【名城大学】ヘルシンキ大学(フィンランド)講師の朴沙羅さんが都市情報学部で講義

ヘルシンキ大学(フィンランド)文学部の講師で社会学者の朴沙羅(ぱく・さら)さんが7月16日、ナゴヤドーム前キャンパスで都市情報学部の稲葉千晴教授が担当する1年次開講科目「都市学英語1」のゲスト講師として登壇し、「フィンランドと外国人の壁」と題して学生約30人に外国人をめぐるフィンランドと日本の社会の問題や両国の共通点と相違点などを解説しました。

朴さんは神戸大学大学院国際文化学研究科講師などを経て、2020年からヘルシンキ大学文学部文化学科で講師を勤め、日本文化論・日本社会論を教える授業を担当しています。「家(チベ)の歴史を書く」「ヘルシンキ 生活の練習」などの著書があり、現在、朝日新聞で季節の変わり目ごとに掲載されている「欧州季評」の執筆も担当しています。稲葉教授がヘルシンキ大学の客員教授を勤めている縁でこの日の登壇となりました。

「社会の弱者を調査すると、その社会の性質や特徴が見つかりやすい」とアドバイス

講義で朴さんはまず、外国人をめぐる日本社会の問題として、「日本の外国人政策は先進国から特殊と言われがち」と指摘。その理由として、移民を受け入れない前提の政策であるために通常の移民政策がないことや、定住外国人への国家レベルでの日本語教育と移民の母語教育、差別禁止法がないこと、地方参政権など外国人の政治参加が極めて限られていることなどを挙げました。

一方、外国人をめぐるフィンランド社会の問題について、朴さんはフィンランド語の能力不足を理由にした就職差別があることや、外国人が母国で取得した資格や技能が生かせないことなどを説明。また、外国人労働者への人権侵害の例として、観光ビザでタイなどから入国した労働者に低賃金と過酷な労働環境下で森に自生するベリーを摘み取らせてきた企業が「外国人労働者を搾取している」と批判されたことを紹介しました。

まとめとして朴さんは、外国人をめぐる問題でフィンランドと日本の共通点として、両国とも少子化に伴う人口減少対策として外国人や移民を受け入れている点を、相違点として移民受け入れ政策が日本にはなく、フィンランドには有る点を挙げました。最後に、移民労働者や在住外国人について研究している朴さんは「移民など社会における弱者やマイノリティーを調査すると、その社会の性質や特徴が見つかりやすい」とアドバイスしました。


AIが記事を作成しています