自宅周辺の自然災害リスクを認識している人は約4割 ~ハザードマップや地域コミュニティ等に関するアンケート調査~
日本損害保険協会 関東支部(委員長:永次 哲・三井住友海上火災保険株式会社コンプライアンス部部長(関東1・北陸担当))では、関東支部管轄の10都県の住民を対象に、ハザードマップ等に関する住民意識調査を実施しました。
近年頻発する自然災害への対応として自助・共助が重視されています。そこで、自助・共助において重要となる「ハザードマップ」「避難行動」「地域コミュニティによる助け合い」について、アンケート調査を行いました。
今回のアンケートにより、防災意識には住民によって大きな差があり、ハザードマップの理解や周知にも課題があることがわかりました。防災・減災力強化のためには、住民一人ひとりや地域コミュニティが主体的にかかわることが大切ですが、自治体等が自助・共助の強化に向けた改善やバックアップをする必要性も考えられます。
当支部では引き続き、本調査結果を踏まえて、自治体等関係団体と連携し、防災・減災の取り組みを推進してまいります。
調査概要
調査目的:自助・共助にかかる住民意識を把握し、その結果を踏まえ、住民の防災・減災意識向上に繋げる施策に活かすこと
調査期間:2021年12月23日~2021年12月31日
調査方法:インターネット調査
調査対象:茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県
回答数 :4,011名
調査結果の主なポイント
- 自宅周辺の被害リスクを認識している人は約4割
「自宅周辺のハザードマップを見たことがあり、被害リスクを認識している」のは全体の41.5%。一方、「別居の家族の自宅」や「勤務先等(日中過ごす地域)」の被害リスクをハザードマップで認識しているのはともに約17%で、「自宅周辺」に比べて大幅に低い。
- 「ハザードマップを見たことがない」理由のトップは「どこで見ればいいか分からない」
「ハザードマップを見たことがない」理由の1位は、「どこで見ればいいか分からない」の39.5%。また、「ハザードマップを見たことはあるが、被害リスクまでは認識していない」理由は、「情報量が多すぎる」と「自分の地域は安全だと思う」「内容は忘れてしまった」がそれぞれ約30%となっている。
- 「ハザードマップの存在を知らない」人の半数以上は、「避難指示」が出た場合の行動を決めていない
自治体から「高齢者等避難」「避難指示」が発令された場合、46.7%が「自治体指定の避難所に避難する」と回答。この回答は、ハザードマップの認知度に比例しており、「ハザードマップにより被害リスクを認識している」との回答者では半数以上となっているのに対して、「ハザードマップの存在を知らない」との回答者では21.6%まで下がっている。また、「ハザードマップの存在を知らない」との回答者では、「わからない」との回答が半数以上となっている。
- 「自治体が指定した避難所に避難しない」理由には、性別による差がみられる
「自治体が指定した避難所に避難しない」理由として、男性は「自宅や車中泊の方が安全」「避難所に移動するまでの間が危険」が上位に対し、女性は「プライバシーの確保が不安」「衛生面が不安」が上位となっている。
5.避難情報の「空振り」は、約半数が「何度空振りになっても構わない」
自治体から「避難指示」などが出たにもかかわらず、結果的に大きな被害が発生しない「空振り」について、48.2%が「何度空振りになっても構わない」、19.7%が「1年に2,3回程度なら空振りになってもよい」と回答。
6.「地域コミュニティの活性化が防災や減災に繋がるか」について、65.6%が「思う」
「地域コミュニティの活性化が防災や減災に繋がるか」について、65.6%の方が「思う」と回答。また、被災経験の有無により10%以上の差があり、「思う」との回答は、被災経験者は74.5%に対し、被災未経験者は61.3%となっている。
※各ポイントの解説や、被災経験の有無、年齢層、居住地(都県)などで集約している詳細なデータについては、概要版および調査報告書(詳細版)をご覧ください。