業界初(※1) アラーム機能付き1セルバッテリー保護IC 「S-82L1/T1/U1/V1シリーズ」発売

アラーム機能を用いることでADコンバータを使用せず安全で効率的な急速充電が可能

S-82L1_T1_U1_V1_NRメイン図_GP

 ミネベアミツミグループのエイブリック株式会社(社長:石合 信正、本社:東京都港区、以下:「ABLIC」)は本日より、1セル用としては業界初(※1)となるアラーム機能付き1セルバッテリー保護IC「S-82L1/T1/U1/V1シリーズ」の販売を開始しました。
 1セルリチウムイオンバッテリーはスマートフォンやウェアラブル機器などのIT機器をはじめとする様々なアプリケーションに用いられています。特に、昨今のスマートフォンの高機能化に伴い、大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載する傾向にあり、こうした大容量バッテリーの急速充電のニーズから、充電電流を大きくしたいという要望が高まっています。
しかし、充電電流が増えると保護回路基板上にある電流検出抵抗や充放電制御用FETのオン抵抗による電圧降下によって、充電システム側から正確なバッテリー電圧の監視が困難になるという課題が生じます。
 本日発売した新製品「S-82L1/T1/U1/V1シリーズ」は、ADコンバータを使用しなくてもバッテリー電圧がアラーム検出電圧に到達したことを正確に検知することが可能となり、シンプルで安全に急速充電を行うことができます。具体的には(1)バッテリー電圧を±12mVの高精度で検出してアラーム信号を出力することにより、急速充電中でも電流検出抵抗や充放電制御用FETのオン抵抗による電圧降下の影響を受けずに、正確なバッテリー電圧の検知が可能となる(全シリーズ共通)、(2)過充電検出電圧精度も±12mVと業界トップクラスの高精度化を実現している(全シリーズ共通)、(3)充電/放電過電流検出電圧精度も±0.75mVと業界トップクラスの高精度で、過電流検出のばらつきを抑えつつ電流検出抵抗の低抵抗化が実現できる(S-82V1シリーズ)、などの特長を持っています。
これらの特長により、急速充電中でもバッテリー電圧を正確に検知出来ることから、安全で効率的な急速充電が可能となり、かつ、高精度な過充電検出を実現できることから、製品の安全性強化にも大きく貢献する製品です。また、当社の「S-82Y1Bシリーズ」「S-82S1/R1シリーズ」と合わせ、急速充電ニーズに対応できるラインナップが充実することにより、お客様のニーズに沿った製品を提供することが可能となります。
 ABLICは、今後もリチウムイオンバッテリー保護ICにおいて、当社の技術力とノウハウを最大限に活用し、さらなる高精度化・高機能化を目指すとともに、多くの分野のアプリケーションに対応できる製品展開を図っていきます。

(※1)2022年11月時点 当社調べによる

   

S-82L1_T1_U1_V1保護回路例

主な特長

  1. アラーム機能により、安全で効率的な急速充電が可能!(全シリーズ共通)
    アラーム検出電圧は、急速充電中でも電流検出抵抗や充放電制御用FETのオン抵抗による電圧降下の影響を受けにくいVDD―VSS間電圧をモニターし、VDD-VSS間電圧がアラーム検出電圧を超えると、AO端子にアラーム信号を出力します。
    アラーム検出電圧精度は±12mVと高精度で、充電システム側はアラーム信号をモニターすることで、ADコンバータを使用しなくてもバッテリー電圧がアラーム検出電圧に到達したことを正確に検知することが可能となり、シンプルで安全に急速充電を行うことが可能となります。
  1. 過充電検出電圧精度は±12mVと業界トップクラスの高精度を実現!(全シリーズ共通)
    過充電検出電圧精度は±12mVと、業界トップクラスの検出電圧精度を実現しました。過充電検出電圧を高精度化することにより、安全性を確保しながらバッテリー性能を最大限に引き出すことができます。
  1. 過電流検出電圧精度は±0.75mVと業界トップクラスの高精度を実現!(S-82V1シリーズ)
    充電/放電過電流検出電圧精度は業界トップレベルとなる±0.75mVを実現しました。
    過電流検出のばらつきを抑えつつ電流検出抵抗の低抵抗化が可能となり、充電/放電電流値を上げても保護回路基板の発熱を抑えることが可能となり、アプリケーション機器の安全性強化に貢献します。

主な仕様

・アラーム検出電圧:    4.20 ~ 4.60V ±12mV(S-82L1シリーズ)
              3.50 ~ 4.80V ±12mV(S-82T1/U1/V1シリーズ)
・過充電検出電圧:       4.20 ~ 4.60V ±12mV(S-82L1シリーズ)
              3.50 ~ 4.80V ±12mV(S-82T1/U1/V1シリーズ)
・過放電検出電圧:       2.00 ~ 3.00V ±50mV
・放電過電流1検出電圧:0.003 ~ 0.100V ±3mV(S-82L1シリーズ)
                                  0.003 ~ 0.100V ±1.5mV(S-82T1シリーズ)
                                  0.003 ~ 0.100V ±1mV(S-82U1シリーズ)
                                  0.003 ~ 0.100V ±0.75mV(S-82V1シリーズ)
・放電過電流2検出電圧:0.010 ~ 0.100V ±3mV(S-82T1シリーズ)
                                  0.010 ~ 0.100V ±2mV(S-82U1シリーズ)
                                  0.010 ~ 0.100V ±1.5mV(S-82V1シリーズ)
・負荷短絡検出電圧:     0.010 ~ 0.100V ±7mV(S-82L1シリーズ)
                                  0.020 ~ 0.100V ±5mV(S-82T1シリーズ)
                                  0.020 ~ 0.100V ±4.5mV(S-82U1シリーズ)
                                  0.020 ~ 0.100V ±4mV(S-82V1シリーズ)
・充電過電流検出電圧: -0.100 ~ -0.003V ±3mV(S-82L1シリーズ)
                                 -0.100 ~ -0.003V ±1.5mV(S-82T1シリーズ)
                                 -0.100 ~ -0.003V ±1mV(S-82U1シリーズ)
                                 -0.100 ~ -0.003V ±0.75mV(S-82V1シリーズ)
・0V電池への充電(可能、禁止)
・動作時消費電流:       1.5μA max.(S-82L1シリーズ)
                                  5μA max.(S-82T1/U1/V1シリーズ)
・パワーダウン時消費電流:50nA max.
・最大定格:28V
・動作温度:-40~85℃
・パッケージ:HSNT-8(1616) 1.6×1.6×t0.4mm max.(S-82T1/U1/V1シリーズ)
       SNT-6A 1.57×1.8×t0.5mm max. (S-82L1シリーズ)

用途例

リチウムイオン二次電池パック、リチウムポリマー二次電池パック

搭載製品例

スマートフォン、タブレットPC、スマートウォッチなど  

S-82L1_T1_U1_V1_搭載製品例_JP

製品詳細

Webサイト

GreenProducts

本製品は、環境貢献に優れた製品としてミネベアミツミグループの「グリーンプロダクツ」に認定された製品です。詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.minebeamitsumi.com/news/newproducts/2021/1201086_16441.html

ジャンル:
ネット・IT
ニュースのシェア:
エイブリック株式会社
エイブリック株式会社
会社の詳しい情報を見る
NC動画生成サービス
Copyright 2006- SOCIALWIRE CO.,LTD. All rights reserved.