:アメリカの壁 小松左京e-booksセレクション
価格:200円(税込、発売から1ヶ月は特別価格として100円)
発売日:2017年2月10日
主要販売電子書店:Kindleストア/楽天kobo/iBoooksStore/Reader Store/紀伊國屋書店Kinoppy/honto ほか
URL : http://books.bunshun.jp/ud/book/num/1692038000000000000B
関連書籍
書名:アメリカの壁(※短編集)
内容:表題作ほか「眠りと旅と夢」「おれの死体を探せ」など全6編
価格:500円(税込、※価格は電子書店によって異なる場合があります)
主要販売電子書店:Kindleストア/楽天kobo/iBoooksStore/Reader Store/紀伊國屋書店Kinoppy/honto ほか
URL : http://books.bunshun.jp/ud/book/num/1671760900000000000G