音声をリアルタイムに表示する字幕表示システム「Cotopat」を、 京セラドキュメントソリューションズジャパンより販売開始
京セラ株式会社のグループ会社である京セラドキュメントソリューションズジャパン株式会社(代表取締役社長:長井 孝、以下:京セラドキュメントソリューションズジャパン)は、京セラ株式会社(代表取締役社長:谷本 秀夫、以下:京セラ)が開発し、事業化にむけて実証実験を重ねてきた「わかりやすい字幕表示システム」を、このたび「Cotopat(コトパット)」※と名付け、2023年8月17日(木)から販売を開始いたします。
「Cotopat」の利用イメージ
Cotopatは、話した言葉をリアルタイムに認識して文字・図解・動画をスクリーンに表示することで、会話の聞き取りづらさを解消し、コミュニケーションを円滑にするシステムです。特に聴覚障がいのある方や高齢者の方々は、コロナ禍におけるマスクやアクリル板を介した会話の聞き取りづらさなどからコミュニケーション障がいを感じる方も多く、その課題を解決するため2021年に京セラが開発しました。相手の表情を見ながら安心して会話することができ、発話者もスムーズに情報を伝えられるため、さまざまな業種の窓口業務でのサービス向上や対応時間の短縮に貢献します。
京セラでは本システムの事業化を想定し、これまで横浜市中区役所内の福祉関連窓口や同志社大学、JR新宿駅などで実証実験を行ってまいりました。体験いただいた皆様からは、聴覚障がいのある方や高齢者の方だけでなく、あらゆる方の理解の助けとなり円滑なコミュニケーションに繋がっているなどの評価をいただいています。
今後、本商品の販売を担う京セラドキュメントソリューションズジャパンでは、各自治体や駅などの公共施設、大学、ホテル、百貨店などの受付、病院、福祉施設などの相談窓口への販売を予定しております。
※「Cotopat」は京セラドキュメントソリューションズジャパン株式会社が登録商標申請中です。
Cotopatの概要
商品名商品内容希望小売価格(税別)販売開始予定 Cotopat
(コトパット)
字幕表示アプリ、
周辺機器一式
(マイク、プロジェクター、表示スクリーン、テンキー、スイッチなど)
オープン
価格
8月17日
Cotopatの特長
- 音声を字幕として表示
音声を認識して、字幕として表示します。また、文脈を認識し、同音意義語や文字区切りも自動で補正します。さらに、専門用語をあらかじめ登録しておくことで、文字変換率を向上することもできます。
2.文字、図解や動画によるわかりやすい表示方法
登録した単語を強調して表示することが可能です。文字だけではなく、図解や動画を表示できるため、視覚情報を通して、よりわかりやすく伝えることができます。
3. 7種類の言語の翻訳表示に対応
発話者の言語を翻訳して表示します。日本語をはじめ、7種類の言語※に対応していますので、海外からの利用者に現地の言葉で情報を伝えることができます。
※日本語、英語、中国語(簡体)、中国語(繁体)、韓国語、ベトナム語、ポルトガル語
体験いただいたお客様からのコメント
横浜市中区役所
高齢・障害支援課 高齢・障害係長 豊倉 麗子 様
当課は、高齢・障がい福祉の相談窓口として、各種相談・制度の手続き等を行っています。窓口に字幕表示システムを設置して1年以上が経ちますが、聴覚障がいの方やご高齢の方への対応がスムーズに行えるようになりました。字幕のほか、図解も表示できるため、聞こえる方にも理解の助けとなるなど、円滑なコミュニケーションに繋がっています。対応時間の短縮や理解のしやすさに加え、適切な声量でご案内できることにより、個人情報の保護にもつながるなど、市民対応の向上に役立っています。
I・TOP横浜とは?
IoTオープンイノベーショントナーズ(I・TOP横浜)とは、横浜経済の強みである「ものづくり・IT 産業の集積」を活かし、業種や企業規模の枠組みを超えてIoTビジネスを目指すプレーヤーの「連携」を実践する場です。多様な企業・団体が参加することで、個別プロジェクトの実施とマッチングを行い、IoTやAIなどのテクノロジーを活用した生産性向上の取組や社会課題解決への貢献、新たなビジネスモデルの創出を支援しています。
I・TOP横浜 サイトリンク https://itop.yokohama/summary/
同志社大学
学長補佐 ダイバーシティ推進委員会委員長 新関 三希代 様
本学は2021年にダイバーシティ推進宣言を発表し、その重要課題の一つとして、障がいを持つ学生を支援する取り組みを推進しています。京セラの字幕表示システムは、聴覚障がいのある学生とのコミュニケーション補助のために、大学内に設置しました。当システムにより、会話がスムーズになる効果があるだけでなく、システムの存在自体が、周囲の学生自らが持つマジョリティ特権に気づき、マイノリティに対する支援の在り方自体を考えるきっかけになっています。
文化情報学部 教授 阪田 真己子 様
これまで、聴覚障がいの方々への文字情報保障では、コミュニケーションにおいて伝達される音声言語を「文字」で示すことで保障をしてきたわけですが、その文字は、手元の端末や、発言者とは別の位置に設置されたモニターなどに表示されることが少なくありませんでした。発言者の発話内容を把握するためには、発言者から視線を外さざるをえなかったわけですが、当システムを用いることにより、アクリル板に発話内容が表示されることで、まるでテレビや映画を見ているように、発話者の顔の表情を見ながら、発話の内容を(瞬時の音声翻訳機能のおかげで)ほぼ同時に把握できるようになりました。本来の対面コミュニケーションの重要な要素を損なわない会話を実現できるという意味で有効なシステムといえます。
JR東日本 新宿駅
多くの音が混在する駅では、 ご高齢の方や聴覚に障がいのある方を含め、多様なお客様に「いかにタイムリーかつ、正確に情報を伝えるか」 が課題となっています。 実証実験を検討した当時、新型コロナウイルス感染拡大によるマスク着用やアクリル板越しでの対応となったことから、課題が深刻化していました。
文字や図解、動画という視覚情報で伝えることが可能な京セラの字幕表示システムを導入することで、窓口業務における円滑で効率的なコミュニケーションと対応時間の短縮によるサービスの向上を目指すことが可能であるか、検証を行いました。
体験した社員の声(みどりの窓口 ご担当者様)
みどりの窓口では、お客様からお伺いする内容が多いうえ、マスクの着用やパーテーションの影響でこれまで以上に対応の時間がかかっていました。しかし京セラの字幕表示システムを利用することで、案内や説明をスムーズに行うことができ、多くのお客様に心地よくみどりの窓口をご利用いただくことができました。その中でも特に聴覚に障がいがあるお客様から、「スムーズにきっぷが買える 」と大変喜んでいただきました。
体験した社員の声(改札 ご担当者様)
券売機のような機器類の操作方法や店舗までの道順などを、図解や動画を用いて案内できることから、お客様より「大変分かりやすい」と好評でした。また、これまで訪日のお客様にみどりの窓口までの道案内をする際、言語翻訳ツールや駅で作成した構内マップなどを活用していましたが、京セラの字幕表示システムでは、ボタンひとつで翻訳された字幕と同時に動画などを放映できるため、お客様だけでなく社員からも大変好評でした。2箇所の改札(南・西改札)で実証実験を行いましたが、お客様へのサービス品質向上および社員の業務効率化など、多岐に渡り効果があったと感じています。